リーマン・ショック、そして第二幕

昨年の今日*1、米証券会社リーマン・ブラザーズが破綻。それから世界の金融システムはドミノのように崩壊を続け、百年に一度の大恐慌と言われる昨今の不況が始まった。

アメリカ発の不況」
「他国のことは対岸の火事
「よくわからないけど不景気なのは麻生政権/小泉改革のせい」*2
「よくわからないけど不景気なのは郵政民営化のせい(亀井静香郵政再国営化担当相はそういう認識)」*3
「仕事がなくなり目の前(ミクロ)のことで精いっぱい、世界金融(マクロ)のことなどどうでもいい」

株も投資もやらない*4大多数の人々にとって、この不景気は「麻生のせいだから民主党に政権交替すれば好転する」という程度のもの、という認識がなされてるような気がする。というか、そういう刷り込みがされてきた。
でも、なんかそれ違う。


記憶にある限りのデータを並べ直してみた。

サブプライムローン

昨今の不況はサブプライムローンバブルの崩壊が根底にある。
改めておさらいすると、サブプライムというのはアメリカの住宅市場における住宅ローン絡みの話。
通常、住宅ローンというのは大金&長期の返済予定が組まれる。故に、金を貸す銀行も「きちんとした長期返済能力*5のある人間」かどうかの身辺調査をしてから裁可を行う。*6
当時、ITバブルの余波で銀行にお金が余っていたアメリカでは、余剰金の運用先がいろいろあったが、その中で「サブプライムローン」が注目された。
これは、「一度破産してる」とか「借金を焦げ付かせて振り出しに戻った」など、金融的にはブラックリストに入っていて、本来は融資対象にはならないような層(サブプライム)に対して、住宅ローンを貸し出す、というもの。
当然、サブプライム層は喜んで大金を借りるけれども、すぐに返済に行き詰まる。
もちろん、サブプライム層が返済に行き詰まるのは予見できているので*7、買った住宅を担保として引き取る。そうするとサブプライム層は破産するが、借金からは解放される。*8
担保として引き取られた借金/住宅は証券化されて、リスクヘッジ企業が買い取り、これらが売買される。
そしてまたサブプライム向けの住宅市場に再編入される。
ぶっちゃけ、これだと何が起きていたのかわかりにくいので、要約。

  • 銀行は余っている自社資金を、借金踏み倒し歴のある貧乏人*9に無理矢理貸す。
  • 貧乏人はもちろん返せないので、住宅は返却。しかし破産するので借金もチャラ。
  • 貧乏人の借金は証券に形を変え、金に余裕のある銀行がそれらを売買する。

つまり、「これから先の未来の返済能力」「まだ稼いでない、これから稼ぐ予定の金」をアテにして、金を貸し続ける、借り続ける、というようなことをしていた。
証券会社リーマン・ブラザーズは、このサブプライムローン市場で荒稼ぎをしていたわけだが、「100年の老舗リーマンが保障してくれてるなら、慌てて現金化しなくても大丈夫」という信用があったので、金融証券――つまり、「将来的に価値がさらに上がる可能性がある約束手形であって、価値が確定した現金じゃないもの」を、現金に換えよう、という投資家/投資機関は少なかった。*10


ただ、2006〜2007年くらいには「儲かるけどぼちぼちやばいんじゃね?」という話が囁かれ始めていて、2007年末から2008年初頭にはその影響が現れ始めていた。


原油価格暴騰

その後のショックのほうがダメージ大きすぎて忘れている人も多いかと思うけど、2007年末くらいから原油価格が上がり始め、2008年に入って暴騰していった。
それ以前は、WTIで言うと1バレルあたり35〜50ドル前後だったのが、2008年の初夏〜夏頃には1バレルあたり180ドル近く、と3倍にまで膨らんだ。
これは日本だけでなく世界中に波及が及んだ。
原油は、「自動車の燃料」としてしか認知されにくいが、航空燃料にも、船舶燃料にも、工場を稼働させる発電機にも、火力発電所にも、そして燃やす系以外ではインクやプラスティック・ビニールなどの樹脂材料にも……つまり、あらゆる「そこらへんに普通にあるもの」の材料にも使われている。
なぜ石油がそういったものに使われてきたのかと言えば、それは「安かったから」でもある。
その石油が3倍の値段になると、加工費・材料費の全てに上乗せされることになる。人件費が同じままだとしても、原材料費が高騰していくため、そうした材料を組み合わせて製品を完成させる、複合加工産業……ようするに工業社会が大ダメージを受ける。つまり物価が高くなる。
日本では、「値上げ」または「値段据え置きで量を減らす」「値段据え置きで質を落とす」「その他の営業努力*11で対応」などが試され、元々の単価が安い製品に頼った生活をしてきた層が特に影響を受けた。


