ゲームの件(2)

2/16に書いた「ゲームの件」に続報。
http://d.hatena.ne.jp/azuki-glg/20080216/1203136427


クリプトンからゲームその他関連の二次創作、同人ゲームなどについての制限緩和声明が出たらしい。
対象となっていた「戦え!初音ミク」もタイトルを若干変えての頒布となるらしい。
まずは善哉。


ところで、この手のイメージ保護にピリピリしているのは、概ね、

  • 商業的に契約している関連商品に対する品質保証

じゃないかなあ、と思うようになった。
以下は事実かどうかわからないので、想像。


自社製品のイメージを固定し、維持保証しなければならない相手を考えたとき、「クリプトンの自社商品イメージが低下しないように、購入ユーザーに制限を強いる」という図式ではなくて、「クリプトンが自社商品を他社製品に登場させる、他社から関連商品として発売する*1場合に、その提携先に対して「キャラクターイメージを損なわない製品にする」ことを要求するのと引き替えに、提携先からも「自社製品に登場させる、クリプトン管理下のキャラクターイメージの品質を、クリプトンが低下させない努力をすること」という契約規定があるんじゃなかろか。


例えば13歳の〜は任天堂から13歳かそれ前後の未成年向けに発売される商品。そこに登場する初音ミクは歌唱のみを念頭においたキャラクターで、もちろん戦ったりエロはなし。任天堂は「戦ったりエロとは無縁のキャラクター」としてクリプトンからキャラの供与を受けるわけだから、クリプトンが任天堂との契約にない付属設定(戦ったりエロだったり)を認めてしまうと、任天堂との契約に反することになってしまう。だから、クリプトン側は、任天堂に供与したキャラの品質を維持する努力をしないといけない、というのが、契約の中に含まれてるんではないか、という想像


もしそうだとするなら、正規品との契約違反にならないようにするために、非正規品(同人とか二次創作とか)をクリプトン自身が厳しく律しなければ、任天堂から「エロを認めたキャラだとは聞いてない」と違約請求されかねないわけで、クリプトンがキャラクターの品質維持に慎重である理由は説明できるような気もする。


商業展開するということは、それだけクオリティ管理を求められるようにもなるわけで、二次創作という名の同人利用はそれだけ強い制限を受けるようになる。CGM界/同人界は要するにそうした制限の枠を意識的に忘れるwことで成り立っているグレーな要素が強いため、「一般進出」「正規品の展開」を進めていくと、同様の問題はまた起こるのかもしんないなあ、とちと思った。


公式キャラ設定がほとんどない一方、追加キャラ設定をどこまで許容するのかというのは、いろいろ難しい。
これらの「許可するかしないか」みたいな判断というのは、該当作品(二次創作含む)の数だけ判断を強いられることになるわけで、判断作業そのもの(許認可)で金が稼げるわけではないにも関わらず、人的負担は大きい*2その意味で、許認可判断の品質管理に、人的コストを消費し続けることになるというのは、クリプトンにとってデメリットでしかない。(普通はそのために文書で規約を作るのだが、文書で定義できない、厳密な雛形がまだ作れていない段階でもあることが、問題を面倒にしている)


クリプトンも悩み所だろうけど、「ゲームの件」のブックマークコメントにあった、ライフハックとして「許可したり禁止したり、そのどちらもする立場にはない」と宣言して、判断の負担から逃げてしまうというのも賢い方法ではあるのかもしれない。

*1:抱き枕然り、13歳のハローワークDS然り

*2:検査と判断には時間が掛かる。