殺人的スケジュールとか

仕事が凄く忙しいことを殺人的スケジュールと言ったりする。
で、自分で自分のスケジュールをキュウキュウに締め上げてしまうことは、「自殺スケジュール」と言うらしい。いい得て妙。


それはともかく、やるべきことが決まっていて、期限も決まっていて、そして誰もそれを替わりにはやってくれなくて、とにかくもうやってやってやりまくることでしか山積みの課題は片付いていかない……。
そういう状況が、実は大好きなのだった。
今、まさにその状況。
自営業というかフリーランスにありがちなワーカホリックという奴で、仕事がないと不安で不安で仕方がなく、やるべきことがどんどん用意されていくと、もうガツガツとそれに襲いかかる。
なんというか、「他のことは一切考えず、とにかくそれだけに邁進する」という状態が好きなんである。
なんでだろと思うんだけど、たぶんこれは「それだけに邁進する」ということ以上に「他のことを考えるヒマがない」という状態が好きだということなのではないかと思われる。
つまり、考えなきゃならない他のことを「でも今は仕事が忙しいから〜♪」というこれ以上ない口実で棚上げにしてしまえる、というところが嬉しいのだ。
今のご時世、それだけ仕事があるということそのものがありがたいことであるわけで、いつまでもこんな状態は続かないかもーと常に自分を脅かし続け、そして「こんな状態はいつか終わりがくるに違いない!」という恐怖について考えるのが厭なのでw「でも今は目の前の仕事が忙しいからそれは後回し〜♪」と、気楽になれる。
忙しければ忙しいほど気楽ってどんなんよ、と思う。
まあでもそれがワーカホリックという奴なのだ。
この高揚感。すべきことが多すぎて自分のことを考えてるヒマなどないという切迫感。山積みの仕事が少しずつ片付いていくという充実感。


趣味が仕事で仕事が趣味で、というのは、ランナーズハイにも似てるのかもしれない。苦しいんだけど快感なので止められないみたいな。一種、脳からドーパミンとかだぷだぷ出てるのかもしれない。
故に、「早くお風呂入ってよ!」とか言われたり、他愛ない用事の電話が掛かってきたりしたときに、「今仕事がノってるから、後でね! 邪魔しないでね!」というような凄いことを言い出したりもする。

月に何回か、この一種のトランス状態に陥ることがある。それがうまいこと締切直前にぶつかったりなんかすると、一晩で50頁とかいう何か取り憑かれたような勢いで原稿を書き上げる原動力になったりする。にしうらわさんも「あるあるー」というようなことを言ってたし、締切間際に毎回毎回ミラクルを見せる夢明さんなんかが間際に奇蹟を起こすのも、このトランス状態の成せるワザなのではないかと思ってみたりする。
仕事はもちろん辛いんですけど、辛いのが楽しいんですよ!
これは、伝わりにくい話だよなとか思うのだった。