経営を特に圧迫するのは人件費*12だが、正社員の給与は固定費なので不当理由で解雇はできない。
このため、「早期退職勧告」か「新規雇用の抑止」か「派遣雇用の調整」で人件費を圧縮することになる。

このうち、早期退職勧告は高額給与を取っている高年齢の社員を切り捨てることで人件費を圧縮する方法だが、「退職金」というコストが掛かり、またノウハウ蓄積のあるベテランを捨てることにもなり、職種によっては技術流出*13が起こるといったリスクを伴う。結果的に、長年育てた身内を切り捨てたことで、切った身内を拾ったライバルに、自社の市場を根刮ぎ奪われてしまう、という二次災害に繋がる恐れがある。

新規雇用の抑止は、要するに新入社員を採らない=人件費の増加を防ぐため、社員を増やさないということ。これは就職氷河期を呼んだ。また、社内の高所得社員を残すことになるわけだから、「人件費のさらなる増加」は防げても、「人件費の削減」は定年などの自然減に頼らざるを得ない。定年になったらやはり退職金というコストは払わなければならないわけだから、人件費の高負荷は背負い続けることになる。

派遣雇用の調整は、要するに正社員を守るために正社員ではないパート、アルバイト、契約社員派遣社員など、正社員よりは切りやすい雇用関係にある*14派遣労働者が、人件費調整のターゲットになった。
昨今特に騒がれているのはここで、正社員と同じ仕事をしても、入社の為の高いハードルはないぶん、身分保障も少ない。身分保障を高くするなら採用ハードルも上げなければ、正規の手続きで採用された正社員に不公平だ……という辺りで、社員労組にも守って貰えない。


脱線したので話を元に戻すと、こうした原油価格暴騰はサブプライムローンバブルが弾ける前兆として起きた。


なぜ原油は高騰し、なぜサブプライムは弾け飛んだか

原油価格が高騰したのは、投機筋がサブプライムローン市場から逃散し始めていたため。無限に続く青天井を前提として急膨張するのがバブル経済の特徴だったが、自分が勝っているときや自分が遅れてバスに乗り込んだときは、まさか自分の目の前で負けが始まるとか、バスが事故るとは思いもしないものだ。人間は「常に自分だけは助かる」という都合のいい未来を期待するもので。
サブプライムから逃げたというより、「サブプライムでは稼ぎきれなくなった余剰資金を、さらに原油先物=未来の儲けに突っ込んだ、という見方も出来るのかもしれない。そのターゲットが原油先物投資で、サブプライムで膨らみすぎた資金を「安定した市場」「現金化しやすい投資対象」に投入しはじめた。
経済の基本として、売っているものの数が同じなのに、買いたがる人数が増えれば、希少価値が出るので物価は上がる。
これは限定レアアイテムがオークションに掛かっている場合も、原油先物も基本は同じ。
結果、産出量以上に買い注文が出て原油価格が上がる。
こういうとき、OPECなどは産油量を増やすなどして原油価格が上がりすぎないようにするものなのだが、産油量を増やした結果、価格が激減すると利鞘が小さくなる。故に、彼等は原油価格高騰を座視した。*15


