ラーメン作ってたら太平洋まで通過してた

昼飯にラーメン作ってたら、太平洋まで通過しちゃってた。
日本国内への落下はなく、PAC3もSM3も対応しなかったので、ノドンの発射もない模様。


これによって予想される反応は以下の通り。

なぜ撃墜しないのか!

日本国内に落下する場合のみ破壊する予定だったから。皆さん都合良く忘れがちだがw、憲法九条に基づく専守防衛戦略がある限り、「落下コース」に入ってくるまで防御対抗手段を取れないため。
また、テポドンが二段目ブースターを使って大気圏外まで高度を取る大陸間弾道弾に相当する長距離ミサイルであるため、大気圏内での迎撃を念頭に置いたPAC3/SM3の飛距離では届かないため。MDにICBMやハープーンは使いませんし。先制抑止はできませんし。

PAC3は作動しなかった(NHK)という話だが!

被害防止の必要のための迎撃なのだから、迎撃の必要が発生しなければ作動もしない。
これについては、「動作不良で動かなかった」「使えない役立たずなものが必要なのか」的なニュアンスでのミスリードがあるかもしれないので注意が必要。
また、誤探知の原因になったFPS-5開口レーダーについても「信頼性の低いものが必要なのか」という議論が出てきそうだけど、あれは「開発を終えて解体予定のもので、本来実戦に使う予定ではないもの」なのであって。
むしろ、発射予告があって何日も準備する期間があったればこそPAC3の地上配備などの余地があったが、予告なしの発射だったら対応できなかったかもしれない。予告なし発射に対応できるよう、PAC3相当の常設迎撃システムの整備構築が必要になってくるんじゃないかと思う。
そういう議論について「軍靴の響きが!」「先制攻撃だ!」「NOミサイル!」というような声を上げる政党や市民団体がいるようだったら、その背景を調べてみると面白いかもしんない。

今回の防衛に掛かる費用は税金の無駄遣いではないか!

安全保障というのは、掛かるあらゆる「万が一」に備えるものである。例えば、年に一回あるかどうかわからない洪水に備えて、膨大な費用を掛けて堤防を作ったり治水工事をしたりする。万が一だからないだろうと思って適当にしてたら堤防が決壊し、甚大な被害が出たのがハリケーンカトリーナの際のニューオリンズ
数年に一度あるかどうかわからなくても、火事に備えて消防署や消防設備があり、一生に一度あるかどうかわからないけど泥棒に備えて玄関には高額の鍵やセキュリティシステムが用意される。
安全保障というのは「あり得ないしあってはいけないし、ほとんどないと思うけど、100%ないとはいえない」ことに投資して備えるものなので、役に立つ場面はないほうが喜ばしい。
吉田茂防衛大学一期生卒業式での訓辞にあるのと同じで、「こうした仕組みが活躍し、活躍を期待されるということは、国民が不幸であるということ」だし、「叶うならば、莫大な費用を掛けて備えたことが徒労に終わりなおかつ被害も出ない、それによって取り越し苦労と笑われる」くらいであるのが、安全保障システムにとっての幸せなのだと思う。

Em-Net(緊急情報伝達システム)の誤探知など問題点ばかり

昨日のEm-Netでの誤探知(というより、過敏反応)は良かったとは言えないけれども、「情報伝達システム」そのものは正常に動作したことが実証された上、今日の本番でも緊急情報の伝達そのものはスムーズかつ確実に行われた。この点に関しては「入力情報の迅速性と正確性の判断をどこで取るか」という難しい課題は残るものの、「急いで知らせる」仕組みそのものは完全に健全であったと言えよう。

何はともあれ、被害がなくてよかった。
北朝鮮への制裁及び国連安保理への提訴はこれからとなるが、中露の反対がなければ今回の提訴については事前の根回しも進んでいたことだし、スムーズに進むのではないか、と思う。
次は外交戦。



とりあえず、この問題に関する一次情報はこちら。

防衛省自衛隊弾道ミサイル防衛(BMD)について
http://www.mod.go.jp/j/library/bmd/index.html

現時点では確定情報が少ないのでまだ更新されていないけど、報道各社もいずれこの発表にそれぞれの解釈を加えた記事を書くのだろうから、一次ソースが何を出すかを注視しておくといいのかもしんない。