組曲『メルト』或いは、メルト物語

……というのを書いてた*1のだが、消えたorz
ふて寝。
いや、仕事。罰が当たったんです(´・ω・`)




とりあえず、全部書き直すのはもうイヤなので、要点のみ。
メルトは大量のバリエーションがあるのだが、それによってある恋愛ストーリーが成立している。

原作者による初音ミク版歌詞の原曲「メルト」をここでは「メルト♀」とする。
メルト♀は、口に出来ない片思いを寄せている男の子の隣で、恋心が臨界点に達してしまう女の子の歌。
それに対してhalyosy他の歌い上げる「メルト♂」は、そのメルト♀の女の子の隣の彼の視点の歌で、彼女の想いなど知らずに彼も又、メルト♀の女の子に想いを寄せている。
両思いなのに、二人ともそのことを知らない、片思いの交差という非常に切ない歌として、このふたつのメルトは一対を成している。
これで完結しているように見えて、

  • 失恋メルト

という、アナザー版が存在するよ、というのが本日の話。
恋は二人だけの間にあるものではない。

この曲は便宜的に失恋メルト♀とする。
この曲の主人公は、メルト♀の彼女の恋を応援していた女の子。しかし、メルト♀の女の子が想いを寄せていた彼氏には、失恋メルト♀の女の子も秘かな想いを寄せていた。二番の雨の中で、失恋メルト♀の女の子はどう見ても両思いにしか見えない二人(しかし、メルト♀&♂とも、互いの気持ちに気づいていないのだから悲惨なのだが(´・ω・`) )を目撃してしまい、恋破れる。


ここまでを混ぜたのが、


混ぜすぎだが、流れを同時に理解できる。
そして、そこにはまだ続きがある。

この曲(と、主人公)は便宜的に失恋メルト♀2とする。
失恋メルト♀のことをずっと思っていた、もう一人の男の子の視点から歌われている。
失恋メルト♀2の主人公は、一番で失恋メルト♀の想いのうちを知ってしまう。一番ですでに失恋している。辛い胸の内を隠して彼女の背を押す(押してると思う)。
が、二番の雨の中、失恋メルト♀の彼女もまた恋破れる。(メルト♀/♂の雨か)
恋破れた彼女の心の穴を埋めたい、という想いが失恋メルト♀2の中に広がっていく、というのが曲の後半に繋がる。


しかも、これだけでは終わらない。
メルト♂に想いを寄せていた失恋メルト♀、それに想いを寄せていた失恋メルト♀2がいたように、メルト♀に寄せられたまた別の恋が存在した。

「失恋メルト」というタイトルのそもそもの出所はこの歌詞のみ版なのだが、何人かが少しずつ改変したVer.を歌っている。便宜上、こちらの流れのものを「失恋メルト♂」とする。
「失恋メルト♂2」としたもらい泣き版はカラオケ版を歌ったものだが、うp主が歌唱力の点で若干大変な状態にあるので、歌唱力について批判的な人にはあまりお奨めできないが、後半、歌っているうp主の涙が込み上げてきて歌えなくなってしまう的な別の意味での生々しさがあって、失恋のリアルさを描いていると言えなくもない。

個人的にもっとも好きな「失恋メルト♂3」(アコギ版)で、失恋メルト♂のストーリーラインを。
メルト♀の彼女を偶然街で見かけるものの、声も掛けられないシャイボーイ。失恋メルト♂3の彼も又、メルト♀の彼女への秘めた想いを胸にしまっていた。
そして運命の二番、どしゃぶりの雨の中でメルト♀の彼女と、失恋メルト♂3の友達=メルト♂が、ひとつの傘で並んで歩く様を目撃してしまう。
メルト♀の幸せを願い、雨の中を走って逃げ帰る失恋メルト♂3の張り裂けんばかりの想い。そしてさよなら。
この辛い失恋を、アコースティックギターの弾き語りで歌い上げている。


