節分甚句

咄嗟に書くものが出てこなくて携帯に書いたメモ。
節分にネタにしようと思って忘れてたものが出てきた。聞いたのは確かずいぶん前のはず。

鬼は外、福は内
天に花咲け
地に実が生れ
鬼の目玉を潰してしまえ

秋田県平鹿郡平鹿町浅舞あたりでは、節分の甚句はこういうらしい。
「天に花咲け」でググってみたら創作民話集のタイトルの他に、「鬼のめんたまぶっつぶせ」という括りになっているものもあった。
秋田に限らないが東北地方というのは山ひとつ、尾根ひとつ越えるだけで方言がまったく違ってしまうため、隣村から嫁に来ただけで言葉が分からず難儀する、というようなこともあるそうな。
恐らく方言の差違でもう少し揺らいだりはしているかもしれない。

静岡、特に宿場町だったり港町だったりした沼津は、恐らく旅人や流れ漁師の持ち寄る言葉、情報などがいろいろ交錯する土地だったのだろう、地付きの方言はもちろんあったけど、由来・出生は地元ではない言葉や伝説が多くあったような記憶がある。それウチの地元の言葉なかったのか、と後で驚くような。
他に川繋がりもあったし。

節分の甚句についていえば、静岡は割と平均化していたのか、すでに他の土地のものと入り交じり、独特の風習という認識が消えていたのかは分からないけれど、特段特別なものはなかったような気がする。
修善寺から踏みいって伊豆のほうにいけばまた話は違ったかもしれないけど、天領でなくなって百数十年、戦後ますます観光地として拓けてしまった今の伊豆では、以前のような「土着の秘密の風習」みたいなものは今後ますます減っていくんだろうかな、と思う。

文化風習の共有、平均化が進むと、独自性も薄れていくわけで、それはそれでつまらんとか思ってしまうのは、贅沢というか無い物ねだりなのかも。