かぐや打ち上げ成功!

久々に明るいニュース。
JAXA開発の国産月探査機「かぐや(SELENE)」の打ち上げが成功したらしい。
今回の打ち上げはH-IIAによるもの。
打ち上げ管理は今回から三菱重工が担当することになった。これも商業ロケット打ち上げへの地ならしということらしい。紐付きじゃなくて「ちゃんとコストを回収できて、収益も上げられる商業ロケット打ち上げ」に移行していくためには、民間企業がどんどん参加したほうがいい、ということですな。
かぐやは、月の上空100kmの近軌道を周回する主衛星と、それより遠い遠軌道を周回する2機の副衛星(うち一機は高度2400kmを楕円軌道で回るリレー衛星、もう一機は高度800kmを楕円軌道で回る重力測定衛星)とに分離して、月の表層の組成その他を探る。
アポロ以来人間が行ってない月面に、アポロ時代より遥かに高精度高機能になった測定装置が持ち込まれることになる(着陸はしないけど)。


宇宙ヲタなら誰でも知ってる豆知識。
アポロ月着陸船(イーグル号:1969年)に搭載されていたコンピュータの処理能力は、初代ファミリーコンピュータ(1983年)と同等以下。
当初予定していた着陸地点が実際には着陸に適さず、代替地を捜すうちにコンピュータの処理能力がオーバーフローし、アームストロング船長以下のアポロ乗組員が手動で着陸船の噴射装置を制御して着陸にこぎ着けた。当時の搭載コンピュータは通信能力を持たず並列処理もされないスタンドアローンだったわけで、激しく進化を遂げた現在では「機器操作のために人間がそこまで行かなくてもなんとかなる」「前よりいろいろなことができるようになった」というところまできてる、ということの証左が「かぐや」であると言える。


公式にはアメリカのアポロ以来の月探査となる。
この後2007年中から2010年くらいに掛けて、中国やインド、EUも続くらしい。そもそもかぐやの打ち上げは2004年の予定がH-IIAの事故やらなんやらで延期されてきたもの。成功は喜ばしいが、うかうかしてはいられない。
宇宙ハァハァな僕としては、かぐやからの吉報を新宇宙開発時代の幕開けとしてもらいたい気がする。