蛇苺P65の解説

いや、話の内容じゃないですw


蛇苺に限らず、竹書房で僕が関わっている本の9割以上*1は、僕が編集・校正・組版までを担当していて、一応プリプライト版までをInDesignで作っています。初期にInDesign1.0から始まって、2.0.2、現在はCS3。
で、くだんのアレはどのように演出しているのかというと、まず普通に文字組して全体を完成させた後、本文の該当箇所の上に、同じ級数で画数の多い別の漢字を、文字色白(#FFFFFF)にして、レイヤーで重ねてジャミングしています。一文字だけだと、逆にその文字の形が透けてしまうので、二種類の文字を白で本来の文字組の上に重ねて載せてあるのです。
その結果、一番下になった本来の文字はところどころしか見えなくなるのですが、これでもまだかなりくっきり見えますので、さらにその該当文字部分のみ、文字色をK(黒)100%から20%くらいに落とします。
これで完成させ、実際に出力するとあんな感じになるわけです。
印刷技術の進化とかいう凄い話でもなんでもなく、かといって無理を言ってお願いしてああしたわけでもなく、既存技術の組み合わせで作っているなんていうことのないものなのです。*2


あの状態からでも、話の流れ上、レイヤーの一番下にある文字を識別(推察)するのは可能だろうと思いますが、あの文字の上に乗っかっている白で印刷(白なので実際には逆にインクは乗ってないわけですが)されている二文字を識別するのは、ほぼ不可能だろうと思いますが、これを読めた人がいたら逆の意味でスゲーなと思います。
そのジャミングのためのレイヤーに乗ってるのは比較的画数の多い漢字です。二つでひとつの意味を持った単語になったりはしませんし、あくまで下地の文字を霞ませるための模様として使っていますので、本編の体験談に基づく文字などではありませんが、それでも読めたらきっと厭な気分になる文字を使っておきました。


気になる人は僕と会ったときにでも直接聞いてくださいw

*1:ごく一部の例外としては、初期の「怖い」や、上原さんの「実話」怪談草紙とか

*2:同じ理由で、蛇苺の総扉にある箱の側面に貼りついた「恐怖箱」の画像も、InDesign CS3の機能のみを組み合わせて作っています