政治と軍事〜安全保障噺

宇宙基本計画の話とか防衛大綱の話とかが、ほぼ同時に表に出てきたので、ちょっと気になる安全保障の話とかを覚え書き。
長いですよ。*1覚悟しろ、いつかこれを読み返す自分。


国内の教育、保険、年金、医療、交通、生活インフラ*2、治安維持*3……このへんに絡んでくるのが社会保障
対して、国外の諸国・諸勢力から、領土領海領空内の資源、自国民が自国内及び海外に所有する生命財産などが損なわれないようにする、というのが安全保障。
ぶっちゃけて言うと、安全保障というのは「戦争やそれに準じる暴力によって、声明・財産が奪われないようにする」という方面の保障の話で、本項はそれについてちょっと書いてみる。


国と国が互いに武器兵器を使って殺し合いをするのが戦争。
……というのが、たぶん我々が理解している一般的な戦争のイメージであろうかと思う。
日本で戦争について触れるときは、
「日本が悪いので、悪意から戦争を起こし、他人の財産を奪うために悪意から人を殺した。結果的にその行為に対する罰を国際社会から受け(原爆投下とか)、敗戦後は心を入れ替えて戦争を放棄し、マジメに働いたので現在の地位がある」
とまあ、大雑把に言うとこういう説明のされかた&認識の仕方がされているんではあるまいかと思う。負けた戦争についてポジティブに理解するのは難しいが、ネガティブな側面だけが一人歩きした結果、日本に極端な戦争アレルギーが根付いていることも、実はあまり良いこととは言えない。
なぜなら、そこには戦争回避の方法に対する重大な誤解が根付いてしまってるのではないかなあ、という気がするからだ。


戦争とは何か

まず、戦争というのは何か。
安全保障とか戦争とか、そっち方面のセカイではポピュラーな人でクラウゼヴィッツさんという人がいる。*4
この人の有名な言葉をちょっと省略しつつ紹介すると、
「戦争は、政治の延長線である」
というようなのがある。
これまた端折りつつ説明すると、戦争というのは暴力であるけど、暴力だけが純粋に存在するとか、暴力が無目的に行使されるということはない。政治の手段のうちのひとつとして、戦争という暴力がある、というような。
立ち戻ると、じゃあ政治って何よ、という話になる。
政治には内政=統治と、外政=外交*5がある。
ここでいう戦争は、内政=統治の手段ではなく、主に「外交の手段」としてある。


政治というのは、基本に立ち戻って考えるなら、「考え方が異なり、主張が対立する個人、勢力、国同士の意見を調整する」ためにある。
普通、意見が対立したら話し合いで解決の糸口を探すし、大多数の対立する問題は話し合いで解決できる。
ただ話し合えば解決できるってもんでもなくて、「替わりに金を払う」であったり、「100%ではなく50%で我慢する」であったり、何らかの双方が妥協できる条件を探す。その妥協点を探すのが「話し合い」であるわけで、全員が同じ主張ではないから「多数意見を採る」であったり、「代表者が条件を出して妥協点を探り合う」という形になる。民主主義における多数決や代議政治、政党政治というのは、いきなり殺し合いをせずに妥協点を探すための手段というわけだ。


政治とは、自分の意志を貫き、自分と違う意見を持つ相手を、自分の主張に従わせることであると言い換えてもいい。
自分の言い分が通ったほうが、政治的には勝利であるわけだ。
民主主義的社会では、意見を貫くためにいきなり相手をぶっ殺す、というわけにはいかないからw、多数決や代議制による政党政治、不満を持つ少数派を慰撫する方法としての補償があったりするわけだが、そのへんはちょいと横に置く。


ところが、「主義主張上妥協できない」というのが相手になった場合どうなるか。
妥協点を見つけられない話し合いというのは、単なる「思考停止か時間稼ぎ」にしかならないわけで、一方が一方的に折れない限りは事態は進展しなくなる。
その議題というのが、「おまえが死ぬか俺が死ぬか」のような二択だったり、「おまえが今まで投資してきた金、財産を全て俺に寄こせ」だったりするような、飲めない要求だったりすると、それこそ話し合いでは解決できない、ということになってくる。


