チキン

晩ご飯はチキンソテーでした。
ウマーでした。


……じゃなくて。
ちょっくら超-1の話。
中だるみしてくる時期ということもあって、発表される本数はかなり控えめになってきた最近の超-1だが、そろそろ後半戦が始まっている気配。
前半でネタを出し尽くしてしまうと、後半はなかなか手持ちのネタだけでは続かなくなってくる。
後半になっても出し続けられるというのは、つまり超-1が最重要視する取材力が高いということの証明でもある。
また、連続して書き続けてきた応募者は、厭が応にも表現力や構成力が向上している。昨年も、爆弾級の話、極めてバランス良く再現された怪談は、後半に集中していた。
これからの一ヶ月間は、文才の進化と取材耐久力との駆け引きという高度な闘いにシフトしていくものと思われる。たぶん。
まさにチキンゲーム。


昨年の超-1は、本来は「超」怖い話の共著者を一人だけ選ぶために行われた。
その前年2005年の夏、ちょうど「超」怖い話Ζの大詰めの頃に夢明さんから「メンバーを補充しよう」という提案を受けたのが始まり。夏の募集はちょっと間に合わないってことで見送って、システムやらルールやらドメインやらの準備のために半年ほど掛けることになった。2006年冬の「超」怖い話Ηで開催告知になんとかこぎ着け、2006年春から初夏を使っての長期戦と相成ったのは、「超」怖い話を追っている人ならご存じのお話。
結果、一人だけ選ぶつもりがどうしても絞りきれなくて二人選ぶことになった。
それが、現在の松村進吉君と久田樹生君の二人。
この二人が選ばれた理由は、それぞれ異なる。
一方はそのパワフルな取材力と旺盛なチャレンジャーシップ、そして未発達であるが故の潜在性から。
もう一方は言葉選びの慎重さと現時点での完成の高さと、ある種の獰猛さから。
「超」怖い話は掻き集め続けることができて初めて「維持」ができる。
これは、書き始める前段階の必須案件で、文章力とは別の才能と熱意を必要とする。
また、共通の資質として二人とも非常に向上心が強い。貪欲さがある。それが見込まれた。
言わば、この二人は「書き続けるための人材」または「「超」怖い話を維持するための生け贄」であると言える。話をたまたま持っていた、たまたま体験したから実話怪談を書いたのではなく、実話怪談を書くために話を掻き集めることができた人材、として選抜されたと見てよい。


超-1の究極目的は「「超」怖い話存続のための人材を集める」ことだ。
昨年の超-1/2006に続き、超-1/2007でもこの基本テーマは生きている。
「文章は書けば書いただけ、場数を踏んだだけいくらでもうまくなる。それより、実話怪談を書くための体験談をどれだけ集められるかが、継続して実話怪談を書けるかどうかを決める重要な資質である」
というのは、やはり変わらない。
今年も、本数を稼いでくる人たちは後半に進むに連れて精度が上がってきている。それは確かだ。


超-1は本来の目的は即戦力の人材を見つけることであり、それは変わらない。
実際、もしも仕事として書くことになったら、「あるときだけ書く」というわけにはいかなくなる。いつでも書けるように、絶えず話を取材し続ける、何らかの形で補充し続ける、ということを強いられるようになる。それに耐えられない人は、仕事で書くことになったときに苦労する。


一方で、もうひとつ別の目的もある。
怖い話、怪異としかいいようのない体験談は、まだまだいくらでもあるらしい、ということ。そうした話を、どうにかして世に出し、記録していく場を維持していきたいということ。それが超-1を今年もやるハメになった動機のひとつなのだけれど、それに加えて昨年の超-1からはもう一人雨宮淳司氏を見いだすことにもなった。
これは、当初の目的には含まれていなかったものなのだが、「超」怖い話のための馬車馬のように怪談を掘り起こせるトラクターのような著者が必要であるのとは別に、寡作な著者を拾っていくということだ。
時間をたっぷり掛け、少しずつ貯めじっくり煮詰めていく。
発表のための機会を自在潤沢に用意できるほど僕は大物ではないのが申し訳ないのだけれど、できる範囲で口利き斡旋機会拡大をするお手伝いをさせていただきたいと思っている。


雨宮淳司氏について言えば、超-1ランキングの順位も決して高くない。
応募数も多くはなかった。
が、時間を掛けてでもかまわないから、もっと読んでみたくなった。
どうにか、世に残す手助けをさせてもらいたいと思った。
量産がままならないしかし残すべき話を抱えている人に、どうにか機会を作りたい。
これが、超-1単著支援枠。


目前に発売が迫る久田樹生君の単著「超」怖い話 怪歴は、着々と進行している。
雨宮淳司氏の単著の発売はまだしばらく先になるのだが、それに向けた準備はこれもまた着々と進んでいる。


