90式先輩

90式先輩のカチンコチンのケツ

総合火力演習の話が三連ちゃんですが。
僕が見たのはあくまで「本番同様の進行で行われる予行(最終仕上げ練習)」ではあるのだが、内容は防衛庁長官他の来賓が同席しない他は本番と同様なのだそう。
もちろん、「ここから撃つと小田原まで砲弾が届きます」などの解説も、何度も繰り返されたものなのだと思う。噛んでなかったし。

そんな中で、ふと思い出し、かつ大変気になっていること。


演習は前段の装備*1紹介*2が行われる。
このとき、90式主力戦車の紹介でこんなことを言っていた。
90式戦車による全力での後退速度をご覧下さい!」
90式先輩は射撃準備完了した状態でオン・ステージ、ぎょりぎょりぎょりと駆け込んで来た後、こちらの心の準備が整わないうちに、いきなりドカンと一発お見舞いし、さらには「一仕事済んだからバイなら!」と言わんばかりの凄い勢いで、後退離脱していった。バックギアに入れて走ってる(のかどうかはともかく)とは思えないほどのスピードで、さすが世界最高額戦車だなあ、とかなんとか。


で。
90式と言えば、やわらか戦車では野太い声のカチンコチンな先輩として登場し、戦車のくせに誰に断ってぷよぷよしているんだかわからんやわらか戦車の退却ぶりに説教をくれているマッチョな存在なのだが、その90式先輩の「全速力での後退」。


なぁんだ、先輩も退却するんじゃないすか!
というか、そういうニュアンスなんすか?
そういう仕込みなんすか?
時代の空気を読む陸自は、やわらか戦車を意識してたんすか?
……ないとは言えないところが怖いな(笑)
なんせ、あの某一尉が団本部にいたりする隊だしなあ(笑)


そういえば、前段開始前、後段開始前、装備展示準備中などの合間合間で、ブラスバンドによる楽曲演奏もあった。
自衛隊的なマーチ・伝統的軍楽から、服部良一のヒットメドレー、野ブタをプロデュースの「青春アミーゴ」、そしてお子様も配慮しての、轟轟戦隊ボウケンジャーのテーマ……。陸自ってほんとにいろんな世代に配慮してんなあ、と。
ボウケンジャーが始まったら、子供達が最前列にかぶりつきになってたし。
僕は「なんで伊福部メドレーをやらんのだろう」と思いました。ええ。

陸上自衛隊と音楽と言えば、チャイコフスキーの「大序曲1812年」を外して語ることはできんわけだが、今回の総合火力演習見学という経験は、「いつかチャンスがあったら、大序曲1812年完全版を生で聞いてみたいよなあ」と思わせるに足りる迫力であった。
もちろん、曲の終末部分におけるカノンは、90式先輩にぶっ放していただきたいなあ、とかなんとか。*3

*1:自衛隊は軍ではないので、兵器・武器と言わずに「装備」と言います。装備というのは大砲やロケットランチャーや兵員輸送車や戦車のことです。

*2:各装備ごとに観客席正面に現れ、偉容を誇ってからその装備の基本性能の展示。あくまで「性能の展示」(笑)

*3:いちばん大音量だったから