H2Bロケット打ち上げ/HTV分離投入成功
本日2009/9/11 2:01 41秒にH2Bロケット初号機の打ち上げが行われた。
一段目燃焼、フェアリング分離*1、一段目、二段目の分離、そして搭載物であるところ無人輸送機HTVの分離。
予定していた打ち上げミッションは完全に成功した。
素晴らしい。
今後、HTVはじわじわとISSとの距離を詰めていき、9/18頃にISSとドッキングという、次のフェーズに移る。
今回のH2Bロケットは、H2Aロケットのエンジンを2基、補助エンジンを4基と、諸々打ち上げ用のユニットを倍加させ、5.5トンものペイロード*2をISSの軌道まで打ち上げることができるもの。
日本のロケット史上最大のロケットであり、そして液体水素+液体酸素ロケットとしても最大級のものである。*3
それがついにここまで。
そして、H2Bは今回が初打ち上げ。初打ち上げで初仕事。ぶっつけ本番大成功。遅れもなく全て予定通り。
予定していたことを予定通りに遂行するって、実は本当に凄いことなんだよな、と特に宇宙開発回りのものを追っていると強く感じる。
ISSは完成が遅れまくり、オリオン宇宙船/アレスVは計画変更が囁かれるほどの遅れが出ている。つい最近の韓国の羅老号、無理矢理こじつけるなら北朝鮮のテポドン2などなど、技術的壁の高さは並大抵ではない。
世の中には「金を出せばポンと買える」というものと、そうでないものがあるわけで、ロケット打ち上げ技術の蓄積と向上は、金を積んだだけではどうにもならない。
ペンシルロケット、純国産を目指したH2ロケットなどの蓄積があって、ここまで来たわけで。
何はともあれ喜ばしい。
JAXAは独立行政法人であるわけなのだが、民主党はJAXAの予算を削ることなく、この高度な技術の維持発展に理解を示して欲しいところ。*4
さあ、めでたしめでたし。
寝よ寝よ。
*1:韓国のロケットはここで失敗。実はアメリカの衛星もここで失敗したことがあり、なかなか難しい。
*2:今回はHTV
*3:H2Bの前身のH2A、のさらに前身のH2ロケットが、開発過程で大いに苦しんだのもその複雑さから。
*4:間違っても、「平和的な技術利用のために、基幹技術を韓国に無償提供」……なんてことはやんないでいただきたい。嫌韓でもなんでもなく、この技術は失敗を重ねた末に獲得したものであると同時に、失敗を重ねないと維持運用ができない性質のものであると思う。データを無償供与されても、すぐに成功できるものではない以上、宇宙開発に関わる全てのものは、自力で走って自分で転んで自分で起き上がらなければならないのだから。もらいもので転んでくれた人にケチを付ける国は、宇宙開発に手を出すのは向いてないわけだからして。