超-1/2011 募集要項

実話怪談は、小説家の脳内から創作される創作譚である小説とは違って、必ず「体験者」がいる。
怪談作家はこの体験者に取材し、その経験を書き起こして「怪談という読み物」にするわけなのだが、かつては市井の、本来モノカキではない人々がそうした怪談を書いても、読み物として発表する機会そのものがなかった。
この十数年ほどの間に様変わりし、ネットとブログがあれば誰でも怪談を発表できる機会が生み出され、さらには「人前で話すのは憚る」という陰性のものだった怪談は、人前で語られるようにもなった。
職業的な落語家や講談師ではない人々が、怪談を人前で語る手段もまたネットを介して用意されるようになった。


その結果、市井に埋もれた職業的なモノカキではない、在野の才能というものが、これまで以上に世に出やすくなった。
超-1は2006年頃からそうした才能を探し始め、超-1で見出された人々に、「実話怪談を仕事とする機会」を用意し、そのうちの幾人かは実話怪談の新進実力作家として認知されるに至っている。
ぶっちゃけ、超-1は割とデビューしやすいw


一生の仕事にするものかどうかはひとまず置くとして、今の仕事、今の生活を損なうことなく、しかし兼業作家として筆を執る、商業的執筆者となることは可能だ。そして超-1はまずはそれを推奨する。
兼業作家は時間的余裕の問題から量産が難しく、それ一本で食べていくことはなかなか難しいが、同時に「本来の生活と、それに基づく広がり」が維持されているため、精神的負担*1は軽く、また体験談収集機会も多い*2


思惑は様々でよいと思う。
これまでの経験、これまでの人生で得た「怖い話、変な体験」を、自分の手で世に紹介してみたい、という人は超-1へ是非。


募集要項

  1. 体験者が実在する実話怪談を募集する。
  2. 一篇は6000byte前後を基準とする。上限を10000byte以下とし、下限は設定しない。
  3. 応募話数は、最低一話以上。上限はない。
  4. 応募総数によって自動的にクラス分けされる。
  5. 応募資格はプロアマを問わない。
  6. 応募はWeb上からのみとし、郵便は受け付けない
  7. 応募作品はエントリーblogにて著者名を伏せて公開される。
  8. 全応募者は、全応募作に対する公開審査の一環として相互講評を行う義務を負う。
  9. 応募者以外の一般審査員も公開審査に自由に参加できる。(一般審査員は全作講評の義務はない)
  10. 期間終了後、審査結果に基づき2011年度超‐1ランキングを発表する。
  11. 推挙意見多数の秀作は、竹書房文庫より刊行される傑作選
    恐怖箱
    超-1
    怪コレクション・シリーズ
    (以後、「怪コレ」と呼称)本年度巻に収載する。
  12. 同じく怪コレ収録者には、怪コレの印税報酬が支払われる。
  13. また、特に推挙意見の多かった応募者、主催者・編集部推挙の応募者については、恐怖箱、「超」怖い話への参入、及び「超」怖い話に連なる単著刊行を積極支援する。
  14. 応募された作品の著作権は著者に帰属する。
  15. 応募受付開始は2011年2月1日0:00から。
  16. 作品締切は、2011年3月31日(木)24:00到着分まで。
  17. 講評締切は、2011年4月30日(土)24:00まで。
  18. 講評締切後の集計経過は公式ページ上で逐次行われる。最終結果は公式ページ及び夏〜秋の恐怖箱誌上にて同時発表される。

*1:筆一本で食えなくなったらどうしよう、という恐怖心

*2:専業のほうが時間に余裕がありそうに見えるが、こちらの都合が付いても、体験者の多くは平日昼間に取材させてくれるほどヒマではない。また、社会人として外で仕事をしている人のほうが新たな出会いというのは遙かに多く、取材のきっかけやチャンネルも市井の人々のほうがより多くく持っていると思ってよい。