一日目終了してみると

超-1を3回やって、毎回苦労していることが幾つかある。


ひとつは、「ペナルティ&ボーナスの比率をどうする?」ということ。
ペナルティ&ボーナスが緩すぎると相互講評を放棄する人が増えちゃうし、きつすぎると上位と下位の差がダイナミックに開きすぎたり、ハードルが高いということでそもそも参加を見合わせちゃう人も出る。さじ加減が大変難しく、かといって会期が始まってからは調整できないので、オフシーズンに「これくらいでどうだ。これならどうだ」といろいろシミュレーションして本番に臨んでいるのだけど、1年も経つと去年どうだったかというのを忙しくて忘れちゃってたりするorz 今回は、採点方式がほぼ同じということで、直前の反省点を加味したP&B率を設定してみたけど、うまくいきますように。


そしてもうひとつ、これまた毎回反省材料になるのが「待機数と公開数」。
最初の超-1/2006では、「一日に3話ずつ公開する」という基準を設けていた。いっぺんに公開される数があんまり多いと、講評する人も大変だろう、という配慮からだったのだけど、結果的にだんだん貯金が貯まりすぎちゃって、会期の最後の頃には1日に20話公開だとかいう、ひでー公開ペースになっていた。あれは完全に采配ミスというか、想定が足りてませんでしたorz


翌超-1/2007からは、「上限を10くらいとしつつ、あまり溜め込まない」というルールに切り替わり、今年の超-1/2008などでも「公開作業を始める時点で手元にある全待機作品の、半分強くらいを公開する」「同じ人の作品は、続けて公開しないようにする。なるべく」というルールに落ち着いた。待機数が6あったら3か4を公開、翌日8増えて待機数が10になっていたら、翌日の公開数は6か7くらい。応募を受け付けてから公開するまでの待機日数はできるだけ2日を超えないようにしつつ、読む人に無茶な負担が掛からないようにする、と。


この方式は「毎日作品応募が来る」ということが前提になっているので、「三日連続で一日10話の応募が来たので、景気よく公開していたら、その後三日連続で応募がなかった」というようなことになると、恐るべき勢いで貯金が底を突き、「一昨日までは一日10話だったけど、昨日は2話、今日はナシです」というようなことも起きてくる。
できるだけコンスタントに出したいけど、思った通りになるとは限らないというのが、募集企画の難しいところだよなー、と思う。一般審査のない類似企画でも、募集作をどんどん公開してるようなとこでは、きっと部外者にはそれとわからないいろいろ難しい舵取りをしてるんだろうな、と。ご苦労お察しします。


ここまでは何の前振りなのかというと、明日の朝にはドガッ! バキッ!と大量公開がありますので、覚悟よろしく☆ という予告なのだけど、たぶんほとんどの人は大量更新を目の当たりにしてからこのエントリを読むんじゃないかな、と思います。


さて。
本日初日に公開した分と、明日公開予定の分を加味した、4時間後くらいに公開される予定の最新遺伝地図を眺めてみた。
Frieve Editorを既にインストールしてる人は、遺伝地図を表示させてから「表示(V)」「スコア(S)」で、最上段の「スコア」にチェックを入れ、「リンク数(入力)」を選んでみるといいかも。
作品名の下に、赤いアンダーラインが表示されるが、これは「他の作品からのin(入力)数」を表している。つまり、どれだけ他の作品から枝を張られているか、他の作品に遺伝的な影響を与えたか、というのを示す棒グラフということになる。
当たり前の話なのだが、現時点で送られてきた応募作のほとんどは、公開中の一般応募作ではなくてプレ・オープンの時点で公開された「種」に枝を張っているので、この赤いグラフが長いのは今の時点ではいずれも種作品ということになる。
また、その作品自身が枝を張った、つまり「リンク数(出力)」を合わせた「リンク数(合計)」を選ぶと、その作品の現時点での注目度がわかる。もちろん、枝を張られた数を数えてもいいのだが、赤い棒グラフが長いほど、「ハブ作品として人気がある」ということになる。
詳しくはお手持ちの遺伝地図をご参照下さいw
しかし、この「ハブ作品として人気がある」というのと「作品として評価が高い」というのは別問題。種の中には「ネタを膨らましやすくするためにネタ要素は豊富に入っていて、遺伝はしやすいけれども作品単体としてはいまひとつ」というものも紛れている。そういうものは、当然ながらハブ作品としての人気と、作品単体としての評価点の伸びは合致しない。
つまり、ハブ作品=応募者の好み(またはインスピレーションの源)だけど、作品毎の評価点=審査員の好み、ということになる。ある程度はこれは連動してくるだろうと思うので、審査員(のうちの応募者の数が多ければ)と応募者が実際に引用する作品の双方の人気は合致しているだろうと思う反面、「作品としては大したことはないと思うが、俺が書けばこうできる!」というチャレンジ精神から、遺伝させることと点数が連動しないケースも考えられる。
どちらのほうが実際に多くなるかは、応募者&審査員の性格や好み、資質に左右されていくので、もうちょっと進んでみないとどんな風になっていくのかはわからない。
同じ作品を読んでも、大喜びする人と眉をしかめる人のどちらが正しいということはないわけで、応募者と審査員の質(というか、性格かな)は、それぞれ同時に問われていくことになるのかもなー、と思ってみたり。


なお、これらはあくまで「初日、今の時点」の話。
これから、会期が進むにつれて一般応募作の数のほうが多くなり、また種作品から始まったアイデアや設定を受け継いで、もっとシェイプアップしたものが次々に出てくるようになれば、枝を張られる作品の人気傾向はどんどん変わっていくだろうと思う。
初日に公開されたばかりの話いくつかに枝を張った作品が、初日のうちに応募されてきたりしているので、今後それらから話が膨らんでいくことも考えられるし、種作品の中には誘い受けというかw、「この小道具を使え」と言わんばかりの大きすぎる釣り針もあったりするのでw、そこから膨らましていく人も出てくるかも。
出藍の誉れと言うか、藍を超えて青くなるモノがどんどん伸していくという展開になる、といいなー。