久々のチリコンカルネ

最後に作ってから多分一年以上作ってなかった。
さすがに作り方忘れそうな気がしてきたので、久々に作ってみた。

ワインが終わりそうだったので、「料理用に使うワイン、赤・白両方安いの1本ずつ買ってきてれ」と家人に買い物を頼んだ。「ついでにトマトジュースもね!」
イタリアンとかメキシカンとか、そのへんの料理らしきものを作っていると、トマトを多用する機会が増える。ほんとはフレッシュトマトを使うのがいいのだろうが、なんとなく半端に余る……orz
ということで、我が家ではトマトの代用品としてトマトジュースを常備している。シチューに使ったりカレーに使ったりパエリヤ・リゾットの仕上げに使ったりパスタソースを作るベースに使ったり……と、いろいろ使い勝手の幅が広がるというか。市販のパスタ用ソース(ミートソースとか)を使うときも、トマトジュース足して、クミンパウダー足して、チリペッパー足して、バジルパウダー足して、ちょっとだけナンプラーを足してやると、それだけでぐんと風味がよくなる。叶うならミニトマトでもなんでもいいから、フレッシュなトマトを入れるともっとよくなるのだが、そこまでやると元々の「市販のソース」は原型をとどめなくなるw
トマトを煮込み料理に多用するのは、酸味を求めてるからではなくてトマトの旨味の主成分であるグルタミン酸が求められてるからではないかなあ、と思う。旨味は第六の「味」と言われ、味として知覚できるのは長く日本人だけだった、と言われていたらしいけど、世界にはグルタミン酸イノシン酸を豊富に含んだ食材が使われた料理などいくらでもあるわけで、「日本人だけが旨味を!」と言ってしまうのは傲りではないかなあ、と思ったりもする。
ちなみに、ナンプラー(鰯の魚醤)は塩味とグルタミン酸による旨味が豊富なので、トマトを使う料理に合わせると実は非常に相性がいいと思う。炒め物に醤油代わりに使うと独特な香りが立つので、生臭くなるのでは? と思われがちだが、クミンなどのスパイスとトマトを使う料理にブースターとして使うと味わい深くなってよいと思う。
台所に1本常備ですよ奥さん!
まあ、安いとこで買うとペットボトル1本で同じ量の醤油より遙かに安かったりするし。


さて、作るか!
と材料並べてたら、絶対にどこかにあると思っていたホールトマトの缶詰が見あたらなかったorz
仕方ないので、トマト分はトマトジュースのみで作った。
さすがにホールトマトを使わずトマトジュースのみだと、仕上がったときに全体に赤味が弱いというか色が薄くなる。


まず、ニンニクを4片ほど、芽を取ってから細かくみじん切りして大振りのフライパンへ。そこにオリーブオイルをかなりたっぷりめに入れる。
それと、種を取った赤唐辛子を刻んで同じくフライパンへ。


フライパンに火を入れる前に、さらに下拵え。
タマネギ大1個、皮を剥いて3mmくらいのみじん切りにする。
人参1本を皮剥いて丸ごと5mmくらいの賽の目にする。皮も刻む。
ジャガイモ中2個をこれも芽をとってざっくり皮を剥いて人参と同じくらいの大きさの賽の目に刻む。


フライパンに火を入れて、弱火でニンニクと唐辛子を炒めて香りを出す。
香りが出てきたら中火くらいにして、タマネギを入れて油が回るように炒める。焦がさないように炒める炒める炒める。
タマネギに色が付いてきたら人参を入れて炒める。
ジャガイモも入れて炒める。
ここで軽く塩胡椒&クミンを入れる。
風味付けにパウダーのクミンを使うが、今回はクミンシードも入れてみた。クミンシードは炒めないと香りが出ないので、入れるならタマネギの前か同時くらいで。タマネギ、人参、ジャガイモが入るとフライパンはかなり山盛り状態になってくるので。


ジャガイモに火が通ってきたら、このあたりで挽肉投入。今回は牛豚合い挽き肉400g。
挽肉は全て綺麗にほぐれなければいけないので、事前に練らない。
挽肉に塩胡椒しつつ、フライ返しかスクレーパーでとにかくほぐしながら先に炒めた野菜と混ぜていく。ここにクミンパウダーをさらにどかんどかんと投入しておく。
挽肉がほぐれてよく混ざってきたら、ここに固形コンソメを2個投入し、さらにトマトジュース。ざっと300ccくらい。
本当はこの時点でホールトマト1缶入れるんだけど、今回は切らしてたのでパス。ホールトマトを飛ばすと色合いが赤ではなく茶色っぽいものになります。
そして、赤ワイン。安物でいいので赤い奴を100ccくらい。お好みでもっと入れてもいいけど、入れすぎるとどんどんデミグラスっぽくなってしまうのでほどほどに。



豆類もこの段階で入れる。
今回の豆はガルバンゾ*1とキドニービーンズと水煮大豆。
キドニービーンズは水煮したものがパックで、またはドライ缶で安く出回るようになってきた。これはチリコンカルネに欠かせない豆なので、100〜200gくらいの缶を一缶投入。
ガルバンゾ。これも最近は水煮したサラダ用パックが売ってたりするのだが、豆なんて1kg単位で買って必要なだけ戻して水煮すれば全然安上がり。50g分を戻して茹でると倍以上になるよ!
キューピーが出しているサラダ用ガルバンゾは1パック50gで120〜150円くらい。乾燥ガルバンゾを1kg買うとだいたい700〜900円くらいなので、50g分くらいだと35〜45円くらい。半額です。
ガルバンゾは前の日くらいに使う分(今回は50g)だけざっと水洗いして3〜4時間水に浸し、水を変えて塩ひとつまみ入れた水から沸騰させる。沸騰したら、お湯ごと500mlくらいの水筒に入れてふたして半日ほど放置。保温調理です。
大豆も水からやってもいいんだけど、今回は安い水煮パックがあったのでそれを利用。


ここまで入れたら味を調節していく。
ナンプラーは塩味濃いめなので、この段階で入れて調節。早めに入れると後戻りが出来なくなるので。
味見してみて風味が足りないようだったら、ここでさらにクミンパウダーを……っていうか、チリコンカルネのキモはクミンパウダーを如何に豪快に使うかだと思う。一瓶の半分くらい投入するつもりで豪快に。男らしく。
そして、タバスコ、チリパウダーなどはこの時点で投入。唐辛子が入っているのでこのへんの辛みは辛さの調節。お好みで。
今回は入れなかったけど、ハバネロパウダーとかは微調整がききにくいので、調理の段階で入れるのではなくて食べるときに個々がお好みで入れるかどうか考える、というくらいでいいと思う。
クミンパウダーを豪快にどかんどかんと使うので、ここでハバネロを同じ感覚で投入すると大変なことになる。というか、食えなくなる。


これでフライパンにフタをして20〜30分も弱火で煮込めば完成。
汁気が少ないので、火はかなり弱めにしないと焦げます。
完成品は大人で6〜8人分くらいになる。その日のうちに食べる分を取り分けたら、後は火を止めて余熱をゆっくり冷ましていき、ビニール袋に一人前ずつ小分けして冷凍しておく。
解凍してパンに添えてもいいし、パスタソースにしてもいいし、使い方いろいろ。


チリコンカルネは大勢で食べてもいいけど、作り置きしとくと後で楽ができる、というか。
豆は安上がりなので、kg単位で買って戻して「嵩を増す」のに使うとか、子供に山ほど食わせるとかするといいんじゃないかと思う。

一番手が掛かるのは豆だけど、浸して沸騰させて水筒で放置……で、かなり楽できるんではないかと。