鮫丼

夏は魚が少ないというけど、こんな時期でもいろいろ魚(とアラ)は出るもので、いつもの西友にモウカザメのアラが出てた。
モウカザメ=ネズミザメのことで、宮城あたりから入ってくる。鮫というと「アンモニア臭い」「マズイ」「臭い抜きが大変」とよろしくないイメージがあるのだが、モウカザメはそういうアンモニア臭が全然ない。身肉は薄いピンク色で若干水分多めなのだが、塩胡椒してソテーしたり、片栗粉の衣付けて炒めたりすると、普通の白身魚とまったく変わらないものとして使える。クセのないさっぱりした柔らかい身肉で、磨り潰して蒲鉾の材料にしたくなるほど*1
で、そういうもののアラも出ているわけで、骨がまったくないので、大変扱いやすい。400〜500gくらい入ったのを買ってきた。150円。

とはいえ、この暑い盛りに昼間っから炒め物とかは食べたくないので、このところよくやる湯引きにすることにした。
モウカザメの身肉を5mm厚くらいのそぎ切りにしてボウルに取る。醤油とおろしにんにくで和えてよく揉んでおく。


その間に、モロヘイヤ。一束で76円。
はっぱをむしって洗って、沸騰した湯に塩ひとつまみ入れて、20秒くらい茹でる。茹でたら笊に取って、水分絞る。このとき、水には当てないで仰いで冷ます。
あら熱が取れたら、よく水分を切ってから包丁で細かく刻んで叩いておく。モロヘイヤは叩くと粘りが出てくるので、満遍なく叩いて小鉢にとりわけ、冷蔵庫に入れてさらによく冷やしておく。

モロヘイヤを冷やしている間に鮫に戻る。
雪平に湯を沸かし、鮫に片栗粉をまぶしたものをざぶざぶ入れる。
20秒ほど泳がせたら網ですくって、氷水を張ったボウルに取る。
熱が取れたら、小さめの竹笊に氷を入れたものの上に湯引きした鮫をのっけておくと、水っぽくならずにキンキンに冷える。


炊いたご飯を丼に軽く盛って、モロヘイヤを丼の上に好きなだけ。ここにわさびを少しと醤油を掛けてよーく混ぜ*2、その上に湯引きした鮫をこれまた好きなだけ乗せて、「鮫モロ丼」のできあがり。お好みで小口に切った葱や刻んだ茗荷を混ぜても美味しいと思う。


鮫アラは、ピンクの身肉のところ、筋のあるところ、小豆色になってる血合いのところ、どこを使っても臭みもクセもなく美味しく食べられるのでオススメ。
にんにく醤油で和えて、というのは血合い交じりのアラを使うときの基本だと思う。漬け込み時間を長く取れないときでも、10分ほど漬けておくだけでも随分違う。お試しアレ。

*1:しかし実際にはモウカザメは蒲鉾にはしないらしい。また、気仙沼などが産地だが、地元ではあまり消費されないらしい。不思議な魚だと思う。鮮度がいいものは刺身でも食べられるらしい。心臓は珍味らしい。

*2:混ぜてから飯にかけてもよい