リーマン・ショック

証券化されたサブプライムローン証券を引き受けていたのは、アメリカ政府に繋がる公的組織だった。どんなに焦げ付いても政府が最終的な保証人として引き受けてくれるのだから、心配なく焦げ付き証券を押しつけることができ、またそれを仲介していたのが老舗のリーマン・ブラザーズだったから、まさか「証券が紙キレになることはないだろう」と誰もが思っていた。そして、リーマンほど大きな会社は潰ないだろう、とも。
が、実際のリーマンは「売却先」を探す身分だった。
米政府による資本注入も候補にあったらしい。
これが行われなかったが故にリーマン・ショックが起こるのだが、米政府がリーマンを支援候補から外していた理由として、リーマンの身請け先が内定したからだ、というような話を当時聞いた。
韓国の銀行がリーマンを買収するという方向で資本提供する話が進んでいて、その信用力で韓国政府から出資を受けて、とかそういう話。
が、韓国政府の出資を得られたところで、韓国の銀行によるリーマン買収の話は立ち消えになった。
米政府は「韓国の金で賄うって聞いてた」から、リーマン支援は想定しておらず、韓国による買収話が消えたことで米政府からの支援も受けられないことが確定していたリーマンは、完全に信用*16を喪失した。
これによって、リーマンをアテにしていた企業、金融企業、投資家達、つまりサブプライムローンにbetし続けていた人々は真っ青になった。


今すぐ証券を売って金に換えなければ、証券は紙屑になる。
ウォール・ストリートは、「売り一色」に変わった。

原油バブルの崩壊

直後、上がり続けていた原油価格が一転して爆下げに転じる。
これはリーマン・ショック後だった。
主に「サブプライムが本格的にやばいぞ、うちの会社も支払超過(取り付け騒ぎ)で潰れるかも、内部留保(現金)がないとやばいぞ」ということになって、現金が必要になった投資家、機関投資家が、現金を得るために手持ちの先物原油を一斉に売り浴びせたため。
ゴールドマンサックスとかが「年末までに1バレル200ドルを超えるかも!」とかもやってたけど、さすがにそこまでは行かずに終息していった。買い手のタネ銭が底を突き、むしろ買い手のほとんどが手仕舞いのために売りに走り、将来需要が消滅したからだ。
これも当たり前の話で、「売り手が多く買い手が少なく、商品在庫が余っている」となると、在庫を現金化する必要に駆られた人がどんなに頑張っても、「たいして欲しくない人にまで買って貰うように頼まないとならない」ので、どんどん値が下がる。
1バレル=25ドル以下まで落ちた。
原油を売っても買っても、現金は出てこなかった。
ブルジュ・ドバイは途中放棄され、超々高層ビル建築ラッシュは、中東では停止した。*17


リーマン・ショックと日本の銀行

世界の大部分の銀行、金融企業が、この「右肩上がりで上がり続け、未来の稼ぎを貰って来続けるサブプライムバブル」に総突っ込みしていた。アメリカの貧乏人の将来の稼ぎが、いつの間にか世界全体の「将来の稼ぎ」を今に持ってくる流れになっていたのがリーマン・ショックによって崩壊したわけだ。
このとき、日本の銀行はあまりダメージを受けなかった、と言われる。まったくゼロということはないのだろうが、なぜか?
日本におけるバブル崩壊(1990年代初頭)の後、長く「失われた十何年」を続けてきた日本は、2000年代初頭から2008年頃に掛けて、つまり小泉政権と前後する時期に、銀行の不良債権処理が進められていた。
公的資金注入はいろいろ批判もあったけど、2007年前後くらいまでに、実はそれらの公的資金はすべて国に返済されており、銀行は健全化されている。
つまり、日本の銀行は、世界のサブプライムローンバブルが進行中は体力回復に努めるのが精いっぱいだった。このため、サブプライムバブルという賭場に、勝負を掛けられるだけのタネ銭がなかった
このことは、結果的にプラスに出る。
小泉政権における竹中金融相は民主党やマスコミからは悪く言われることが多いけど、そのへんの不良債権処理を最優先して終わらせたことによって、2008年の時点で日本の金融はほぼ健全化を果たし、借金もなく、さらに言えばサブプライムローンにもほぼ手を出していなかったが故に、もっとも傷が浅く済んだ。

ただこれは、同時に日本に次の影響を与えた。
全世界で健全な市場は日本しかなく*18、ぎりぎりかき集めた資本の投資先を失っていた投資家は、今度は健全性の高い日本円を買い始めた。


