サマーウォーズ見てきた

駆け込みでサマーウォーズ見てきた。
感想としては、友愛


非常に面白かった。主人公&ヒロインの声優については好き嫌い分かれるかもな、とは思ったけど、ストーリーは好き。
以下、若干のネタバレ。
























OZ=セカンドライフなんだろうけど、こういう「仮想空間におけるAIの暴走、乗っ取り」テーマはこれが初めてというわけでもないし、斬新なテーマでもない。*1
途中崩壊しちゃった感があったけど、花沢健吾の「ルサンチマン」などでも近いシチュエーションを扱っていたし。*2
この、「全世界が依存、接続するコンピュータが、人間が作り出したが人間には手に負えないプログラムによって乗っ取られ、暴走していく」テーマと言えば、「攻殻機動隊」なんかもこれに入ってくるんじゃないかなと思うんだけど、もっと遡るとJ.P.ホーガンの「未来の二つの顔」なんかもそうじゃね? という気がした。ホーガンのほうではプログラム*3に乗っ取られるのは仮想空間ではなく*4軌道上の閉鎖空間――スペースコロニーであったりするわけだが、プログラムに一定の意志(目標)だけを与えて、それがどのように自己成長するかを実験してみたら暴走しました――というテーマそのものの古典と言っていい気がする。*5
が、それに接続するのが「超ハッカーw」ではない*6リアルに実生活がある人々、アナログの極みにいる90歳の曾お婆ちゃんの黒電話で掛ける一声、だったり。
一族銘銘が接続に使う端末の多様さも、実は結構感慨深かった。
携帯、携帯ゲーム機、PC、iPhoneなどなど、考えてみればいろいろな端末がネットに繋がってるんだよな、ということを再確認したような気もする。そもそもパソコン通信時代の中央集権的wというかぶら下がり式構造の原初のネットワークは、異なる機器端末同士がそれぞれの接続しても、相互にテキストを変換してやりとりできる……という、ただそれだけでも画期的だった。パソ通時代なんか、世代が違うPCやメーカー違いでもネットできるだけでびっくりだったし。その意味では、「一族が持つ、世界の人々が持つ多様な端末が、同じOZに接続されて、同じサービスが受けられる」というのを示す小道具としてそうした多様な端末が登場したのは、今では当たり前なんだろうけど当たり前じゃなかった時代を想起させたなあ、という意味ではロートルネットワーカーにとっては妙な懐かしさを掻き立てられた。*7


ともあれ、大変楽しい映画だった。
BDが出たら是非買おうと思う。

*1:15年くらい前にやっていた「東京人工群島」にも似たシチュエーションのネタがあったように記憶するしw

*2:ストーリーや主人公の背景はまったく違うけど、「全世界が接続する仮想空間が暴走したAIに乗っ取られる」という骨子は同じ。

*3:超コンピュータ

*4:当初は原始的な仮想空間というか、人間と超コンピュータ(プログラム)による環境の主導権の奪い合い。

*5:2001年宇宙の旅」におけるHALの暴走も古典といえば古典。そもそもSFは「人の作りしものは人に反抗/反乱する」というテーマ多すぎ。「ターミネーター」しかり「メトロポリス」しかり「ヱヴァンゲリヲン」然り(それ違)

*6:主人公=ケンジは、まあそういう役どころではあったけど

*7:ワークステーションイカ釣り漁船、ミリ波通信装置搭載高機動車まで登場したのは笑ったw 氷柱でワークステーションがそこまで冷えるのかどうかはさておきw