本日、不思議ナックルズVol.10の見本が届いた。
雨宮淳司氏の最新作が掲載されています。
QR付き。*1

*1:今回はかなり難易度高いです。

懐かしい人から

激動の角川書店時代、コンプRPGの副編集長という何かの罰wを受けていた時代があった。
あれからもう15年近く経つ。


その頃の僕はと言えば、補給が尽きた最前線みたいな現場で、新兵ばかりの小隊を率いる隊長の横で、悲痛な顔で檄を飛ばすハートマン軍曹みたいな仕事をしていた。
そして、隙あらば新人を引き揚げて最前線に押し込む、というようなことをやっていたように思う。今と、あんまり変わらない(笑) 今は怪談書きを。当時はイラストレーターを引き揚げては押し込んでいた。
そういう頃に出会って、ある種一目惚れのような勢いで抜擢して連載をお願いしたイラストレーターさんがいらした。
角川から動いたのももうずいぶん前、自宅を作業室として執筆に専念するようになったのも数年前ということで、ややもすると失踪状態(僕が)に陥っていたのだが、昨晩ずいぶん久しぶりながらご連絡をいただいた。


「覚えていらっしゃるでしょうか」
から始まるメールを、しばしば頂戴する。
もちろん覚えてますとも!
そうしたメールは、たぶんいちばん嬉しい。*1
まだ覚えていてもらえたんだ、というのと、まだ元気でいてくれたんだ、ということと。
皆さん、元気っすか。


僕は元気です。低空飛行だけどなんとかやってます。

*1:「原稿の進み具合はどうですか」というのは一番悲しい(笑)

怪歴

「超」怖い話冬班は「怪談を読むには一番不向きな季節」に怪談本を出し、かつ売れねばならないという、南極越冬隊のような過酷な冬を抜けてようやく一息……つけてない(^^;)
今年から夏の「超」怖い話は夢明さんの担当になるので、僕は夏は手が空くことになる。
と思っていたら、そうは問屋が卸さないのだった(^^;)
何しろ怪談の旬は夏ですから。
僕は僕で今年の夏の新刊に向けた追い込みに入っている。
6月発売の「おまえら行くな2(仮)」の〆切が4月末(当初予定)ということで、ずいずいと原稿を進めている真っ最中なのだが、如何せん機材トラブルその他の事情もあって、4/1に書き始めるはずの原稿に手を付けられたのは、4/11になってから。実に10日も押してしまっているorz
今日の時点でもうじき半分くらい、というところまで来ているので、ぎりぎりで4/30に終わるか、GWに入っちゃうか、といったところ。頑張らねば。


今年の冬の「超」怖い話から、新共著者に加わった久田樹生氏・松村進吉氏。
昨年の超-1/2006を勝ち抜いた選抜精鋭であるわけなのだが、その久田樹生氏による全編新取材新規書き起こしの実話怪談集「超」怖い話 怪歴が、こちらも6月に発売の運びとなる。
現在、久田氏は順調に原稿を仕上げつつ、追加取材に翻弄されている様子。
「超」怖い話Iを終え、今年の超-1/2007にも出品せず、次の冬まで他にすることもなく……というようにのんびりはさせてくれないのだった(笑)


ところでこの2冊、発売日はほぼ同時期、〆切もいずれも4月末(目標)なのだが、その後の進行が結構違う。
おまえら行くな2は編集さんがばっちり付いているので(笑)、なんと僕は組版も編集もしなくていいのだ!!<それが普通です
もちろんゲラは読みますが。


一方、「超」怖い話 怪歴のほうはというと、4月末、僕がおまえら行くな2の原稿をアップするのと同時に草稿をあげてもらって、5月からは原稿を手直ししつつ煮詰め直していくという組版作業とは別の「本来的な意味」での編集作業が始まる。じっくり時間を掛けてよく研磨した後、いつもの組版作業と相成るわけだ。
つまり、怪歴では僕は久々に編集者に専念することになる。
それが終わるとすぐに超-1の集計と、次の怪コレ(仮)の選別編集作業に入ることに。




今年のGWはもはやかなり怪しくなってきました(´Д`)ノ
今年は夏休みあるかなあ(´Д`)ノ

チンクルのバルーンファイト

Clubニンテンドーの会員特典の「チンクルバルーンファイト(非売品)」が到着。
内容は、そりゃまあバルーンファイトです。そのままです。
シンプルだけど久々にやると燃えるな(^^;)
ノーマルプレイ、2〜4人プレイ、バルーントリップ(敵は魚しか出てこないけど、雷とバルーンだけが左から流れ続けてくるモード)の3モードがある。
脳みそが空いてるときにやるとよろしいかと。