アキバでダベる

昔なじみの編集さんと、アキバのロイホでダベる。
延々7時間w
取り立てて仕事の話ってわけでもなくて、近況・怪談・時事・編集論などなどをぐだぐだと。
作家視点での怪談と編集者視点での怪談の質的相違であったりとか、「極」怖い話の最初と最後になぜ生理的に厭な、または読者がカタルシスを感じられないような怪談が配置されているのか、その理由(意図)についてとか。
それこそ、今してる話をそのままトークライブで話したら、すげえ受けたんだろうな、と思ったりしたw
編集者がフリーランスでありながら「編集者」であり続けることの困難さとか、同時に「でも編集は楽しいよね」「そうだよねえ」という話とかとか。
編集という仕事は激しくしんどいけど、でも、それを補って余りあるほど楽しい。そして、編集者にとっての「ヨシッ!」「イエスッ!」という達成感というのは、作家のそれとは随分と異質であるということとか。作家的立場と編集者的立場の双方を兼ねていて、それぞれの違いはよく承知しているのだけど、どちらか一方しかやらない人には、恐らくその違いというのは理解されにくいかもしれないな、とか。
作家になりたい編集者と、編集者でいたい作家の違いとかw
いいものを作るのは当たり前だけど、編集者は「売れるものを作って会社にフィードバックしなければならない」という話とか。それ(フィードバック)ができてこそ次の機会が得られるわけで、商業出版はボランティアや文化事業じゃない、という話などなど。うわあ、生臭w
編集者的に当然の話というのは、作家の立場になると「いやいやそれは」と思えてしまうし、作家的に当然の方針は編集者的には「いやいやちょっと」と思ってしまう。
また、会社内に立ち位置のある編集者は、作家の名代として社内で最大の障壁wである営業さんを、御前会議で説き伏せなくてはならないわけで、そうした社内編集さんの援護射撃になるような企画書、「よいもの」ではなくて「売れるもの」という説得材料を作ることも必要だよね、という話とか。
そういった、生臭生臭した水面下の交渉を重ねていくのも編集の醍醐味だねえ、そうだよねえ、という話とか。
機材・技術・執筆環境の廉価化と発表機会の多出によって、プロとハイアマチュアの差というのはどんどん縮まってきていて、その相違は「それだけで喰うつもりがあるか」「〆切を守る義務を自覚しているかどうか」にしかないのでは、というような話とか(主にDTMの話をしてたw)。
プロがプロであることの、ハイアマチュアに対する明確なアドバンテージは、「〆切を守る」「大崩れしない」「発表機会に対する貪欲さ」くらいであるかもしれないというのはこの業界に限らず広く言える話で、ハイアマチュアの進出と躍進をもっとも苦々しく思い、またそれに対して否定的であるのは、足下を切り崩される、または機会を簒奪される危機感を持っているプロであるかもしれない、というような話とか。
編集者と作家は「商業出版」という意味では同じ側に立っている*1けれども、コンテンツホルダーとしての作家とコンテンツディレクターとしての編集者は、共闘関係でありながらも同床異夢であるのかもしれない、という話とか。
そういう技術論、戦略論、ツール論などなどの中身濃いィ話ができるのも、編集者同士だったからかなあ。
基本、インディペンデンス系弱小なので、風呂敷の大きな話に関わることってあまりないんだけど、編集さんとの情報交換はおもしろいなーと思った。


要するに僕は編集の仕事が好きで好きで、ヘタしたら未だに書くよりも編集のほうが好きなんじゃないかな、というようなことを再確認したw



明日はナックルズの編集さんとダベ打ち合わせ。

*1:対岸は同人出版。