安倍政権を振り返る

小泉政権の後を継いで、支持率65%で政権樹立。
政局的に見ると、閣僚の舌禍・辞任が相次ぎ、松岡農相の自殺など閣僚交替が相次いだ。
政策的に見ると、主に外交で実績を上げている。
内政では年金問題など、社保庁の腐敗に関連した問題が発覚、これへの対応に奔走。担当相が交替を繰り返した農水関連では、農家の自立(高付加価値農作物の輸出・攻めの農政)と規制緩和(農業への企業参入)を推進*1
外交では主にエネルギー政策、安全保障政策に取り組み。テロ特措法延長を推進。


特に外交・安全保障を重視する僕としては、安倍政権は政策上の大きなミスはなかったと記憶している。
以下は、安倍政権任期中に成立した重要法案で特に記憶に残っているもの。


NHKの「安倍政権を振り返る」では、基本的に閣僚の舌禍と金の問題と交替と参院選敗戦ばかりが列挙されていたのだが、こうして俯瞰してみると、たった一年足らずの間ながら相当いろいろな重要法案を成立させているわけで、安倍内閣は仕事をまったくしていなかった、というわけでは決してない。
参院選で負けてしまったので、これ以上の重要法案成立(つまり、政府与党の手柄になるような法案は民主党が認めないから)は望めなかったが、それでも参院選前までにこれだけの仕事をこなしている。このことは正しく評価すべきだったように思う。
でも、政治は「うまくできて当たり前、失敗したら鬼の首を取ったように叩かれる」という世界でもあるわけで、参院選前にそうした実績評価はされなかった。そのことが、大敗に繋がっているんだとすると、お灸を据えた人たちはいったい何を理由にどうしたかったんだろう、とちょっと思ったりはする。
やっぱり卓袱台ひっくり返したかったってことなのか。
そして、後は衆院選民主党政権が成立すれば満足するんだろうか。

*1:これは農家からの反対があり、助成金による補助(バラマキ)を公約とした民主党に、農家の支持が流れた。

*2:年金問題の解消とリストラと合理化、公務員削減。

*3:民主党社保庁改革案は、現状の社保庁をそのまま歳入庁にするというもの。与党側からは看板が変わるだけで問題の解決になっていない、という批判があった。

*4:財務関係。

*5:尖閣諸島沖の東シナ海海底油田問題を始めとする、海洋資源、海洋権利のための総合基本法。海洋国家なのに、これまでそうした根拠法がなかった。

*6:これまで防衛庁長官閣議に参加できなかった。が、省に昇格したことによって防衛大臣閣議に参加できることとなり、安全保障問題を考える上で官邸と防衛省の連携が迅速化した。