そのとき、「例え力尽くでも、暴力に頼っても、自分に多少の損害が出ても、相手が諦めるまで、どんな手を使ってでも」という決意を一方が固めてしまうと、そこに戦争の可能性が芽生えてくる。


戦争反対を声高に言う人たち*6は、
「自分が戦争を仕掛けなければ相手から仕掛けられることはない」とか、
「自分が我慢すれば戦争は起きない」
というようなことを言われたりするのだが、それはたぶん戦争というのを「始めるのは常に自分達」と誤解しているからなんじゃないかな、と思う。
戦争は、「自分の意志を相手に強制するための、手段のひとつ」であるわけで、意見が対立して妥協点が見いだせないとき、どちらか一方が「こうなったら力尽くでも」と思えば、起きる可能性があるものだ。
戦争はスポーツではない。
だから、双方が戦争をすることに合意しなくても、戦争は起こる。
意見が噛み合わない相手が、「戦争も辞さない」と覚悟を決めたら、それだけで起こる。


というか、交通事故と同じで、自分から事故を起こそうとなど思わず、事故を起こさないように注意していても、もらい事故はある。まったく想像できないところからダンプが突っ込んでくることは起こり得る。
故に、戦争というのは「仕掛けなくても起こされる」ものであり、「我慢をしていても起こる」ものだ。
譲歩=妥協すれば起きない、という考え方もあるし、相手が多少の妥協で満足するなら戦争は起きない。
が、相手が多少の譲歩では足りない、と考えているような場合はどうか?
例えば北朝鮮のような。
韓国は太陽政策によって北朝鮮に通商的援助、人道援助を与えた。
アメリカは電力需要を賄うための核開発の代わりに、火力発電所の建造と重油を提供した。
が、それらの譲歩は結局のところ北朝鮮の「核兵器とその運搬手段*7の取得」を留まらせることはできなかったわけで、今でも彼等は「いつでも戦争をすることができる」というカードを持ち続けている。*8


では、意見が異なる相手、戦争をしてでも主張を通したい相手というのは、常に悪意だけでそれをしているのだろうか?
嫌がらせとか、単に人殺しがしたいから武器・兵器を持とうとするのか?
もちろん、そんなこともありえない。
むしろ、「強い兵器を持ったから使ってみたくなる」とか、「強い兵器を持つのは邪悪」とかいう考え方は、非常に拙い。
というか、そうした兵器を作るコスト、維持するコストを考えた場合、使ってしまうよりも「使わずに保持する、いつでも使える」ということを誇示し、相手から譲歩を引き出すことに使うほうが有益だ。
そのためには、「自分達は本気だ。いつでも使える」という戦争を起こす意志が本気であることを相手に理解させ、相手を怯えさせなければならない。
怯えさせることができれば、相手は自分に対して反抗しようとか、自分の主張を脅かそうとか、妥協を求めてきたりといったことはしなくなるわけで、結果的に武力行使を実際にしなくても、自分の政治的主張を通すことができる、ということになる。


「戦争を実際にする覚悟も辞さぬ」という態度と装備を見せて、それをギリギリまで行使せずに相手の意志を挫くための道具に使う。
相手から譲歩を引き出すのが政治であり、話し合いで自分にとって最大の結果を引き出すための圧力カードとしてちらつかせるのが「戦争*9」である。
実際に兵器の的になっていなくても、我々は常に「戦争をしている」し、「戦争をされている」し、同時に戦争を思い留まらせている
戦争はないほうがいい。しないで済むに越したことはない。

