ゲッター民主
ところで、この週末の間に民主党の新代表が両院議員総会(議員のみに投票権)で、鳩山由紀夫議員に決まったとのこと。
ロケットエンピツのように、一度は代表から去っても、エンピツの尻のほうに芯として戻しておくと、いずれちゃんと順巡りで順番が戻ってくるというか。
もしくは、ゲッターロボのように「誰が上半身になるか」「だけどそれを構成するパーツは同じ」みたいな。
なんかもう、メンバー全固定みたいな。
ネクストキャビネットの顔ぶれは小沢代表時代と同じ。
西松事件の説明がされたわけでなし、小沢一郎当人がそれを理由に退陣したわけでなし。
代表交代直後の各社の世論調査を見ると、ご祝儀数字が出るべきところなのにも関わらず、「期待する」が「期待しない」を下回っている。
世論調査:結果に民主党は安堵 与党には衝撃 - 毎日jp(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090518k0000m010071000c.html
鳩山氏に「期待する」は「大いに」「ある程度」を合わせ47・5%にとどまり、「期待しない」の計50・6%を下回った。
●鳩山新代表の横顔
――元自民党議員で、伝統ある世襲議員で、民主党の共同創設者にして資金的にはオーナーとも言える資産家で、キャッチコピーは「宇宙人」、スローガンは「友愛」、田母神元空将とは核配備発言を巡る盟友でAPAホテルグループオーナー夫婦とワイン友達。夫人は「略奪婚」でGet。
発言は昔から場当たり的で、「反対のための反対」が多いのだが、どうもこれは祖父・鳩山一郎からの遺伝であるようだ。
祖父の鳩山一郎は、戦後は初代民主党創設者であり、初代自由民主党総裁として知られる。
自由民主党は「憲法改正」を党是として、日本自由党と初代民主党が合同して出来た保守政党なのだが、現民主党は改憲を党是にはしていない*1。
ちなみに戦前の鳩山一郎は、野党側議員として反対のための反対をするために世に言う「統帥権干犯問題」を作りだし、与野党の政局の糧として「統帥権は軍にあり」という前提を生み出してしまい、戦前の軍部の独走と太平洋戦争のきっかけ、そして敗戦に至る原因を作り出した。
・統帥権
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%B1%E5%B8%A5%E6%A8%A9#.E8.A1.A8.E9.9D.A2.E5.8C.96・鳩山家系図
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%B3%A9%E5%B1%B1%E4%B8%80%E9%83%8E#.E7.B3.BB.E8.AD.9C
ところで、去る2009/5/15に、西松違法献金問題の当事者である西松建設自身が、ステークホルダーへの報告と説明の形を採って、西松建設側は小沢一郎前民主党代表に献金するため「だけ」に政治団体を偽装設立した、という旨の総括を行っている。
調査報告書及び外部諮問委員会所見について(西松建設)
http://www.nishimatsu.co.jp/press/2009/20090515_2.pdf (PDF注意)
小沢前代表の辞任(5/12)に合わせての発表になるが、このタイミングで発表されたのが「たまたま」なのか、小沢の神通力はもはや消えた、という判断からの告白なのかは判りかねる。
が、西松問題における小沢擁護のため、鳩山新代表は幹事長時代からずっと「検察による悪意ある恣意的な捜査」と繰り返してきたが、今回、その違法献金を実際に行っていた当事者である西松建設自身が、検察当局のリークを裏付ける総括報告を、自身のサイトから発表したということになるのだが、鳩山新代表は小沢代表代行に替わって、この問題について当事者西松建設の告白を無視してでも「国策捜査」「政府の陰謀」と繰り返すつもりなんだろうか?
選挙に勝つためには小沢代表代行を執行部に遺して影響力を維持させなければならず、しかしそれでは西松問題の禊ぎにならず、さらに西松建設の告白に対する弁明を、小沢代表代行に鳩山新代表が迫らなければ世間の支持は得られず、庇って弁明に走るのであれば代表交代効果はまったく得られない。
つくづく、チャンスをピンチに変える政党だなあ、と思う。
民主党って。