通夜

夜、忌み事。
僕の仕事も普段から随分忌み仕事なのだけど、知己の通夜に列席してきた。
喪服に袖を通したのは昨年あたりの怪コレの打ち上げオフ会以来。
そのときのオフ会の会場は、忘年会だの落語怪だの超-1オフ会だのといつも*1お世話になっている江古田の居酒屋「若みや」だったのだが、実は今日の通夜は若みやマスターのご母堂御逝去の由。
通夜が執り行われた江古田斎場は若みやの目と鼻の先。いつも斎場帰りの精進落としのお客が立ち寄っていた若みやだが、知り合いの、そして当の若みやのご家族の方の通夜に向かうことになるとは思いもしなかった。
おかーさんはころころと笑う人当たりのいい方で、「おかーさん」以外の呼び方が思いつかない。若みやのカウンターでぐでぐでと飲んでいると、店の隣にある本宅からマスターの夜食を届けにきていたりで、よく顔を合わせていた。最近、手術入院をされたものの、一日繰り上げて退院なさったばかりだったということで、亡くなる当日の午前中まで町内を歩き回るほど本当にお元気だったらしい。
「孫の顔が見たい」と常々溢しておられたご様子だったので、それだけが心残りだったかもしれないな、とも思った。伝え聞いた最期の様子はあまり苦しまずに逝かれたようで、それだけが救い。
通夜の席には町内の方や店の常連の方、ご親族他、ずいぶんたくさんの方が次から次へと見えていた。企業のお偉いさんだったわけでもなく、地元の有力者だったわけでもないおかーさんの死を悼む人が、こんなにたくさんいたんだなあ、と今更ながら故人の生前の人柄が偲ばれる。
「若みや」は元々はおかーさんが喫茶店として開いた店で、居酒屋「若みや」もその場所と店名をそのまま引き継いでいる。あの店に行ったら、これからも、いつでもおかーさんが「あらー、いらっしゃい」とにこにこしながら店に入ってきそうな気持ちになりそう。急なこと過ぎてとにかく今もってピンと来ないほど。


「若みや」は来週、7/29から通常営業再開の予定、とのこと。
臨時休業と再開予定を知らせる店頭のはり紙には、店の若い常連の方と思しきメッセージが書き込まれていた。


「宮本さん頑張れ」

*1:実は先日の二次会でも