「超」怖い話Π(パイ)

……orz
何か忘れてるんだけど、なんだったっけなあ。
と、1月中旬くらいからずっと忘れていた。すみません。
「超」怖い話最新刊、「超」怖い話Π(パイ)、1月末に発売中ですorz


「超」怖い話Πパイ
加藤一 編著
久田樹生/渡部正和 共著

「超」怖い話のあれこれした実作業が終わったのが1/12頃、完パケしたのが1/15。やれやれと一人打ち上げをして、それから翌1/16の早朝に麟太郎が逝って――。
それから後はご存じの通りで、1月の後半くらいまでなかば廃人状態で過ごし、1月後半からは怪痾の実作業に打ち込み……。
そんなわけで、何か忘れている、何か忘れているとは思っていたんだけど、モノスゴイの忘れていました。


「超」怖い話Π(パイ)は通巻26巻目の「超」怖い話にして、またしても若干のメンバーチェンジがありまして。
まず、昨夏より夏の「超」怖い話の編著者を務める松村進吉君が晴れて夏に専念ということで、冬の「超」怖い話からは卒業。彼にはむしろ怪談シーズンど真ん中、夏本番の「超」怖い話を頑張ってもらわねばならない。重責です。
近年の「超」怖い話著者チームの中では取材量で他を圧倒する久田樹生君は今後も「超」怖い話の生け贄として頑張って下さい、ということで冬に残留。
そして――。
「超」怖い話を維持していくには3人はキープしたい、という僕の希望もあって、3人目として渡部正和君を「超」怖い話新共著者に迎え入れた。
実話怪談というのは著者を摩滅させる。それは多分、例外はない。
ネタが尽きたり、ということよりも、「何を見ても怖いと思えなくなる」という精神的摩滅のほうが大きいかも。結構凄いネタを掘り当てているのに、「……いや、それじゃダメで大したことないような気がするんです……」なんて言い出したりする。心が病むとは言わないまでも、やはり疲れてしまったりはする。
そして責任感の強い人だと、それがプレッシャーになってますます追い込んでしまったりもする。
これは職業病に近いもので、避けられない。
少人数で書く、一人で書くとなれば、よほど精神が強靱か、よほど余裕のある進行でない限り潰れる。
というわけで、三人くらいでやるのが一番ちょうどいい。自分がもしダメでも他に二人いる、という心のゆとりが持てるし、自分一人が他の二人に置き去られてはダメだ、という自己励起にもちょうどいい。これが4人だと埋没して無責任になっちゃうのが不思議w 二人よりは三人がちょうどよい。
6月と8月に出る恐怖箱トリニティは、そういう論理で三人を組み合わせるようになっているのだけど、これは「超」怖い話冬班でも同様。
三人でやる、というのは著者を過度のプレッシャーで壊さないためのセーフティなのである。ということで。*1

僕に課せられた使命は、「「超」怖い話を今後も末永く継続させること」であると思っている。
著者が「超」怖い話を続けられなくなってしまうとか、満足してしまうとか、他のことをしたくなるとか、そういうことは致し方ない。避けられない。著者は発展していくものであって、著者自身が「超」怖い話に収まりきれなくなったのなら、どんどん新しいことをやっていくべきで、それこそが読者への還元ではないかなあ、と思う。
しかし一方で、「これからも「超」怖い話を」と望む読者がいる限りは、「超」怖い話は維持されなければならない。
「超」怖い話は美しい完結を許されず、二度の休止からも引き戻された。
ならばこれからも、不死のシリーズであり続けなければならない。血肉を入れ替え続けていかなければならない。「超」怖い話の子らを多く募り、いついかなるときでも万一に備えなければならない。


というわけで、通巻26巻目のΠはまた少し新しい血が入りました。
冬の「超」怖い話は、勁文社時代の伝統を守って「誰がどれを書いたのか」は明かしませんが、渡部正和君、なかなかすげーの見つけてきています。
この共著者は今後も期待していいと思います。
そんなわけで今後とも「超」怖い話をよろしくお願いします。


次は夏だ!
いや、その前に3月の「極」怖い話が!(^^;)

*1:じゃあ、一人で書いてる怪歴・怪逅・怪医・怪癒・怪痾や極はどうなの、という話にもなるのだが、世の中には適性というのはある。漫画家になったら誰でも1000万部昨夏になれる、というわけではないのと同じで、適性とか精神的耐性とか、個々の性質による向き不向きというのはあるのだと思う。そのへん、超-1や恐怖箱で見極めていきたいな、と。ちなみに、「書き手として有能なのに作家という職業には致命的に向かない人」というのも稀にいて、こればかりはいかんともしがたい。端で見ていて歯がゆいばかり。