生検の結果出た
本日、東大農学部付属動物医療センターに行ってきた。
2週間前に切除した鼻腔奥の腫瘍について、現時点での血液検査、そして今後の治療方針についての説明を受けた。
結論から言うと、麟太郎の鼻の奥にできて鼻腔を塞いでいたしこりの正体は、悪性腫瘍――癌だった。
治療方法は3つあるが、どれも決め手がないと言われた。
ひとつめは内科的療法だが、この癌に効くワクチンや抗生剤はまだないそうだ。
ふたつめは放射線治療。これは患部が外から見えないところにあるため、患部を特定しての放射線照射が難しく、外れれば効果がない上に周辺部が爛れて痛みを伴うことになる、とのこと。事実上、この方法は使えないとされた。
みっつめは外科的手術による切除。前回、内視鏡検査の最中に見つかって、急遽切除手術がされたが、それと同様の方法になるのだが、これについては「前回の手術で患部を完全に切除できていない可能性があり、また発症からの期間と前回の腫瘍の発達状態から考えて、既に周辺部に転移している可能性が高い」とのことだった。手術は不要な体力的負担を与え、入院期間は飼い主と引き離されることにもなる。
正直、そう長くはない、持って一カ月か二カ月だ、と言われた。
今年の年末まで、来年の正月までもつかどうか。
できるだけ一緒にいられる時間を長く持てるよう、自宅での療養をお勧めします、と言われた。
幸い、流動食を吐き戻すことなく摂取できていること、制吐剤と中耳炎の抗生剤、アンモニア値を下げる薬剤は効いたようで、血液検査の結果は良好、健康ということだった。自力給餌はできていないが、流動食を吐き戻していないので体力も戻り、体重も3.25kgに増えた。当初心配された胃腸のほうはまったく問題なく、腎臓、肝臓ともに健常だ、とのこと。
只一点、鼻腔をもう一度塞ぎかねない癌だけが、麟太郎の時間を奪っている。
根絶治療が不可能ということになったため、東大での治療は今日で終わりとなり、これからはホームドクターのところに戻される。戻されても町医者にできることは多くなく、点滴による栄養補給と、血液検査などの状態管理くらいであろう、とも思われるが、「栄養管理は必ずしたほうがよいと思います」ということだった。今回貰った薬がなくなる前に、ホームドクターのほうに報告と今後の相談に行く。
この次に、どういう兆候があるのですか、と訊ねてみた。
- 鼻血が出る
- 鼻水が出る
- 涎が出る
- 癌細胞が鼻腔の内側ではなく、上顎やその上*1に拡がった場合、顔が腫れてくる
といった症状が出てくるらしい。
この二週間の症状様子について報告するときに、「鼻血と鼻水は」と繰り返し聞かれたが、それはなかったこと、食欲はあること(自力給餌はできないけど)、以前より元気はあることなどを伝えた。
栄養補給がきちんとできていることで、そのあたりについては回復したように見えているのだろう、とも思う。
これから、猫シフトです。
すみません。
麟太郎は客好きする猫なので。
初対面の客の膝にも百年の知己のような顔をして座る猫なので。
ちょっと蛇口とかカラーとか付いてますけど、今は元気なので。
お近くまでおいでの方は、麟太郎とご縁のある方は、是非。
ただ、麟太郎は猫白血病ウィルスのキャリアとも診断されているので、ご自宅で猫を飼っている方はできればご遠慮を。
すみません。
*1:脳幹部や、鼻先のほう