円高の進行である。


円高が呼んだ日本の不景気

世界の不景気はリーマン・ショックによる金融破綻なのだが、日本の不景気は円が高く評価された、つまり円が買われまくったことによって起きた。
円を買いたがる人が増えると、円の価値が上がる。これは前述の通り経済の基本で、逆に円を売りたがる人が多くなれば円の価値は下がる。
円高というのは「ドルに対して高いか安いか」を指していて、「1円を買うのに、何ドル必要か?」「1ドル買うのに、何円必要か?」という感じで把握する指針。
リーマン・ショック以前は1ドル118〜120円前後で推移していたのが、急騰を続け、この1年間で93〜95円くらいまで上がった。
自民党が負けて民主党が勝った先の総選挙後にさらに上がり始め、現在91〜90円。もうじき80円台に突入するかもしれない。


円が高いのは良いことかというと、良い場合と悪い場合がある。
円が高いと、同じ出費でより高いものを買えるようになる。例えば、1ドル=120円の場合は、1ドルの商品を買うのに120円かかっていたのが、1ドル=90円になったら、90円で1ドルの商品が買えることになる。円が高くなればなるほど、ドルのものは安く買えることになるわけだ。
だから、円高は輸入、買い物(海外からの)がお得。日本は材料を加工して輸出する貿易工業社会なので、円高は「海外産の材料を買うにはいい条件」になる。また、輸入品を国内で売る貿易商社にとっても「安く買える」ので、円高は良いということになる。
ただし、この場合いずれも「買うのにはよい」「安く買える」なのであって、国内の資本は海外に出て行く。モノを買えば金を失うのは当たり前。
ただし、ものは売れにくくなる。日本円のものは「高い」買い物になるわけで、海外の消費者は買い渋る。1000ドル=9万円の日本製テレビよりは、同じ1000ドルで15万円相当の日本以外の製品*19を買ったほうがお得ということになり、売れ行きが鈍って国際競争力は落ちる。


円が安いというのは、その全て逆のことが起こる。
海外から買うのは高くて損だが、国内のものが安くなるので「売れ行き」は良くなる。国際競争力は上がるが、売れてもたかが知れているので利鞘は薄く、なおかつ材料費が高くなるのでますます利益は薄くなる。*20


民主党の次期財務相の藤井裕之議員は「円高ぐらいがちょうどいい」「内需主導型経済に」と連呼しているのだが、つまりこれは「海外からものを買い続けるのに都合がよい」ということで、日本がアメリカに変わる【消費購買力で日本が世界のものを買い集めろ】という、次の世界の胴元*21になれ、ということ、と解釈している。


底、そして第二幕

麻生政権及び各国首脳は、このリーマン・ショック後の恐慌を回避するために、「大手企業を破産(破綻)、再生」したり、「公的資金注入*22」したり、「資本移転による景気浮揚策*23」をしたり、という対応を採ってきた。
1920年代の大恐慌では、そうした対策方法が知られてなかった。日本の土地バブル後も長く苦しんだが、公的資金注入と景気浮揚策は有効であったということで、この方法は今回世界各国で採用され、初期の崩壊は1年目にして「踏みとどまった」感がある。
が、今後は構造的に「未来から稼ぎを先取り」というバクチには当面は戻りにくいだろうので、以前のような「世界的好景気」には簡単には戻らない。
好景気というのは、「どこかに負けている人、搾取された人」がいることで、そこから得た金で潤うことであるわけで、全員が負けている、搾取されることを嫌がる(非とする)状態が常態化するなら、「誰も得をしない社会」で低空飛行することになる。


よく言われる「格差のない平等な社会」というのは、「誰もが損を我慢する社会」であるわけで、「誰もが等しく左団扇でウハウハになる社会」ではない。
また、誰もが等しく損をする社会では、とにかくものが売れない。
右も左も購買力がないのだから、お金が流れていかない。購買力=可処分所得であって、「余計なことwに使うお小遣い」と考えてもいい。そうすると、節約、切り詰めで「未来の生活費=現在の可処分所得の保留」ということになってくる。
これは、「未来の稼ぎを前借り」してきていたサブプライムバブルの逆の構造と言える。「今の稼ぎを今使わずに未来に先送り」することで、今目の前を流れる金の量が減る。使える金が少なくなるから、買えるものも少なく、安くなる。安い製品を提供できるところには資金が集まる。安い製品=寿命が短く更新サイクルが早いので、値が張って商品サイクルが長い製品を買うより、結果的に高く付く。*24



