洗濯機の修理

うちにはサンヨーの初期型の縦型トップオープンドラム式全自動洗濯機がある。ちょっとでも楽をしよう、というのと、洗濯物を天日干しする日照場所がほとんどない建物の制限との兼ね合いから、割と早い時期に導入した。確か32型AQUOSより高かったorz
が、このドラム式洗濯機が割と曲者で、買ってから6〜7年くらいになるんだけど、やたらリコールされてるというか、点検とか修理(もちろん無償)が多いというか。
今回はスチーム乾燥機能を使ってると発煙発火の可能性があるとかで、大がかりな緊急修理ということになってるらしい。
で、今その修理が行われているわけだが。
前回と前々回の修理は確か15〜30分も掛からない程度(むしろ、洗濯機を設置場所から取り出すのに苦労してた)だったんで、今回もそんなもんだろうと思っていた。
サービスの人が現れて言うには、
「ちょっとお時間が掛かります。2時間くらい」
へー、2時間。……2時間!?


……今日でよかったorz
打ち合わせで出掛ける日だったら、かなり微妙だったし、起床時間によってはかなりピンチだった。


なんだか、洗濯機を設置場所から動かしてキャビネット外して、バラして……と、相当大がかりな修理らしい。
あの洗濯機はとにかくでかくて、しかもうちの洗濯室の扉の幅との隙間が1cm未満しかなかったw 設置するときにも配送屋さんが「ときどき入らなくて持ち帰ることがあるんですよね……」とぼやいていて、洗濯室のドアを一度完全に取り外してから搬入し、設置完了したときには家人・配送屋さん一同から歓声が上がったという(ry
性能に不満はないが、なんともアクシデントの多い洗濯機だよなと思う反面、家電品が原因の事故・火事が社会問題化したこともあって、こうしたリコール品の修理やアフターサービスを、抜かりなくやってくれるのが当たり前になったというのは良いこと。こういうとき、家電は対応いいけど、情報機器の対応は今三つくらいな感じがするのは何故だろう(^^;) 前々回のアップルの対応のせいだろうか。*1


壊れない、問題のない100%メンテナンスフリーの製品を作ることがもちろんベストなんだろうけど、製品が高性能・高機能・多機能化して、その内部構造や様々な仕組みが複雑化していくと、それだけ故障や不具合の発生リスクは高まるし、それらを予め100%予見するのも難しくなるというのは、これはもう技術の進歩と工業製品の抱える宿命みたいなもので、ある程度は仕方がない。
問題は、100%に届かなかった場合のサポート体制、リカバリーの早さと誠実さにある。
今はなくなっちゃったけど、東長崎の北口にあった牛角は、100%ミスのないサービスというのは難しいにせよ、ミスったときのリカバリーがよくできた店だった。ミスってもその場で凹まない、直ぐ謝る、悪びれない、マイナス分をプラスの何かで相殺する、いつも笑顔、みたいな。
失敗のない完璧な接客が理想だけど、現実にはまったく失敗がないというのはあり得ないし、未熟なスタッフは失敗を重ねてこそ一人前になるものでもあるし。そうなると、失敗しない努力と並行して、失敗をリカバリする(=取り繕うw)テクニックを身に着けることが大切なのであろうな、と。


日本人は元々「きっちりしたもの」が好きなのだそうで、例えば漆芸品の類など伝統工芸品では「手作業なのに誤差数ミクロン以内の気密性」とか、明石海峡大橋のような超大型土木工事なのに誤差数ミリ以内*2とか、プラスティック成型品(車のダッシュボードや携帯電話のキャビネットなど)の合わせ目が隙間なくピッタリ合うとか*3、かっちりきっちりしたものに関するエピソードが多い。
ただ、これが高じて日本では失敗を許さない、最初から100%を求められる、100%の結果が出せて当たり前で100%だと褒めないが、1%でも欠損・不足があると猛烈に批判するというような風潮が、あらゆる分野に対して行き渡っていて、これはあんまりよくないなあと思ったりもする。失敗を恐れて冒険しなくなる、萎縮する、うまくできても評価されないから、最初から期待されないように振る舞う、などなど。
100%でなくても褒める、100%なら称賛する、失敗があってもリカバリのチャンスというか猶予を認め、リカバリの結果が良ければそれも褒める、そういう褒める機会を増やしていかないといかんのかもなあ。あらゆるものに対して。



PS.
「2時間掛かります」と言ってた修理だが、完了したのは14時半頃だった。10時ちょい前にスタートした修理だったので、4時間以上掛かってたことになる。不具合そのものは確かにメーカー責任だけど、ほんとにご苦労様でした。

*1:前回の対応は良かったけど

*2:こういうのを精密土木というらしい

*3:日本では当たり前のように聞こえるが、逆に海外製品では隙間があって当たり前、くらいのものが圧倒的に多いという話もなくもない。中国製に限った話ではなく。