家の敵は猫

家の敵は、材の狂いだけではない。
我が家には麟太郎もいる。
猫は爪研ぎをする生き物だ。これは、新しく爪が伸びてくるときに、古い爪が袋状になって抜け落ちるのを助けるためだという。猫の爪というのは「脱皮」しているわけで、それがムズ痒いから爪を研ぐということなわけだ。爪切りはマメにしているつもりなのだが、爪を切るのは「傷防止」であって(家猫は爪が減らないので、切ってやらないと爪が生え変わりにくいのだという)、人間様の都合である。爪を切ったからといって、爪研ぎが減るわけじゃないのである。
当初は麻巻きした爪研ぎやダンボール製の使い捨て爪研ぎなども用意してみたのだが、今は通販でモノ買ったときに付いてくるダンボールを麟太郎専用にしている。ゴミが出て掃除が大変なのだが、それでもダンボールをガリガリやってくれているうちはまだいい。
何度叱っても、壁――クロスでの爪研ぎを辞めないのである。
見かけたときに叱っても、不在の間にやらかしているのでどうにもならない。
猫を飼う家の壁は荒れるというのが、まさにまさに、である。
そんなわけで、1年ほど前から壁のリフォームを考えている。