民主党代表選

民主党が4人のスネに傷持つ代表候補から誰を選ぶにせよ、現状では時間がなさ過ぎで一般党員・サポーターを参加させての代表選は無理だろうなあ、だから議員だけの投票(両院議員総会)で決めることになり、それすらも根回しで決まるんだろうなあ、というのが直近のエントリで書いた雑感。


民主党としては、「民主的な手続きで党員の推挙を持って決めた代表が、国民の代表として総選挙を堂々と戦い、実力で政権を奪取する」というシナリオが一番美しく説得力がある。
だから、本当は代表選やりたいという気持ちもあるんだろうなー、と思いつつ、この民主党の代表選というのはどういう人が投票資格を持つのかというと、所属議員以外に「一般党員・サポーター」がそれぞれ投票権を持つ。
一般党員は5000円、サポーターは2000円の会費を払えば誰でもなれる。


この誰でもなれるというところが実はミソで。
自民党の場合、党員・党友資格というのは「日本国籍保有者」でなければいけないんだそうで、つまり「日本の国政に関わる政党なのだから、日本の有権者以外は所属できない」ということになる。所属党員によって総裁選が行われ、選抜された総裁がそのまま首班指名を受けて総理になるわけだから、これは極めて筋が通った話。

では民主党はというと、民主党の党員・サポーターの資格には、国籍制限がないのだそう。
つまり、日本の選挙権を持っていない外国人であっても、金を払えば民主党の党員・サポーターになることは可能で、なおかつ民主党代表を選抜する資格を得ることができる、ということになる。


つまり、日本において選挙権がない外国人であっても、民主党代表を選ぶ権利を有する、ということになる。民主党代表が首班指名を受けるのだとすると、民主党が政権を担う場合、日本国の選挙権を有していない外国人であっても、日本の内閣総理大臣を推挙投票することが可能になる、ということだ。
これは日本の政治制度の大きな抜け穴になっているのではないか?


例えば、日本に永住権を持つ外国人、或いは移民などを民主党が大挙擁護、推進したとしよう。在日外国人・移民は、それぞれに対して融和的な政党である民主党……に、外国人の立場から政治献金をすることはできないが、民主党の党員・サポーターになることはできる。*1大挙して外国人が民主党党員・サポーターになった場合、その外国人党員/外国人サポーターの票田を意識した代表選が行われることになるわけで、自然、大票田奪い合いの末、外国人党員/外国人サポーターの要求する政策を支持する候補が、代表選を制することになる。
代表選を制すれば、その候補は(民主党が政権を取った場合は)そのまま日本の政権首班指名を受けることになるわけで、日本の国政選挙権の有無は無関係なまま、実質的に外国人の意向が日本の政権運営に影響を与えることになってしまうわけだ。


外国人を差別するつもりはないけれども、国政選挙権は「安全保障についての義務と覚悟を負う(=戦争を仕掛けられたときに、母国に逃亡できない)」人が、そうした義務と引き替えに自決的権利を行使するための資格であると思う。
平たく言えば、「日本と心中する義務や覚悟がない外国人」に国政参加券がないのは当然の話なのだけど、現行の民主党のシステムは、その当然の話に風穴を開ける恐れがあるものでもある。
それがわかってるから、あえてちゃんとした代表選をやらないというのなら、民主党はまだちょっとは正気が残っていると言えるし、その割にこのおかしな制度を直さずに残しているあたり、様々な主義主張を集約できない、今もって党の綱領が存在しないキメラ政党の苦しい内幕が垣間見えるような気もした。

*1:これ、政治資金規正法に引っ掛からんのかなあ。