落語:三遊亭楽花生

三遊亭楽花生独演会に行ってきた。
飯高氏のお誘いで行くようになった三遊亭楽花生*1さんの落語。今回は一年間の中国留学から帰国して最初の会ということで。
今回はTGS直前で修羅場に居るであろう飯高氏wを始め僕の他は都合が付かなかったので、一人で行ってきた。


開口一番は三遊亭きつつき。この人は1年半前最後に見たときは確かまだ前座だったと思うのだが、久々に見たら昨年の10月に二つ目に昇進してたらしい。噺もずいぶんうまくなってた。びっくりだ。


次いで、楽花生。まずは帰国報告と中国での様子、近況などから話は流れて、一つ目の噺は「唖の釣り」。殺生禁制の不忍池で夜釣りをしてたら役人に見つかり、びっくりして言葉が出てこなくなった男が、そのまま唖の振りをして切り抜けようとするが……てな噺で、前半分には楽花生の十八番の与太郎が出てくる。
「言いたいことはあるんだけど、言葉が出てこなくって往生する」っていうのは、中国留学の初期に存分に味わった体験なのだそうで、その体験に重ねてこの演目となった、ということだった。


中入りで振る舞い酒が出た。わーい。


中入り後、最初はなにがしかの芸が入る。これまでは太神楽などを何度か見たが、今回は春風亭美由紀さんによる音曲。三味線と舞があった。
そういえば、江古田の事務所(アパート)のはす向かいあたりに石膏像を造っている工房があるのだが、そこの二階かその並びの二階あたりから、夏の夕方によく三味線の音が聞こえたことを、ふと思い出した。冬も聞こえたw
「虫の音」「さのさ」他、お座敷で掛かるような艶っぽいのを何曲か。お座敷で芸者さん上げて……なんて遊び方とは一生縁がなさそうな気がするが、片鱗を楽しめたので良しとする。


中入り後後半、最後の演目は「厩火事」。夫が自分を愛しているかどうか確かめたい髪結いのおかみさんが、「留守中の火事で厩が焼け、大切にしていた馬が死んでしまったのだが、そのことは一切触れずに家人の無事を喜んだ」という孔子の故事に倣って、夫の大切な丼を割って夫を試そうとする、ってなお噺。
楽花生与太郎とおかみさんを演らせると本当にうまい人で、厩火事のおかみさんの好演っぷりも久々に堪能できた。
これも「何か中国とゆかりのある噺を」ということで選ばれたらしい。中国とゆかりがある噺と言えば、「野ざらし」の元ネタは中国の古い伝説で、酒を掛けたら恩を返しに来た武者というのが張飛だった、ってな噺を翻案したものらしい。*2
楽花生の野ざらしというのもいつか聞いてみたい。


そういえば、今日はもうひとつ大ニュースが。
三遊亭楽花生、2008年3月1日から真打ち昇進とのこと。
三遊亭楽太郎門下では初めてだそう。
おめでとうございますー。