雪はもうない

で、夕べあれほど降った雪はもうない。
今年の「東京の大雪」は、これが二度目。*1
雪国ではこの雪が春先まで残って大変なんだろなあと思う反面、僕はこの「何もないいつもの街に雪が降り出して、世界は何もかも真っ白く変わっていく」という、雪の降り始め積もり始めが大好きなのだった。
東京の雪は、はらはらっと始まって、どかっと降ったかと思うと、数日のうちに「お祭りはもう終わりだよ」とばかりに溶けて、いつもの灰色の街に戻ってしまう。
これって、初雪=冬の始まりと、冬そのものと、雪解け=冬の終わりという冬のイベントを、たった数日のうちにせわしく再現してるってことなのかもしれない。
雪国の事情はそこに住んだことがない僕にはわからない。
でも、それまで秋だった街が、一夜にして真っ白い冬に替わってしまうという初雪のイベントが、冬のはじまりを予感させるものであることは、日本のどこでも変わらないんだろなと思う。
「東京の大雪」は、その冬の始まりと終わりをたった数日のサイクルで再現してしまうわけで、このせわしい東京らしいと言えばらしい気もする。
それでも、一冬に何度も雪が降ると、一冬に何度も「いつもの街が真っ白い冬に変わっていく」という変化を楽しめて楽しい。


だからきっと、「東京の大雪」っていうのが好きなのかもしれない。
「大雪」から一夜明けて、今日はよく晴れた連休の二日目。
昼過ぎに起きたら、窓から見える限りの屋根瓦の雪はみんな消えていた。
日陰の根雪も数日で消えるんだろう。
立春を過ぎ、今はもう春。
だけど、あともう1回か2回くらい、いやいやあと何度でも、東京に大雪が降らないかなあ。そんな期待を込めて。






そんな雪の降る夜に聞きたい曲。

*1:みぞれは他にもあった