電子書籍出してみた

iPadを買ったので、電子書籍はどうよ、と思って……まずはこれまでに自分で作った「超」怖い話「弩」怖い話、「極」怖い話、怪コレ、恐怖箱各巻を自分のiPadに入れてみた。
竹書房文庫から出ている竹書房恐怖文庫のうち、僕が著編監修に当たった「超」怖い話や恐怖箱などの各巻は、InDesignでオーサリングしてPDFで入稿している*1ので、PDF版のデータが既に手元にあるとゆー。
これをとりあえずそのまま入れるだけで電子書籍に!<反則です


実を言うと「超」怖い話や恐怖箱のバックナンバーの一部は、パピレスから携帯電話向け電子書籍としてリリースされているわけなのだが、告知してないのでほとんど知られてません(^^;)
印刷用PDFファイルをそのまま吸わせたiPad向け電子書籍版は、かなり綺麗に表示されます。
1冊辺りのファイルサイズはだいたい1.7MB〜2MBの間くらい。
本の1/2以上がコミックの妖幽戯画のPDF版の場合、ファイルサイズは230MB以上ある。挿絵、イラストのない文庫だと小さくて済むけど、コミックをPDFにして電子書籍化したら、これは相当な分量になるのではないか。むーん。


「超」怖い話やその周辺についての電子書籍化について言えば、元々こんな具合で執筆から編集までのほぼ全て(ゲラチェック以外)が電子化されているので、電子書籍との親和性は高い。
ただ、
「紙の既刊を持っている人が、改めて(保存用として)電子書籍版を欲しがるだろうか?」
「新刊を電子書籍版のみ、或いは電子書籍と紙で並行刊行した場合に、紙の本の売り上げにどの程度の影響があるか?」
などなど、既存の紙の出版社にとって未知の部分も大きいため、各社ともになかなか慎重にならざるを得ない部分はあるのかも。
京極さんの「死ねばいいのに」の数字の推移については、講談社以外の出版各社、著者各位も注目してるんじゃないでしょうか。


先週、「目の前のそれが安かったから」という理由で衝動的にScanSnap S1500を買ってしまい、昨日到着した。したはしたんだけど、目の前の校了が忙しいので、そのまま物入れにin! 封in!
うっかり忘れないように、自分に呪文を掛けておく。
猫毛が入らない、そして猫が入り込もうとしない場所を確保しないと展開できない気がする。
でもこれで、「大昔やった仕事をデータ化してお片付け」ということが、ようやくできる気がする。待ってろ事務所の資料の山。
少年エース・読者ページなんかはデータ化すべきだろ<僕の仕事じゃないけどw


iPadで使える電子書籍ポータルアプリはいろいろ出ていて、iBooksを別にするとやはり一番人気は「i文庫」(iPad版はi文庫HD)。
FTPからiPadに直接データを吸い込ませるというのはおもろい。でも、FTPクライアントを使い慣れてない人にとっては、iTunes経由のiBooksのほうが楽なんだろうなと思う。iBooksの場合、MP3ファイルを吸わせるのと手順が同じだし。
ちなみに、PDFを吸わせるときは、2ページ=1見開きではなくて、1ページずつでオーサリングしたものでないと、うまいこと表示できない感じ。


電子書籍を簡単に出してくれるサイト、というのがあるんだそうで、物は試しというか新しもの好きなので、手持ちのコンテンツから蔵出しして、「電子書籍」にチャレンジ!

呑食献立 前菜編 | ブクログのパブー
http://p.booklog.jp/book/2413

所謂、このさぼり記の「呑食」に相当するものを抽出して手直しした(ので、当然無料)。
パブーの使い勝手とか、システムとか、そういうものに興味があったため。オーサリングシステムはなかなかおもしろいけど、まだまだβ版という感じかなー。基本的には、ブログサイトとほとんど変わらない気がする。
パブーは有料で本を「売る」こともできるようで、

  • 売価の7割が著者の印税*2
  • 累積3000円分まで溜まったら、支払い開始*3
  • 振り込み口座を登録。現金振り込みか、パブーで使えるおさいぽポイント(電子通貨)への換金ができる。*4

などなど。
DL形態としては、PDFとePubに対応しているようだ。
試しに作ってみた「呑食献立 前菜編」はPDF、ePubはなし。現状、パブーが提供しているツールのみで、無料公開。
この手の電子書籍対応サイトは今後いろいろ出てきそうなので、あちこちチェックしていきたい所存。


さて、勝ち組はどこかなw

*1:著者本人が編集までやってる=京極メソッドです

*2:Amazon DTPと同じ

*3:実は通常の出版社でもこれは同じで、印税や原稿料が3000円、5000円以下だと支払いが開始されないというルールは一般的。支払手数料の扱いは、著者持ちのところもあれば、版元持ちのところもあっていろいろ。Amazonのアフィリでは5000円分蓄積で支払い開始なので、Amazonアフィリに慣れてる人は違和感ないかも。

*4:このへんも、Amazonと似ている