6年続くお灸!?

明日が参院選選挙ウィークラストデー。最後のお願いの最終日。
もう、どこに出かけても選挙一色なんだろなー。


さて。
7/7の日記でもなんとなく書いた、参院選の話題も恐らくぼちぼち終了。次はまた3年後(笑)
http://d.hatena.ne.jp/azuki-glg/20070707/1183764648
今回の選挙の最大の着眼点は、「与党vs野党」ではなく、「有権者vs選挙報道」だと思っている。
今回は見ていてなんだか随分な報道も多かった。衆院選と違って準備万端でやってくる参院選だけに、報道側のあの手この手の策略、微に入り細に入りのわりに見落としの多いニュースなどなど、いろいろな闘いが垣間見られた。
特に、大人になってからのニキビのことを吹き出物と言うが、その正式名称が「毛包炎」ということは今回の選挙報道で初めて知った(笑)。いろいろ勉強になるが、それが選挙報道のなんの足しになるのか、とqあwせdrftgyふじこlp;@:「


衆議院参議院の最大の違いは、衆議院には解散総選挙があるが、参議院は解散はないということ。
衆議院は4年の任期を満了したときか、内閣総理大臣が解散を宣言したときに解散され、選び直しになる。このため、任期4年を経ず、「いきなり総選挙」が行われることもありうる。参院選に合わせて衆参W選挙(同日選)が行われることもある。
が、参議院は解散はないので、一度決まるとその議席は6年間続く。参議院議席数の半分ずつが3年ごとに改選され、一度改選されると6年はそのまま、議員が亡くなったり辞職したりしない限りずっと続く。


これは結構重大なことで、ここで決まった議席比率はこれから6年間、厭が応にも響いてくるということだ。
今回の選挙では、最大野党が躍進して過半数を取る或いは与党が過半数を失うのではないか、というのが注目の的であるように言われているのだが、7/7の覚え書きでも書いているように、最大野党が大勝して過半数を獲得すると、衆議院参議院の間にねじれが起きる。
衆議院は現与党が多数派を締め、参議院は最大野党が多数派を締めるという議席比になると、衆議院vs参議院という対決構図が作られることになる。
衆議院が内閣+政権与党の賛成多数で通過させた法案は、ことごとく参議院で否決されることになってしまい、重要法案はなにひとつ動かなくなる。これが空転国会。


今年の国会では「与党による強行採決」というフレーズがよく使われたが、これは「有権者の支持を多く集めて多数派を形成する与党」と「少数の支持しか得られなかった野党」が法案審議を行ったとき、「さあ、そろそろ時間もないことだし採決しましょう」と与党側が提案すると、野党側が「いやだ、もっと質問するんだ!」と採決に応じないので、「じゃあ仕方ないから出席者だけで採否を取りますよ」というもの。なぜ法案審議の時間が足りなくなってしまったのかというと、野党が審議拒否で法案審議をする委員会に出てこなかった=サボタージュしていたから(^^;)
国会の審議をサボタージュしていたとしても、議員歳費はしっかり税金から支払われているわけで、なんだかアレでナニな気もするのだが、「そういうわけでずる休みをしていたら時間がなくなったが、採決には応じない!」という、夏休みの宿題を遊び倒してできなかったのに提出には応じないと威張る小学生のようなことをやっていたため、「そうは言っても夏休みは延びないんだよ」とばかりに与党側が採決を取ったら、「強行採決だ!」という話になったというのが真相だったようだ。


これで、衆参の勢力比が捻れ状態になると、この状態が数年間続くことになるわけだ。


「これで与野党の勢力比が拮抗して二大政党制になれば、バランスが取れた政治が行われるのでは」
というのが最大野党の議席数を増やすことを肯定する根拠だったりするのだが、大統領制に比べて内閣総理大臣の権限が小さい議院内閣制では、二大政党制或いは二院の勢力均衡というのは「なにひとつ何も決まらない膠着状態」を作り出すことに他ならない。そして、それはヒジョーにマズイ。


最大野党の今回のスローガンに「生活第一」があるが、それの他に「いっぺんやらせて」というのがある*1。これは、最大野党の現代表が、以前新進党の代表だった頃に「いっぺんやらせて」で政権取ったことがあるので、そのときのゲンを担いでいるのではと思われるのだが、いっぺんやらせて偉いことになった(しかも、その状態は数年間続いたorz)ので、今回はちょっと。


参院選政権選択選挙ではないのだが、ここで「お灸を据える」つもりで藻草に火を放つと、それが6年間燃え続ける。
ついでに言うと、政権与党=有権者が自発的に選んだ多数派にお灸を据えるというのは、有権者自身が自分の尻に火を点けるのと同義語であったりもする。
セルフカチカチ山なのである。


望んだ代表が選ばれなくても、それでも多数派の決定に従うのが民主主義。
一時のお灸を6年間燃やし続けることにならないよう、よくよく考えないとなあ、と自分に喝。


明日は飲んだくれて選挙のせの字も出てこないことでしょう。自分。

*1:冗談かと思ってたら本当だった。