M-06

といっても、ザクとは違うのだよザクとは。*1
もちろん、グフだと言いたいわけでもない。
ちなみに、ザクはMS-06。
先月衝動的にAmazonで予約しちゃって、そのまますっかり忘れてたのが今日届いたのは、「M-06」。
DS用ソフトで、DSを楽器(ギター)にする、というもの。
携帯ゲーム機を楽器として使うというのは目新しいことでもなく、DSは発売直後に「大合奏!バンドブラザーズ」という音ゲーを出しているし、PSPでもリラクゼーション系ゲームのミニゲームのひとつとしてPSPウクレレにするというものを実現している。
M-06はそういうゲーム的要素はほとんどなく、ほんとにDSでコードをじゃららーんと弾くことができる、というただそれだけのソフト。「DSを楽器にする」または「歌うためのツール」というコピーに嘘偽りはない。
20曲の譜面(といっても、歌詞とギターコードが出てくるだけ)が付いているが、成功率で何かが変わるというものでもなければ、クリアしないとどうこう、というものでもないらしい(今のところ)。紙の譜面18曲分も付いてくるようだが、ギターコードブックなんては街のCD屋さんに行けば分厚いのを売ってるわけで、それ買ってくれば事足りる。(どうせ最近の曲を捜したって、付け焼き刃じゃ弾けないほどコードが難しい(´・ω・`))


音楽は、たぶん中学生〜高校生の頃、いちばんたくさん「自分で」演ったと思う。
子供の頃倣ってたので、電子オルガンは弾ける。その流れでキーボード、シンセサイザーを嗜む。その頃いろいろやったので、アコースティックギターは一通りは弾ける。でもあれは、毎日弾いてないと指の皮がヤワヤワになっちゃって、すぐに弾けなくなっちゃうものだったりする。
今は、夜中にこっそりSinSonido*2をつま弾いて、納得してそっとしまい込んだりする程度。


音楽はないと死んじゃう。
が、思い通りに思う存分楽器と戯れる時間は、思ったほど取れない。しかも、弾かないとどんどんヘタになるんですよこれが。
なので、もう怖くて人前では絶対に弾かない(笑)
M-06は、そんなシャイな音好きの人が、人前で弾かないことを前提に(笑)夜中にこっそりストロークするための「プチ楽器」なのだと思う。
もちろん、操作感は現実のギターとすら全然違う。似てるのは、エアギターよろしく右手を忙しくストロークさせるところだけだ。
左手、本来コードを押さえるべき運指はどうなっているのかというと、十字ボタン八方向(中央・ボタンを押さないときは、ギターのボディを叩く音(笑))で、8種のコードを押さえる。さらに、Lボタンを押すともう8種のコードが出る。
右のABXYは使わなくたって何ら問題はないのだが、このABXYで変調転調させてコードは延べ120種再現できる。まあ、よくある10個前後のコードだったら、ノーマルな状態で弾ける。
細かい設定はいろいろあるが、そういうものは気が向いたら程度でいいと思う。


音量はDSのスピーカー&ボリュームコントロールに左右される。音量は「ストロークを早くすると大きな音になる」のと、「弾く場所(ストロークの幅?)で大きな音になる」のがある様子だが、実際のところ、DS本体のボリュームを最大にしても、大して大きな音は出ない。これはイヤホンを繋いで一人で楽しむものかもしれない(笑) その意味で、音質だって期待なんかしちゃあいけない。アコースティックギターの和音が掌の中から「じゃらーん」と聞こえてくるだけで、結構満足するし。
試しにPCスピーカーをDSのイヤホンジャックに繋いでみたら、けっこう大きな音になった。


これ、日常的にちゃんとギターを弾いてる人(バンドをやってる人とか)の感想を聞いてみたい気もする。
もちろん、ちゃんとしたギターの運指に馴染んでる人から見れば、M-06は「チャチい大正琴」程度のものでしかないと思うのだが、ハモニカやピアニカやオモチャのピアノを曲に取り込んでアクセントにしてるバンドもあれば、イマドキ(笑)ショルキーを背負ってステージの中央にせり出してくるキーボードの人もいたりするので、M-06をアクセントに使うインディーズバンドがひとつくらいは出てくるかもしれない(笑)


DSのゲーム・エデュケーションソフト以外のツール、例えばDSブラウザープレイやんなんかもそうなんだけど、「ちゃんと使おう」と思ったら、絶対に専用ソフトや本物のほうがいいに決まっている。DSブラウザーなんか、はっきり言って携帯で見るかPCのブラウザで見た方が遥かに快適だ。が、DSというちっちゃい機械で「真似事みたいなこと」ができる、というところが面白いのだと思う。
言ってしまえば、ままごと的ツールというか。もしくは、ドールハウスのドアノブがきちんと回って嬉しい、的な。
極めてる人からみれば絶対に物足りないだろうけど、これは「オマケ」「冗談」「お遊び」「間に合わせ」そして、「何かのきっかけ」になればおもしろいかもしれない。
僕はDSのこういったドールハウス的ガジェットみたいな胡散臭いというか、「極めないけど、いろいろなことがちょっとできるオモチャ」という側面について、結構可愛いと思っている。
まさに「子供にだけ遊ばせておくにはもったいない、大人の為のオモチャ」なんじゃないかなあ。


PS.
M-06に収録されている譜面のうち、20曲はソフト内にも収録されていて、練習曲としてコードを追えるようになっている。
これの他に、ブックレットのほうにのみ入ってる曲が18曲あるわけなのだが、この「ソフトに収録されていない曲」のラインナップから、このソフトのターゲットがわかる気がする。
以下、★が付いているのがソフト収録曲、無印がブックレットに譜面のみの曲。

粉雪★
ハイウェイ★
冷たい頬★
夜空ノムコウ
全部だきしめて
今宵の月のように★
愛のために★
どんなときも。★
少年時代★
M★
トランジスタ・ラジオ★
乾杯
さよなら★
スローバラード
卒業写真★
あの日に帰りたい
「いちご白書」をもう一度★
無縁坂★
サボテンの花
精霊流し
22歳の別れ
心の旅★
君の誕生日
僕の胸でおやすみ
神田川
一本道
春夏秋冬★
人生が二度あれば★
ガムをかんで
学生街の喫茶店
あの素晴らしい愛をもう一度
白雪姫の毒リンゴ
さらば青春
白い色は恋人の色★

ジングルベル
HAPPY BIRTHDAY TO YOU
憧れのハワイ航路

ちょっwwwwwwwwwおまっwwwwwwwwww!
という感じのラインナップだ。
僕は1967年生まれで今年39歳になったというあたりの年頃、年齢的には70年代フォークブームの後、小学生の頃にYMOを経験して奥のほうにテクノが染みこんでおり、80年代ニューミュージック世代で、ポプコンあたりに抵触(笑)、同級生の影響でヒカシューに染まり、インディーズはナゴムだったりラフィンノーズだったり、電気グルーヴではなくて人生だったりした。
★が付いている曲は、一部を除けば割と新しめの曲が多い。そういう世代も押さえつつ古い曲を入れていこう、という。あざとい。

*1:たぶん、今日は全国で30万人くらいがこのギャグを言ってると思う。たぶん。

*2:NASAの宇宙飛行士が宇宙に持っていったという逸話付きの、分解可能なサイレントギター。ピックアップを使わない場合、どんなにかき鳴らしてもまったく音が響かないので、真夜中の気分転換にもオススメ。もちろん、自分が大声で歌ってたりするとサイレントギター意味なし。