社会保険庁は存続させ、公務員は減らさない方針

えーと、民主党は「公務員の数を減らし、無駄な歳出をなくすことで財源をうんたらかんたら」と言ってた気がしたんだけど、たぶんそれは気のせい。


安倍政権のとき、なんで参院選に負けたのかといえば、それは年金問題が露呈したから。厳密に言えば、社会保険庁社保庁のぐだぐだな体質&無駄遣い&サボタージュが明るみに出た結果、年金の管理が全然出来てないことがわかった。
このとき、「年金問題がなってない!」という批判の嵐(問題解明に動いたからこそ、問題が露呈したんだけど)が吹き荒れ、結果的に地滑り的な民主党の勝利=参院民主党の第一党化が起きた。
この2007年参院選で比例トップ当選したのが、社保庁から情報をリークしていた自治労の幹部だった「相原久美子 http://aikumi.info/ 」で、他にもぐだぐだな社保庁の当事者が、自分達の仕事ぶりを批判する民主党側から立候補してあらかた当選してたというとても素晴らしい話は、選挙が終わってから知られるようになった。
なんで選挙前に知らされなかったんでしょね?


で、「無駄遣いが多すぎ、サボタージュが多すぎ」ということで、社会保険庁は解体して年金機構に移行、ということが安倍内閣の頃に決まった。このとき、無駄遣い&サボタージュ*1に長年関わってきた社保庁の職員は、懲罰的な意味合いから、新たに作る年金機構には移籍させない、つー話だった気がする。


民主党政権になるとこの年金機構は作られず、社保庁はこのまま維持(無駄遣いの張本人の職員ともども)して、将来作るつもりの歳入庁*2編入になるらしいですよ?


年金問題の戦犯は、当の社保庁職員だったはずなんだけど、その社保庁職員が所属する自治労民主党の支持団体だから、自治労所属の公務員の首を切られないようにするために、社保庁を存続させようとしている……という見られ方をしても、文句は言えないような。
社保庁職員=公務員なわけで。


さらに言えば、高速道路無料化のために、日本高速道路保有・債務返済機構*3と高速道路会社*4を再国有化することになるわけだけど*5、その職員は結局全部、公務員ということになるわけで。もちろん、道路保有・返済機構が返してきた借金も、まるごと国民全体=車を所有しない、または高速道路に滅多に乗らない国民全体に課された税収から返済されることになるわけで、その額31兆円。これも新たに国の借金に。もちろん、国民が税金で返すわけで。
国有化されることで生じる、職員の雇用=公務員給与も……無駄を省いて公務員減らすんじゃないの?


そういえば、郵政民営化も凍結するという話だけど、これも国営に戻すつもりだろうか。そうするとまた公務員が……。というか、郵便が民営化されたことで、国に収められる予定の新たな事業税は、再国有化されたら税源としては消えちゃうんじゃないかと思うんだけど、もしかしてこれからも再国有化させた郵貯に、赤字国債を買わせる*6ってことなのだろか。無駄を省いて……財源……。


これら公務員を減らして無駄な歳出を減らす、という方針をそのまま維持する場合、後は「警察と自衛隊を減らせ」ということになるんじゃないかなと思われる。
国家公務員、地方公務員合わせて、構成人数が最多なのは確か陸自じゃなかったかなと薄ぼんやり記憶しているんだけど、イマイチ自信ない。
警察が約29万人。
陸自は現役が約24万人。うわ、警察のほうが多かったわ。即応、予備、予備補は合わせて6万弱。空自と海自は人数少ないので省略。
日本郵政は約23万人。これまた多いなー。
郵政再国有化した場合、日本郵政の社員23万人が改めて公務員になるわけで、所得税人頭で言えば税収源は23万人分が減り、23万人の公務員が増える。


で、警察の29万人を割り引く場合。
確か、外国人犯罪の増加*7を鑑みると、警官は既に人手が足りてない状況らしい。
じゃ、自衛隊はどうかというと、実はこれも人手が足りて無くて定員割れしてると聞いた。
「着上陸戦はおよそ考えられないんだから、陸自をもっと減らせ」という意見がある一方で、「専守防衛を生真面目に守った場合、着上陸されたときの防衛陸上戦力を削ってどうするよ!」という反論もある。
「フネと飛行機でどうにかせい」という意見がある一方で、「専守防衛のため策源地*8の攻撃が許されないのに、どうせいと!」という反論もある。
安全保障というのは、「取り越し苦労に金を掛けておく」という分野であるので、すぐに役に立たないからといって削ってしまっていいものではないし、いざというときにいきなりかき集められるものでもない。故に削れない。


でも、削っちゃうんだろな。そういう、削っちゃいけないところを。


安全保障というのは、例えて言えば「修学旅行の積み立て」と似ている。
いざ、修学旅行に行く直前まで、無意味な積み立てに見えるけれども、それを積み立てておくことで、いざ修学旅行、というときに急にまとまったお金を用意せずとも、修学旅行に行けるわけで。
ところが、「今すぐドラクエ9欲しい!」とダダを捏ねる子供がいたとする。
「うちにそんな金はねえ!」と諫める両親に、
「修学旅行の積み立て、どうせ今すぐは使わないんだから、それで買ってよ!」と騒ぐ。
確かに修学旅行は今すぐではないから、そこに金はあることはあるけど、
「それ使っちゃったら、修学旅行のときどうすんだよ」と問うと、
「そんなこと、その場になってから考えればいいじゃん! さあ、下ろしてすぐにドラクエ9買ってよ!」
……まあこれは、どう見たっていざ修学旅行って段になったときに、積立金使い込んでて行けなくなるのは目に見えてるんだけど、「他の家の子は修学旅行行くんだから、うちもどうにかしてよ!」と親に泣き付くのが見えてる。
でも、金策ができりゃいいけど、金策ができるケースばっかりじゃないわけで、安全保障なんかはその最たるもので。
そして、「できなかったらごめんなさい」と謝れば済むわけでもない。
友愛の精神を相手が持たないのが悪い、と言ってみても、そんなの相手には関係のない話だし。



別に、どこの誰をどうというつもりはないけれどもw
公務員を減らさずに、消費税は増やさず、国から分離した借金を改めて国が肩代わり。
「予算の付け替えでどうにでもできる」という意見が長妻前議員他、民主生え抜きの候補からよく出てくるので、素人ながらザッと「できるかどうか」を見渡してみた。





えーと。
10円玉を拾うために使う労力は100円以上掛かるので、10円玉は拾わないほうが得であるという理論がありまして(ry
なんつーか、そういう感じだった。


まあこれは、素人の床屋政談の類に過ぎないので、疑わしいと思ったら鵜呑みにせずに各自で調べてみたらいいんじゃないでしょうか。

*1:ここには、闇専従=就労時間中に給料もらいながら組合活動してた人も入る

*2:国税庁と統合

*3:道路を作った費用を返済する団体

*4:全国6社に分割運営されている、道路を運用する団体

*5:民営のまま無料化したら、会社が潰れます。

*6:郵貯の原資は国民の貯金なので、結果、国民の財布がまたその負担を負う図式。

*7:近隣住民との間にコミュニティが存在せず、警察が介入できない独自コミュニティを築きつつあるので、従来型の聞き込み捜査ができず、検挙率が下がっている、と前にお巡りさんに訊きました。どこでかは問うなw

*8:有り体に言えば敵国領土