iPod nano爆発

以前、僕も「iPodのバッテリーがぱんぱんに膨らんじゃう件 http://d.hatena.ne.jp/azuki-glg/20071102/1193981214」を巡って、アップルに問い合わせをしたことがあるのだが、そのときサポートの人に、
リチウムイオン電池というのは、100%膨らむ(時期の遅い早いの問題)ものであり、100%膨らむものをHDD&ホイールスイッチの間に挟むというのはいかがなものか。外見上は同じ構造のクラシックはバッテリーの位置が変更されており、アップルはこの問題に気付いているようだが、この危険性について予見していたのにも拘わらず、4G以前の旧型機のユーザーに告知や注意を促すといったことをしていないのはなぜか」
ということを聞いてみた。
担当者が途中で2回変わって、なんかめんどくせーことを言うクレーマーwを軽くいなす係らしき偉い人に変わったものの、「100%起きると断言できず、またそうした事例が他にないので」とやんわり逃げられたことがあった。
リチウムイオンバッテリーの「発火・爆発」は100%起きるとは限らないんだけど、充放電を繰り返したリチウムイオンバッテリーが膨張するというのは別に対して珍しい事例でもないらしくて、「バッテリーの妊娠」という言葉もあるくらいらしい。


GIGAZINEによると、今回、経産省がばっちり公表した(http://www.meti.go.jp/press/20080311003/seihinanzen-p.r.pdf)ということなんで、アップルも「コメントできない」とか言ってられなくなるのではないかと思われる。


それでも「SSD+タッチセンサのiPodが欲しかった」という理由でiPod touchユーザーの僕であるわけなのだが(^^;)、クラシック以前の機種より内部の隙間がタイトであるであろう、touch、nano、新型nanoなんかは、クラシック以前の機種に比べてリチウムイオン電池はさらに薄いものになっている。最初に買った16GB touchはまだまだ問題ないけど、購入から半年で32GBに乗り換えたのはSSDの倍増だけでなかったりして。
薄い=内側からの膨張圧力への耐久力は弱いわけで、もちろんなんらかの対策は施されているに違いない、と思いたいけど(^^;)、このへんきっちりした態度を見せないと先々アップルはいかん気がする。


この場合のきっちりした態度というのは、「大丈夫です。壊れません。100%ありません」という裏打ちのない自信w壊れない保証ではなくて、「壊れた場合、交換に応じます」という交換保証。
特にiPod touchやnanoのように、ユーザーが自力でバッテリー交換ができない(以前のだって本来はできないw)機器の場合、故障原因をユーザーが知ることが出来ない。
僕のケースで言えば、「通常使用していたが、リチウムイオンバッテリーが膨張したことによって、HDDとホイールスイッチが物理的に破壊されて動かなくなった」というケースなのだが、それは「動かないので有償修理。原因は不明」といって突き返されてきた後、自分で開腹したことで判明したこと。リチウムイオンバッテリーの膨張はユーザには予見できず、またそうなる可能性について予見されていたのに告知がなかったわけだから、製造者側の落ち度と言える。同様のケースがいろいろ出てきて集団訴訟にでもなったら、アップルとしてはかなりの痛手になるのではないだろうか。
満を持して発売になったAirだって、SSD+バッテリーのユーザー交換不可という今のiPod touchやnanoと同じ状態なわけで。小型薄型化の障害となっていたHDDをSSDに変えたことで、未だにいろいろと未解決の問題を持ってるリチウムイオンバッテリーの脅威が高まってるということを、今回の経産省公表によって「ありえない」「偶発的」「ユーザーの落ち度」とか言って……られなくなってきちゃったかも。

iPod touchでも発火事故、机を焦がす - Engadget Japanese
http://japanese.engadget.com/2008/03/12/ipod-touch-burn/

経済産業省iPod nanoが爆発した事故について公表 - GIGAZINE
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20080312_ipod_nano/


どちらも充電中(リチウムイオンバッテリーへの過充電)の加熱/爆発事故と思える。
リチウムイオンバッテリーの過充電/膨張というのは以前からよく知られていて、これを防ぐ方法としては電動髭剃り機などではかなり早い時期から実装されている「過充電防止機構」などの防御手段がある。(確か、ニンテンドーDSなどにもあったはず)
携帯電話などでも、充電が終了した後はそれ以上の充電が行われないようになっているはず。
もちろん、iPodがそういう措置をしていないはずはないと思うんだけど、外出中に持ち歩く人ばかりではなく、就寝中や外出中、充電しているかと思ってたら爆発炎上して家を燃やしていた……なんてことになると洒落にならない。
また、こうしたリチウムイオンバッテリーの膨張に伴う加熱/爆発事故の幾つかは、「ポケットに入れて持ち歩いている最中」に起きたりもしている。充電中とは限らないわけだ。

そういえば、携帯電話とかDSとかでも、ネット接続やってると筐体がアチチというくらい暖かくなることがあるんだけど、あれもバッテリー放電中の放熱なんすかね?