メシウm 政局どんでん返し

あっ、違う違うwwwwwww


小沢民主党代表の政治資金団体責任者(秘書)が政治資金規正法違反の疑いで逮捕、捜査。
小沢代表は失踪。


買い物出掛けて、スーパー寿司が50%引きだったので思わず買っちゃって、ほごほご食って、さあ寝るかと思ったらコレ。
呑食系のネタを書こうと思ってたんであって、決してメシウマなわけでは。


数日前から小沢代表による「拉致被害者を買い戻す」的発言からこっち、なんだか急に産経一紙のみが民主攻撃の立場に立ってるんで、なんかあるのかなと思っていたのだが。
もし、これを掴んでいてハシゴをいち早く外したんだとすれば、社長賞ものでしょう。


それはそれとして、昨日まで考えていた政局ロードマップが、これでまたご破算というか白紙に戻ったかもしれない。
もしかしたら、まだ従来路線は生き残ってるのかもわかんないけど、一応、昨日まで考えていた政局ロードマップをメモ。




前提として、昨日までは「自民が追い込まれ、民主はあらゆる落ち度を攻撃されない魔法の楯を持ち、小沢代表は不死身モードだった」という。
この場合、自民の支持率は落ち続け、その政治的方針如何に関わらず自民からの離脱票の全て民主が引き取った上で、自民から民主への政権交替という潮流が変わらない場合、というのを考えてた。


この場合、次の衆院選と来年の参院選という二段構えで政治状況が大きく変わる可能性があった。


まず、今年9月までの間にある次の衆院選では、7つの可能性がある。

  1. 自民が単独または公明との連立で2/3を維持(まあ昨日までは絶対無理だし、今後も難しいので、選択肢としては一番薄い)
  2. 自民が単独で過半数を維持
  3. 自民が公明との連立で過半数を維持
  4. 自民公明が過半数を割り、民主が社民・国民と連立で過半数を獲得
  5. 自民公明が過半数を割り、民主が単独で過半数獲得
  6. 自民公明が過半数を割り、民主が社民・国民と連立で2/3を獲得
  7. 自民公明が過半数を割り、民主が単独で2/3を獲得

(1)はまずあり得ない選択肢なので除外。
(2)(3)は自民が衆院与党に踏みとどまり政権交替は起きないシナリオ。
(4)〜(6)は民主が与党になり政権交替が起きるシナリオ。

まず、(2)(3)は一見よいシナリオに見えて、実は一番ヤバイと思ってた。説明はちょっと後回し。


先に(4)〜(6)について。
(4)の場合、恐らく連立を巡って社民・国民と民主は協力できそうに見えてできなかったんじゃないかと思う。なぜなら、党是そのものが根本的に違うので、与党の反対を唱えているうちは協力できても、主体手金いやりたいことをやろうとしたときに、一致点がほとんどない。妥協は民主に引き摺られる形(今の公明が自民に引き摺られてるような感じ)になるだろうから、閣内に入って分裂を呼ぶか、閣外協力*1で与党内にいながら足を引っぱる批判をやらかす展開、とか。
ただこのへんは、民主が単独第一党になっても遅かれ早かれ同じことは起きた。民主党内も統一された綱領があるわけでないし、旧社会・社民党から合流の左派と、旧自民、自由、民社などから合流の右派とでは、特に安全保障関連では完全に意見の一致がないわけで。
その意味で、(5)〜(7)であっても、民主党内の瓦解は遠からず起きた。


先に(4)〜(7)について触れたのは、これが一見「政権交替が起きてしまう」シナリオであるように見えて、民主の瓦解をもっとも効率よく押し進め、2010年参院選で民主が勝てない展開に至る方法だから。
昨今の不景気は、一年や二年程度での迅速な回復は難しい。現内閣も頑張ってはいると思うけれども、こういう状況下で左派が福祉重視政策を行った場合、失われた十年がもう一度繰り返される恐れがある。(日本がバブル後から回復できたのは、不良債権処理が加速した小泉内閣になってからで、マイナスの極みだった景気が±ゼロを目指して上昇を続けたのも不良債権処理が終わってから。
話が大幅に脱線するのでこのへんは割愛。


つまり、これからしばらくは誰がやっても事態は好転しない。
この時期に政権を担当する与党になっても、「めざましい目に見えて分かる迅速な効果」を期待することは難しい。故に、「遅すぎる」だの「少なすぎる」だの「自分ならうまくできた」だの、という話しか出てこない。
要するに次の2010年参院選の直前に政権与党にある側が、参院選で負ける、と僕は読んでいた。
民主が衆院選に勝って政権運営を担当した場合、就任当時の期待値はオバマのように高いだろうけど、1カ月で成果を出さなければ期待値の1/10以下というか、すべての期待が100%逆方向に触れる評価になる可能性がある。
そうなると、短期的な成果を見せられない限り、民主党は2010年参院選では敗北し、参院自民が与党を奪回する可能性がある。
参院選は3年ごとの改選だから、2010年を乗り切れば次は2013年まで時間を稼げる。


