ハガキの寸法言い当て能力

ここ最近はハガキに接する機会があまりないのだが、その昔はゲー吐くほど、というほどハガキに接してきた。読者投稿ページの編集をやってた時代の話で、だいたい月に2000枚、一日あたり50〜200枚の間で読者投稿ハガキに目を通す、というようなことをしていた。
毎月毎月、ビックカメラのあのど派手な紙袋がいっぱいになっていくのだが、没ハガキをおいそれと捨てるわけにも行かず、また何かに使えるんじゃないかという勿体ない精神*1が鎌首を擡げていて、たびたび先輩に「処分しろよ! 狭いだろ!」とやたら怒られていた(^^;)
実際、職場の仕事机の周囲には山のようにハガキが積み上げられ、最終的には段ボールで十数箱以上に及ぶ量になっていたような気がする。
で、そんだけ大量のハガキに毎日接していると、官製はがきと私製はがきの違いがすぐにわかるようになった。
もちろん、紙質が違う私製はがきはすぐにわかるのだが、切手後貼りの厚紙で作られた私製はがきのうち、官製はがきと完全に同じ寸法のものかそうでないものかが、チラ見しただけでわかるようになる。
ハガキの寸法は、天地*2が148ミリ×左右*3が100ミリ。狭いほうの辺がちょうど10cmということになるのだが、それと比べて天地が1.5倍に2ミリ欠けるという微妙な寸法。
これを、官製はがきと並べて見比べるのではなく、私製はがき単体で見て寸法が合っているかいないかが、ホントにわかるようになる、という。
思えば、この頃はハガキをスキャナ取り込みしてデータ化してからデザイナーに渡す……のではなくて、ハガキにトレーシングペーパー掛けをして、そのまま原画原稿にしていた。このため、寸法が微妙に違うとレイアウトにズレが生じるということで、原稿の寸法には非常に敏感だった。*4
ひよこの性別見分け職人が、非常に難しいと言われているひよこの性別をチラ見で区別できるのと同じように、大量にハガキを読むハガキ選び職人wは、チラ見でハガキの寸法を瞬間判断できた。


まあ、そんな能力があっても何の役にも立たないわけだが。
他に、「時計がないところでの体感時刻が、実時刻と10分以上ズレない」という能力もあるのだが、これまた役に立たない。10分の誤差はビデオ録画開始や電車の待ち合わせに間に合わないし、厳密な待ち合わせが必要なら電波時計使うし。*5
たぶん、この手の「あっても役に立たない能力」というのは、皆何かしら持っているのではないかと思う。
ジャンケンに必ず勝つ能力とかそういうの。
自分一人だとほとんど気付かないので、他人と見比べることで再発見するしかない。


役に立たない能力を再認識するたびに、「これで稼げないか」と考えたりもするんだけど、世の中には換金できない能力というものがあって(ry

*1:アラレの缶のセロテープを捨てられないとか、家電の箱に入ってるプチプチが捨てられないとかに近い。

*2:高さのこと。

*3:幅のこと。

*4:データ化して扱う場合、サイズにズレがあってもデータの時点でトリミングしてしまう。ハガキの場合、そういうわけにもいかなかった理由がいろいろあった。原画に鋏を入れる訳にもいかないので

*5:外に、「超」怖い話でもネタにした「ボールの事前軌道が見える能力」というのもあったが、これまた何の役にも立たないw