中東ブランチ

イラク人ブロガーが友達と食事会やってたら米軍がパトロールに来て、
『外に車がいっぱいあったんで、一応武器検索するけどいいかな?』
『いいよ。どうぞどうぞ』
『特に何もないようだね。邪魔して悪かった。わあ、大きな魚だね!うまそう!』
『どうだい。食べて行かないか』
『ありがとう。うれしいけど、仕事中だからねえ』

じゃあ記念撮影でも、と写真を撮った。ブロガーは自分のブログにそのときの写真を掲載(一部顔モザイク)したら、どうやらその米兵の父親らしき人がコメンタリーを書いてて、
『うちの息子が元気にやってる様子を知らせてくれてありがとう!』
このブログは、通称「バグダッドのオマルさん」と言われている、大手メディアが伝えてこないバグダッドの普通のイラク人の日常生活なんかを英文で書いているブロガーによるもの。オマルさんのブログは、ブッシュ大統領のスピーチライターも読んでいるらしく、先週だか先々週のブッシュ大統領の演説でも「イラクはマスコミに言われてるほど危険な状態ではなく、イラク市民は米軍増派を歓迎している」というような形でオマルさんのブログの内容が引用されたりしているらしい。


IRAQ THE MODEL
http://iraqthemodel.blogspot.com/2007_03_01_iraqthemodel_archive.html (英文)


という記事を読んでいたら、むらむらと中東なご飯を食べたくなってきた。
中東にはピタパンのような丸くて平たい焼きパンがある。イラクにもホブスという名前でピタパンの近縁種(というか、基本的には同じものじゃないかと思う)があって、以前これにハマって作り方を一応会得した。
が、最近あんまり作ってなかったので、本日のブランチは中東飯としゃれ込むことにした。
まず、ホブスを作る。

  1. 薄力粉1カップ+強力粉1/2カップ(合計で300cc弱)をよくふるってボウルに入れる。
  2. ここに、ドライイーストを小さじ1くらい。ドライイーストの上に砂糖を大さじ1くらい。
  3. ぬるま湯を少しずつ入れながら混ぜる。
  4. なんとなくまとまってきたら、塩を小さじ1くらい。
  5. こねてこねてこねてこねまくる。
  6. つやが出るくらいまでなめらかにこねたら、まるめて継ぎ目を下にして拡げたラップの上に乗せ、湿らせたペーパータオルを上にかぶせてラップで丸め込み、コンビニ袋か何かに放り込んでホットカーペットの上に転がしておく。
  7. 30〜60分ほどベンチタイム。
  8. 生地がほかほかつやつやになったらラップから出してガス抜き。
  9. 6等分くらいにカットして、それぞれを丸める。
  10. 俎板の上に打ち粉(薄力粉)し、さらにクミンパウダーを適量ぶちまけて、その上で丸めた生地を麺棒で丸く伸ばす。1mm厚×15cm径くらい。
  11. 六枚分できたら、油を引いてないフライパンを加熱。フライパンに一枚ずつ入れて焼く。
  12. 入れて10秒くらいフライパンを動かしながら片面を加熱したら、すぐにひっくり返して今度はじっくり焼く。
  13. 軽く焦げ目が付いてぷくーっと膨れてきたらできあがり。
  14. 焼き上がり直後は水蒸気が出るので、凹凸のある籠かザルに挙げてあら熱を取りつつ、同じ調子で残りの生地も全部焼く。


スープは最近お気に入りの「具多すぎな根菜と茸とトマトのスープ」を、いつもよりスープ少なめになるくらいに煮込んでおく。先に生地を作っておき、ベンチタイムの終わりくらいにスープを作り始め、煮込みに入ってから生地の成形や焼きをやるといい感じ。


ホブスはこの分量で作ると1枚の大きさは直径15cm前後になるのだが、軽い昼ご飯としては3枚もあれば十分。
1mm厚と薄めに延ばしているが、2〜3mm厚にしておいて完全に「ぷくー」とくるまでじっくり焼いてやると、中が空洞の「ピタパン」状になるので、二つに切って中にファラフェルを挟んだりすると一層それっぽい。
ホブスはピタパンのように中を開いて使うよりも、ホブスそのもので具をくるんだり、ホブスをちぎり食いながらおかずを食ったりという食べ方をするらしい。

具多すぎスープにもチリやガラムマサラを効かせたりしてそれっぽく仕上げる。
これに羊のケバブなんかがあると一層「らしい」感じになると思うのだが、さすがに羊肉の備蓄はしてないので、冷凍鶏皮を焼いて我慢。