民主党:白紙委任のお願い

民主・小沢代表、ネットで若者に政権交代アピール


民主党小沢一郎代表は19日、インターネットのテレビ番組に出演し、「政治の細かいことを知る必要はない。自分たちの1票で政権を代えることができる。それだけを分かってもらえたらいい」と述べ、若者向けに政権交代の必要性をアピールした。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081019-00000553-san-pol


白紙委任しろ! 悪いようにはしない!」
と、堂々と言うとは恐れ入った。
民主主義において、有権者による選挙(投票行為)というのは、「選択」であることは確かだ。だがそれは、「なんでもいいから選ぶ」のではなく、「選択肢の内容を吟味した上で、よいと思ったものを選ぶ」のであって、「Aが気に入らないなら、Bの内容を考える必要はない。Bを無条件に選べ」というのはどう考えても有権者をバカにしすぎ。
変革というのは、必ずしも「改善」とは限らず「改悪」というのもある。そして、変わりさえすれば前よりましになる、というのは多くの場合、気のせい。面倒になって目を瞑って選んだからって、いいものが当たるとは限らない。味噌が嫌いだからといって、味噌じゃないものを思い切り掴んでみたら、それが犬の糞だった、という可能性だってある。
味噌と犬の糞を両方見比べた上で、よく吟味して犬の糞を選ぶのなら、それはその人の熟慮した上での選択だから仕方がない。だが、味噌が嫌いだから、味噌を選ばなければ何も考えなくても味噌よりいいものが選べるとは限らない。


民主党は「自分達ならよくなる」とは言うものの、「どのように何をし、どういった根拠でそれが良い結果を出す」という具体的指針はひとつも出していない。*1


こればっかりは本当に納得いかないので、大きな声で。
選択肢の内容を説明せずに、射幸心を煽って白紙委任を強いる民主党はおかしい


政治の細かいことを知らなくてもいい、というのを与党議員が言ったら舌禍で政権が吹き飛ぶ。いつぞやの「寝ていて」発言を上回る。
政治に興味を持たない人に、興味を持って貰うように努力し、何故政権交替しなければならないか、政権交替してどうしていくつもりなのか、について弁を尽くした上で、一票を乞うのが正しいのではないか。
「考えるな。興味を持つな。思考停止していていい。だが、俺に全部任せろ」
これは、マルチ商法が何も知らない人を騙すときの常套句だ。
前田議員、山岡議員、石井議員、松木議員、牧前議員、生方前議員といった民主党マルチ商法擁護連盟の面々が大問題に陥っている昨今、それらマルチ商法の最も問題とされている部分とまったく同じことを、民主党代表自身が、何のてらいもなく口にするというのは、やはりどう考えてもおかしいよ。

*1:外貨準備金を取り崩す埋蔵金話など、あれは娘のための結婚資金を取り崩して、とりあえず目の前のマルチ商法に突っ込んでしまうようなものだと思う。