路上のハイトニックとオンライン路上の初音ミク

一昨日の日曜、池袋で手に入れたハイトニックのアルバム3枚16曲。
実際、はずれが一曲もなくてびっくりしている。
ニコ動にはクリップがないので、youtubeのライブ告知クリップで音源をご紹介。
http://jp.youtube.com/watch?v=DyhZ-7HOfcE&feature=related
http://jp.youtube.com/watch?v=yzOC1zwm7vM
つか、公式HPに視聴音源があったorz
http://www.lan-tern.com/htcd.htm

インディーズっていうか、これはどんな分野どんなジャンルでもそうだと思うんだけど、だいたいどんなに好きなバンドでも歌手でも、アルバム1枚あったら必ず1曲くらいは「うーん、微妙」とか「うーん、これちょっと合わね」とか「ぼちぼち飽きた」とか出るものなんだけど、一気に聞いた16曲*1に、ひとつもはずれがない。
メッセージのゆるさというか、頑張らなくていいんだよ、と許してくれる感のようなものを、しっかりした歌唱力+演奏技術で、しかし最低限の楽器構成で聴かせてくれる。安心して聴ける、というか。


バクチwのような側面もあるボカロ曲漁りはもちろんやめるつもりは毛頭ない。現実問題としては、毎日路上に行けるわけでも、毎日路上でヒットに出くわすわけでもないからだ。
ボカロ曲漁りが日常の可処分時間をどんどん圧迫しているのは確かなんだけど(^^;)、その気になればニコニコ動画ピアプロには毎日出かけられるし、確実かどうかはともかくとしても、毎日一曲くらいは「お?」「お!」という出会いもある。
いわば、僕にとってニコ動やピアプロでの曲漁りというのは、同時に「人漁り(=作曲者、奏者、歌手を知る機会、という意味で)」であり、いい曲、いい作者/奏者/歌手に出会えたら、その作者、奏者、歌手の曲を追っていく。
やってることは実は路上やライブハウスとあんまり変わらないわけで、僕にとってのニコ動は、在宅で漁りまくれるデジタル路上wとか、オンライン路上とかであるのかもしれない。


僕らは、テレビやラジオやCDショップの店頭、街中の有線なんかで流れる音を聞いて、「才能のある人は人前に頭角を現すのが当たり前」とか「うまくて当たり前」「しかしここまで来たのだから人と違う何かを持っているに違いない」と、いろいろ考えたりするのではないかと思う。
ニコ動でも「そこまでうまいならもうプロになれよ」的なコメントをよく見かけるほどに、プロに引けを取らない凄い才能というのは、巷にゴロゴロしてるんだな、とつくづく思う。
僕などは一応は怪談のプロとしてそれで食べさせていただいているわけなのだけど、たぶん僕より凄い怪談を書く人は世の中にごろごろいそうだし、実際いると思う。「なんでプロにならないの」と思われたりもしているかもしれないし、中には虎視眈々とそう言われるチャンスを伺ってる人もいるのかもしれないけど、「別にこれで食っていく気ないもん」という人が作るものほど、それで食っていかなければならないプロにとって脅威になるものは他にないんじゃないかとすら思える。


才能っていうのは、何万分の一とか、何千万分の1とかの確率で備わってるもんではないのかもしれない。もっと分母は小さい。たぶん、百分の一とか、ひょっとすると五分の一とか、そのくらいの凄い密度確率で備わってるものなのかもしれない。
自分の才能に気付いていないだけで、もしくは「自分が望んだ才能と、自分に備わっている才能が合致していない」ということを受け入れられないだけで。


自分に備わった才能とやりたいことが合致している人は幸せであると思う。それで食えるとか食えないとか、褒められるとかられないとか、そんなこととは関係なく、好きなことを好きなようにできるということは喜びであると思う。
そういう幸せな人というのは、案外身近に案外どこにでも、ほんとに珍しいものでなくそこいらに転がってるんだな、と痛感する。






追記:4/27
……あれから一週間。なんだかんだで毎日聴いてる。
そして、どうやらハイトニックは今週も路上をやるらしい。
空模様は若干怪しいけれど、雨が降らなければ池袋西口あたり、お巡りさんに追い出されるようなら池袋東口サンシャイン通りの入り口あたりだろう。
僕は――今週はハイトニックを聞くためだけに路上に行ってみようと思う。ライブのチケット欲しいしね。
御用とお急ぎのない方は是非足を止めてみてほしい。
順調にいけば14:00スタート、恐らく今週も18:00くらいまでやるらしい。
雨天中止かどうか、開催場所は彼らのblogにて。
http://blog.livedoor.jp/hitonic/

*1:うち一曲はダブリ