心臓から口が出る
じゃなくて。
怪談の原稿を書いていて、猛烈に緊張感が高まってきたところで突然鳴るインターホンほど怖いものはない。
心臓が、ピキーンってきた。ピキーンって。
やっぱり集中してるときにぬこがニャーンと鳴いてもびっくりするし、家人が「ねー、晩ご飯どうするー?」と足音もなく書斎に入ってきてもやっぱりびっくりする。
この場合はインターホンである。
しかも出てみたら「聖書をお薦めしているものなんですが」。
いらん!
ギデオン版なら持っとる!
「は?」
NEW BIBLE(新約聖書)ギデオン版を知らない勧誘員はモグリ!
カエレ!
というわけで、追い返して仕事に戻る。
僕自身は、生きていくために救済を謳った特定の宗教を特に必要としないタイプの人間だ。
お祓いも行かないし、特に信じてるものもない。まあ、強いて言えば松尾さん*1と長崎さん*2と氷川さん*3ものか。(特に松尾さんが重要)
それ故、特定の宗教に膝を付く者ではないが、なぜかいろいろな宗教に縁がある。
なんか妙に勧誘されたり説法されたり諄々と諭されたり3分間だけ祈ったりされやすいらしい。
- 天理教とか、
- 統一原理とか、
- 玄関前で北海の珍味を売りつけられそうになった挙げ句、花咲爺を唄い踊られたりとか、←宗教です
- オウム真理教による消費税導入反対の署名活動に玄関先まで迫られたりとか←怖かったです
- 家族総出でやってきて新約聖書を置いていく一家とか←ギデオン版はこのときにget
- モルモン教(正確にはイエスキリスト教会)のアメリカ人宣教師二人組が自転車で乗り付けてアパートに上がり込み、モルモン書の第一節から第三説までを1時間くらい掛けて説法されて試写会に行きそびれたりとか←このときにモルモン書get
- 若い根っこの会に路上で絡まれ、勧誘員を一人一人論破していくうちになんでかそれまでの経緯を知らない3人目が呼び寄せられていることに気づき、面倒になって逃げたとか、
- 団体名は聞かなかったが(たぶん統一教会)、19歳の准看護婦のお姉ちゃん二人にナンパされて茶店でお茶など飲みながら、信仰のすばらしさと救いの必要について延々説かれたりとか←でもそのお姉ちゃん二人がなかなか可愛かったので勝ち。入信しなかったけど
- 池袋で三分間祈られたりとか(可愛い女の子だったので)、さらにその数分後に別の導師らしき大学生の男に「三分間祈らせてください」と言われ、「さっき祈って貰いました」と断ったら、「もう1回いかがですか」とファーストフードみたいに奨められたりとか、…………まだまだいっぱいあるのだが、枚挙に暇がない。
ものみの塔とかエホバの証人とかも、けっこうマメに冊子置いていくし。(アレはけっこう面白いのだが。ファンタジーとしては)
それほど宗教に好かれている僕なのだが、なんでか僕は宗教が必要ではない人らしい。
最近は「今、ストレスがたまっていませんか? そんなときは聖書を――」と、新製品の薬を売りつけるかのような勧誘が増えている。
怪談という、フラストレーションを抱え込ませてなおかつ解消させないようなマゾヒスティックな記事を書いていると、もちろん自分の中にストレスやフラストレーションは貯まる。どんどん貯まっていく。
が、これを迂闊に解消させると今度は書けなくなるんである。(G-Motionは別バラ★)
今まさに自分を追い込んで書くためのフラストレーションをでかくしてる最中である。
宗教なんぞでスッキリしたくはないんである。
そんなわけで、気を殺がれてなんか腹立ったので、あとでギデオン版に八つ当たりすることにする。
聖書、トイレの棚の上に入れっぱなしの刑。
(前にいたアパートでは、置き場がなくてやっぱりトイレの本棚に突っ込まれていました)
えーと、罰は当たりませんように。