日本は自民政権から民主政権にバトンタッチされることになったわけだが、これから自民が補正予算などで予定していた「カンフル的景気浮揚策」は打ち切られ、民主による財政的裏付けのない「恒久的支出」が続く。
国の借金は増える。


民主政権は増税を唱えないことで消費を刺激しようとしてきたが、それは結果的に国有資産の切り崩しの奨励でしかないような気もする。
内需主導をしようにも、世界全体に金がなく人が余ってる状態であるわけで、それは究極的には「おまえら貯金を切りくずしてモノ買えよ」と言ってるのに等しい。
ものを買うなら働いて金稼がないと。
国内ではなく、国外から金稼いで国内に持ってこないと。
つまりは、「成長戦略」を描かないと、自分の足を食って満腹になるタコと同様の、自食行為を続けるだけということになる。


どんなに巨大なタコであっても、自分の足だけで満腹にはなれないし、そんなことは長くは続けられない。
内需主導型経済っていうのは、巨大なタコが自分の足だけで一生暮らせると誤認するようなもので、自国経済規模に対する驕りだとも思う。




僕のような、消費のおこぼれ、可処分所得で養われる身分としては、いろいろ心配が尽きないのだった。

*1:正確には昨日だけど、アメリカでは今日

*2:麻生政権は就任直後にリーマン・ショックが起きて、その手当てだけで1年使い切った。原因になるようなことは何もしてないw 安倍、福田政権では、これまたリーマン・ショックの発火点になるようなことはしていない上に、参院で反対攻勢を掛けていた野党がおりまして……

*3:このエントリで後述するけど、今の不況が小泉改革のせいとか、郵政民営化のせい、だから仕事がなくなったとか言ってる人は、仕事がなくなって空きまくった余暇で図書館にでも行ってマクロ経済の本でも読めばいいと思う。マジで。

*4:種銭がないので僕もやってませんw

*5:継続的な仕事があって報酬を得ている

*6:日本でもそうです。銀行で住宅ローンを組む場合、会社員なら2年分、自営業なら3年分の所得証明や納税証明が必要で、これが右肩上がりに増えてないと許可が出ず、年間所得の25%(家賃は月収の1/4まで)までが返済可能金額の上限でそれを越える金額は借りられず。

*7:もともとそういったリスクが大きい層だし

*8:ので、また返せない金額の金を借りる

*9:サブプライム

*10:世界各国の銀行やファンドは、「これから稼ぐ将来の金」をかき集める為に、そうしたサブプライム証券を買い漁っていた。

*11:無駄の削減とか

*12:社員の給料

*13:ライバル企業だけでなく、日本国外などへも

*14:終身契約ではなく期間契約であるため、更新しなければそれで終わりになる。

*15:とまで言ってしまったら守銭奴的謀略論になってしまうのだが、実際には増産を決定するよりも遙かに早く原油価格が上がりすぎた、ということに対する危機感があったのではないかとも思う。本の増刷もそうだけどw、「需要に応えるために増産を決めた、その直後にバブルが崩壊して需要が消滅したら、膨大な在庫を抱えることになり、なおかつ在庫は買い手が付かないので高騰前の価格よりさらに下落して、二束三文になる。という危険性がある。「狼と香辛料II」でもアマーティの回でやってましたね。

*16:証券の現金化保証力

*17:それが中東の不景気に繋がる。

*18:これは言いすぎだけど、為替の信用力がサブプライムバブル崩壊の影響を受けにくかったのは確か。

*19:中国や韓国など

*20:リーマン・ショック後の韓国がこの状態。

*21:または、未来を搾取される対象

*22:日本がバブルからの脱出で有効だった方法。大元を踏ん張らせれば、そこに繋がる中小は潰れない。

*23:日本で言えば給付金などがそれに当たる。政府が税金(または国債発行)などの形で持っている資本=金を、国民に移転することで、国民の購買能力を上げ、消費を励行しよう、というもの。ダムで言えば、下流渇水しているので、ダムの水門を開いて放水することで、下流の水量を増やそう、という感じ。

*24:もったいないの精神、リサイクルの精神の真髄ってそういうことだと思う。安いモノを買うのが「もったいない」ではなく、良いものを長く使って長期間かけて減価償却するのが「もったいない」。