DSでオケ作り:KORG DS-10

数日前に「昔、初めて買ったシンセはKORGのMP-4でー……」というようなことを友人の日記のコメントに書いたばかりなのだが、そのKORGからニンテンドーDS用のアナログシンセサイザー・シミュレーションソフトが出るらしい。

KORG DS-10SYNTHESIZER
http://www.aqi.co.jp/product/ds10/jp/index.html


仕様

  • 世界初のニンテンドーDS専用音楽ツール・ソフト
  • パッチング可能な2台の2オシレーター・アナログシンセ・シミュレーター
  • アナログシンセ・シミュレーターで制作した音を使用した4パート・ドラム・マシン
  • 6トラック(アナログシンセ×2、ドラム・マシン×4)/16ステップ・シーケンサー
  • ミキサー部にディレイ、コーラス、フランジャーの3種類のサウンド・エフェクトを装備
  • タッチコントロール画面、キーボード画面、マトリクス画面の3種類のノート入力モード
  • タッチコントロール画面によるリアルタイムのサウンド・コントロール・モード
  • ワイヤレス通信による複数台での同時プレイ、曲や音色の交換可能

概要
商品名 :KORG DS-10
発売日 :2008年7月予定
希望小売価格 :4,800円(税込)
販売元 :(株)AQインタラクティブ


サウンドサンプル
http://aqi.nct.jp/ds10/ds10_demo_320kbps.mp3

これはKORGの名機「MS-10」をデザインコンセプトにした音楽制作ソフトウェア、とのこと。
ワイヤレス通信での複数台同時演奏=合奏っていう概念があるのはステキw


それにしたって、デジタル・インターフェースのキワミであるところのDSに、アナログシンセ・シミュレータを持ってこようってのがステキ。
音色作成のために一音に付き2〜4つのダイアルが付いてたりするところが泣かす。昔のアナログシンセは、ディレイやアタックなんかの調整について、文字通り「ツマミを捻って」調整してたわけで。
しかも、微妙な設定差で音色が変わったりするもんだから、喜太郎とか富田勲とかのシンセサイザー弾きは、事前に完全に「調律」したシンセをステージに何台もズラリと並べて、曲に合わせてシンセを「持ち替えて」演奏したりしてたわけで。
その後、デジタルプリセットシンセが登場して、予め確実に調製済みのプリセットサウンドを、ボタンひとつで登録呼び出しできるようになったときには、「なんて便利なんだろう!」という気持ちと、「毎回同じ音が出るなんて、つまらない!」という気持ちがないまぜにw
アナログシンセは、演奏よりも音作りをしているときがとてつもなく楽しくて、演奏もしないでいつまでもツマミを捻ってばかりいたような記憶があるw
また、入出力以外に音色作成のために、大昔の電話交換台のようにコードであっちこっち繋がないといけなかったりするギミックも、グラフィックとして再現されてるっぽい。
これ、いまや絵的にもピンとこない人が多数派だと思うので、視覚的にわかりそうなものを探してみた。
http://www.makigami.com/kawa.html
往年のヒカシューのアルバムのカバー、これ路上で炬燵の上にその当時のアナログシンセ(モジュラーシンセ)を乗っけて、ケーブルを繋ぎ合ってるというような感じの写真なんだけど*1、まあ、ここまでの怪しさはアレだとしてもw、概ね似たようなものだった。あの時代以前のアナログシンセってw
MS-10の頃は、これよりもうちょっと下ってたんじゃないかと思うんだけどどうなんだろう。僕はMP-4世代だからなあ。


DSの音楽制作(っぽい)ソフトといえば、「大合奏バンドブラザース」のプロエディットモード(鼻歌で入力モードと、スコアを自分で書き込むモード)、音楽制作ではなくて演奏するソフトではエレアコギターシミュレータの「M-06」くらいしか思い浮かばないんだけど、DS用自作ソフトでは「MODトラッカーNitroTracker」「dSTAR」「Kaos DS」なんてのもあるらしい。*2
音楽制作ソフトじゃないけど、エレクトロプランクトンを音源にして演奏してた人もいたっけ。


これで、外部的に簡便に*3オケを作る手段がまたひとつ増えたということになるのかもしれない。
初音ミクDS-10、作者はM-06で参加、とか。
サンプルを聞く限り、「あー、アナログシンセっぽい音だなーw」と懐かしくなったりもするんだけど、テクノ、今で言うトランス系をやってる人には十分足りるし、これ使い方次第ではそんなにテクノを意識しない音作りが出来るのでわ、と思った。当時のシンセ使いだって別にテクノばっかり作ってたわけではないし。


このDS-10が、最近増加が喧しい「オトナのDSユーザー」向けの高度なシミュレーターになるのか、「子供でも簡単に演奏が」というビギナーユーザー向けのDTM入門ソフトになるのか、サンプル曲はあるのか(何があるのかw)、などなど、いろいろ気になる点は多いけど、PCやMacを使わないDTMの入り口という意味なら、むしろ歓迎すべきことかもしれない。*4


この先、遠からず、初音ミク的なボイスサウンドシンセを統合した、DS専用ソフトが出てきたら、さらにDTMの底が広がって面白いことになりそうな気もする。
13歳のハローワークDSを足掛かりに、クリプトンがそっち方面に進出したら、それこそ同社の言う「子供からお年寄りまで」「家庭に音楽を」的な裾野の広がりに結びつけられるのではないか。


どっちにせよ、ニンテンドーDSという普及台数の多い(そして入手しやすく、操作が簡便な)インフラに、このソフトを突っ込んだというのは、大いに評価&期待していいと思う。
発売は7月かあ。
今からでも予約してぇーw



PS.
Amazonでとりあえず予約を!とか思ったんだけど、まだ登録もされてませんorz
3月のドイツで発表、7月発売。先は遠いなあ。



PS2.
実際に操作している様子というのが、Youtubeに公開されてるとのこと。
http://www.youtube.com/watch?v=rorBOzwR3Tc
この操作を見ると、なんかKaossiratorをDSでシミュレートしたものっぽくも見えるw リズムパート作るのが苦手な人には十分足りるような気もする。

*1:リンク先は2001年発売のアルバムだけど、この写真は確かファーストアルバム(LD)のジャケだったと思う

*2:このあたりはEngadjet Japanが詳しい。http://japanese.engadget.com/2008/03/12/ds-korg-ds-10/

*3:実際に簡便になるかどうかはわからないけどwww

*4:入門者がどっと増える=人口が増える=初心者が増えることで全体としてのクオリティは下がる(でも、底が広がることで異才の発見率も高まるんだけど)ということを気にして初心者・入門者の増加を喜ばない人もいるかもしれないけど、才能が見いだされることはリスナーにとっては善いことづくめなわけで、どんどん底を広げていくといいんじゃないかと思う。