ゲラ出ました

毎回、「傑作選」では極力その著者の担当ページのみ見ていただく感じでゲラ(著者校)を出しているが、今回も概ねその路線。
そして完成するまで個々に関わってる人にも全貌はわからないというミステリアスw
その昔、アームストロング砲を作ってたときもこんな感じで、それぞれの職人は自分が作ってるパーツがどういうものになるか、よくわかってなかったらしい。全貌が見えるのはコンダクターの役得というか、心労というか。


そういうわけで、ゲラ出ました。今回は彼岸花より4〜7日近く前倒し進行。実質的なスタート時期はそんなに違わないが作業効率が高まっているのは、恐らく原稿精度がある程度揃っていたからでしょう。
が、「大手術が必要な原稿」と「9割方揃ってる原稿」とだと、どちらのほうが校正が大変かというと、実は後者。
わかりやすい例えをするなら、100kgから70kgに30kg落とすダイエットと、46kgを44kgに2kg落とすダイエットだと、どっちのほうが難しいか、という(ry
アラがいっぱいあるゲラは、片っ端から問題点が目に付くのでチェックし放題、盲撃ちしても当たりまくりだが、アラのほとんどを漁ってあるゲラでは問題点を見つけるのが難しい。もちろん、ないに越したことはないわけだから、出てこないほうが望ましいのだが、その段階で結構致命的なアカが出たりすると「なんで気付かなかった、俺!?」と自分を大いに責めてしまう。まあ、本になるまで気付かないより遥かにマシ。
かといって、数人掛かりで小人さん大量投入してナニも出てこないというのは、それはそれで恐ろしいし、小人さんから挙がってきたチェックが、「全員かぶってない」というのはもっと恐ろしい。
いろいろジレンマ。


今回はかなり余裕があるので、再校、再々校もその気になれば……と思ってるけれども、実際にはたぶん新要素のチェックと詰めに余力を奪われるであろうと思う。僕が。


できれば夢の「発売前月校了」に回帰したいという野望があるのだが、ここ2年くらいで少しずつ前倒しして正常化できてきたかと思う。
もちろん「ここまでは大丈夫」というデッドは承知の上でw、できるだけ多く長く余力を持とう、というのが狙い。万一というのが、どういう「万一」が来るかはわからないけれども、万一が発生したときに最もアテになるのは「時間」であるわけで、それは前倒し進行という時間の貯金でしか得られない。
極力時間貯金に励まねばと思う。