片思い、恋の成就の予感、その影で壊れていく別の恋。それが、才能の連鎖によって物語を形作っていく。
メルト祭りの爆発ぶりに原曲者Ryo氏が若干及び腰になっているのか、それとも次々に歌われていく歌ってみたやバリエーションを追い切れなくなっている*2ようにも見えるのだが、その原曲作者の始めたムーヴメントがどんどん広がりを見せ、単なる「自分も歌ってみました」的なメルト祭りでは収まらないところに伸張していくことは素晴らしいことである。メルトがもはや原曲作者だけの曲ではなくなっているということの証左だと言える。


また、歌唱力については多少残念な人も少なくない中、このメルト物語を歌う人々の歌唱力はいずれも標準以上のところにいる。なんと切なく、なんと悲しく歌い上げる人の多いことか。もちろん、すべては原曲の良さを礎として成り立っていることは間違いない。
原作者は「作者は中二病」というタグに自ら自嘲気味なロックを掛けているけれど、この遠い恋の記憶は誰の中にもある永遠の共有テーマなのではないかと思う。
もちろん、中には「なぜだかわからないけど縁がない」という人もいるだろうと思うので、完全無欠の共有テーマとまでは言い切れない。

このVer.の主人公もまたメルト♀の彼女に恋をしている、のだが。
打ち明けない想いが伝わらないのは他の全てのVer.の主人公達と同じではある、のだが。
想いが伝わらないからって、ストーカーになっちまっちゃダメだろうwwww
さらに、

えーと。これはガチホモVer.なので、無理して聞かなくてもいいと思いますw
同じうp主によるさらにハードコアなガチホモVer.もあるのだが、聞くのは辛いと思うので割愛w
原曲ファンの人から見たら「原曲の冒涜だ!」とか「原曲レイプだ!」と言われかねないのだが、まあ、改変を容認した状態で曲を公開することが暗黙の了解となっているニコニコ動画である以上、そういう改変も出てきたって文句は言えないよなあ、と思ったりはする。例えばそういう「原作者の想定外の改変はすべきでない」と言ってしまうと、その瞬間から「じゃあ、著作権のある動画を勝手にMADにしてるってのはどうなのよ」という問いに対してダブルスタンダードに陥ってしまう。
その意味で、原作者の想定外の、または原作ファンの意に沿わない改変も、バリエーションのひとつとして受け入れていく(またはスルー耐性を身に着けるw)必要はあるんじゃないかと思う。



それにしても、組曲『メルト』或いはメルト物語。
これ、小説に書き起こしたらそのまま携帯小説として配信できるんじゃないですか?w

【付録:メルト物語の人間関係】


メルト物語の人間関係を図にしてみた。
仮名は特に意味はなくなんとなく気分でw

  • メルト♀……A♀ ミク
  • メルト♂……B♂ ハルヨシ
  • 失恋メルト♀……C♀ マキ
  • 失恋メルト♀2……D♂ カズヒコ
  • 失恋メルト♂……E♂ マサシ
  • 失恋メルト♂2……E♂
  • 失恋メルト♂3……E♂(失恋メルト♂〜3は同一人物とする)
  • ストーカー♂……F♂ ノリアキ
  • ガチホモ♂……G♂ イサジ


G♂→B♂←→A♀F♂
    ↑    ↑
    C♀   E♂
    ↑
    D♂

なんつうか、一直線ではないもののハチミツとクローバー的な辛さがあるなあ。
これにホラー要素が加わると忌火起s(ry

*1:と言っても別に小説を書いてたわけじゃなくて、「メルトのバリエーションについて」というのを、息抜きついでにこのエントリーにgdgd書いてただけです。

*2:それが故の「お願いなのでちょっとは自重(ry」発言なのではないかと思うのだが、世界観の連鎖を止めることが原作者の主張ではないことを祈りたい。