恐怖箱 遺伝記

遺伝記傑作選がAmazonの新刊予約に登録された様子。

恐怖箱 遺伝記
恐怖箱 遺伝記

本作は、恐怖箱シリーズにおいては初めての「実話ではない恐怖小説傑作選」となる。
イベントとしての「遺伝記」のタイトルをそのまま引き継いでの傑作選となるが、「死角の隅からくる急角度の一撃」について考え直す機会となった。
超-1と同様のシステムを使いながら、別の目的と別の結果を紡ぎ出すことを目指したわけなのだが、選ぶ目的、捜す目的、求められる理由が異なると、類似システムを使ってもまったく違う傾向になるんだなあ、と。


編集作業中から「いろいろ手の掛かる……」と溢していたあれやこれやについても、よい手応えが得られればいいなと思っている。
小説というものは、著者一人が全てを掌握できる世界である。著者が神となれるものである一方、独裁的に創造された世界を、著者以外、読者と共有していくことの難しさというのもある。自分ではない読者を意識したり、自分の作った世界観の成長や自分が他の世界観を成長させるといった手続きを通じて、物語を自分だけの都合良く進む世界としてではなく、自分以外にかき乱され、自分よりうまく育て上げる人すらいる世界として意識する作者が一人でも生まれたなら、たぶん、企画にとって恐怖箱にとって、そして参加された著者の方々の今後に向けた大きな財産になっていくんじゃないかなあ、と。ほぼ全ての作業を終えた今、企画者・編集者としてそのように省みている。


さて。
Web版の最終結果発表のためのコンテンツを用意しなくちゃ(^^;)