民主党が政権を取った場合で、景気が好転して民主党の評価が高まっていれば、2010年参院選衆院選とのW選挙になる可能性もあるかもしれない。追い風で衆参の議席を伸ばし、安定多数を手に入れようという腹だ。
ただこれは、来年、2010年の夏前までに、民主が馬脚を現さないという前提が必要になる。
民主が馬脚を現す、または経済対策などに効果的な成果を示せない場合は、衆院与党民主、参院与党自民という、現在と逆の逆転ねじれ国会になる。
民主党は、今までやってきた議会妨害戦術の全てを、逐一自民党にやり返されることになりかねない。


ただしこのへんも民主党が一枚板だったら、という前提に立ったもので、民主党は政権を取ったら早晩に党内の意見集約に行き詰まり、党内左派は社民、共産などと、党内右派は自民、国民などとの政策的連立を強いられる可能性がある。権力があるのに何も出来ない与党というのを許すほど、この恐慌下の有権者にゆとりはないのではないか。


以上から、

  • 2009年衆院選で自民が過半数に届かずに負け、
  • 2010年参院選の2カ月くらい前までに民主政権が行き詰まり、
  • 2010年参院選で民主が過半数を割るか自民が過半数を取り返し、
  • 2010年秋から2011年初頭くらいまでの間に、参院与党自民という形を保って民主に大連立を持ちかける……
  • 2011年以降、政界再編もあるかもしれない、かも。

というのが、昨日までの僕が想像していたスッ転ぶけど、一番傷が浅くて済むロードマップだった。
今回の衆院選で自民が勝ってしまい、来年の参院選で民主が勝ってしまうというのは、仮に大連立・民主党内の分裂が起きなければとにかく最悪の展開であるわけで、日本の政治は少なくとも4年以上は空転することになるだろうとの思ってた。


このへんが成り立つのは、「とにかくマスコミは民主を擁護し続ける」という前提が崩れないという場合に限られる。
昨今の偏向報道、アンケート捏造*2、編集によるニュアンスの攪乱といったマスコミによる民主擁護が生きている限り、自民のというより民主政治そのもの脳死状態に陥るだろうと思う。


民主主義というのは、「有権者は全ての情報を持ち、その情報の真贋を踏まえて正しいと思う選択肢を選び、それによって選ばれた多数派意見が採択されて、全体がそれに従う」という概念だ。
ここには判断者である有権者の判断に必要な情報が、十分な量があり、全て正しく*3伝えられた場合にのみ正常に機能する。
ゲッベルスが一枚噛んでいたナチスドイツがそうであったように、或いは辻政信の声がでかかった帝国陸軍参謀本部がそうであったように、そして、ブッシュJrがイラク攻撃の判断を下すのに必要なデータとして提供されたCIA情報が間違っていたケースがそうであるように、判断に必要な情報が不十分または意図的に隠されていては、正しい判断はできない。

もっとも簡便でもっとも信頼されてるはずのマスコミ情報が不十分であることが、健全な民主主義を奇妙に歪ませており、蛇・カエル・なめくじの三すくみ*4のように、三権分立の「権力」のひとつにマスコミの取材・報道・編集権についての規制か競争を伴う正常化が求められるのかもしれんなあ……。


で。
小沢代表秘書逮捕で、小沢代表は何も知らなかった何も悪くない……という展開になったとしたら、そりゃもちろんそれこそ何らかの悪意が働いており、マスコミから正しい判断材料はもはや得られない、ということの証左になる。


小沢代表に捜査の手が及び、逮捕、ということになった場合、それでは今の民主党にも「党内統治ができて、選挙指揮が執れる二番手がいるのかと言われたら、実は「虎視眈々と後がまを狙う、スタンドプレー狙いの英雄気取り」は菅直人をはじめいくらでもいるのだが、「党内統治」のできるリーダー的政治家は、民主党にもいないんじゃないかな、という気もする。


どっちに転んでも政局的には凄い展開になる。
衆院選に一票投じるその機会がくるまで、タカの目とウサギの耳で情報戦を生き抜かねば、僕らはきっと後でぶーぶー文句を言うだろうなあと思う。
どうにかならんものかねえ。


ああ、エスタロン・モカが切れてきた。寝ます。



PS.
次の衆院選でうっかり自民が勝ってしまった場合の崩壊のロードマップについては、もうちょっとデータが出揃ったらまたイチから考えるっす。

*1:これは自自公連立のときに自由党が閣外協力って感じになってたような

*2:というより設問が誘導的

*3:正義ではなく、正確という意味で

*4:実際には蛇はナメクジに弱いわけではない