日本に対する抑止力としての核

核兵器を持つことについては、たぶんこれからいろいろ議論が出てくるんじゃないかなと思う。
日本は、核兵器を使われた経験を持つ国であるから、核兵器に対しては絶対的なアレルギーが強い。反戦という正論に対して、ほぼ盲目的に賛成してしまう人が多いことは、若干の不安を感じないでもないけど基本的には悪いことではないのだろうとは思う。
では、核というのは「悪い兵器」なのか?
実際に投下された場合に失われる人命、財産の規模などから考えれば、核兵器が最悪の兵器であることは確かに疑いの余地はない。広島に落とされた原爆は20万からの生命を奪っているのだが、現在配備されている多くの核兵器はその数百〜数千倍の威力を持つものもある。*10
つまり、「実際に使用されたら怖い兵器」という自覚が明確にあるからこそ、日本は核に対して強いアレルギーを持っている。
持っているが故に、日本人は「核を使われるのは自分達が間違っているからだ。罰として与えられるものだ。罰を下される前に、核を持った相手に譲歩すべきだ」と、ほぼ無意識のうちに考えてしまう。戦後日本の基調であった譲歩外交の根底には、実はそれがあるんじゃないかなと思う。中国もロシアもアメリカも核を持っている。日本はアメリカの核の傘*11に守られていることになっているが、アメリカと不仲になればそれは日本に向けられるかもしれないし、中国やロシアを怒らせたら、それが日本に向けられる可能性はゼロではない。*12
だから、日本には「核兵器という呪縛」が通用するし、それをちらつかせれば妥協が引き出せる。
日本自身は核の被害に対する大きなアレルギーがあるため、国民感情として自ら核兵器保有しよう、という気運は今のところはない。
つまり、日本に対する御札として核兵器は大きな抑止力を持っていると言える。


冷戦時代の米ソ中、それを横目に核取得を目指した印パ北などは、そうした抑止力としての核を欲したわけなのだが、それを防衛目的ではなくまたパワーバランスを取るための制御装置としてではなく、「譲歩を引き出すための積極的ファクター」として使おうというのが、北朝鮮が今取っている方針であると言える。*13

敵基地攻撃論〜日本はミサイルを持つべき?

日本が核配備を進めるには、国民の核アレルギー感情の他にも、いろいろハードルが高いので、実際には難しかろうと思う。*14
弾頭に核を乗っけるかどうかは横に置くとしても、「打撃力としての敵基地攻撃能力は持つべきでは?」という話は出てくるだろうなと思っていたら、政府自民内からそういう話がじわじわ出てきはじめていて、今年末に策定予定の防衛大綱の計画案に、海上発射型巡航ミサイルの導入というのが含まれることになったらしい。

自民の防衛大綱提言の最終案、防衛費縮減の撤回を要求 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090602/stt0906020124000-n1.htm

実はここ最近、北朝鮮だけでなく西環太平洋及び東アジア各国は、軍拡を進めている。
中国はこの十何年か、人民解放軍*15は近代化を進めていて、ロシアから購入した兵器を勝手にコピー生産してロシアと険悪になったりしてるのだが、これまで進出してこれなかった「海」への進出も著しい。
この10年間くらいの間に、中国の原潜が沖縄沖で発見されたり、演習中の米第七艦隊の空母の後方に突然浮上したり*16、独自の航空母艦の建造を始めたり、空母に搭載する航空機をロシアから購入した……のをコピーして(ry
そんな感じで、海軍力を増強している。
アメリカ側に対して「アメリカの負担を減らすために、ハワイ以西の西太平洋を中国と分割共同管理しないか」という笑えないジョークを持ちかけたりもしている。
このへん、ジョークで済まないと捉えているのが、インドネシアとオーストラリアで、オーストラリアは、この恐慌下にあって戦力の大幅な刷新に力を割いている。*17
バスに乗り遅れるな――というような話題ではないにせよ、北朝鮮の脅威だけでなく中国の南進というものを踏まえると、「我々が武器を捨てれば相手は何もしてこない」というような甘い期待は通用しにくい。
戦争アレルギーの世代*18がぼちぼち引退しはじめ、そういったアレルギーがない世代に入れ代わってきつつあるわけだが、「甘い期待を判ってくれない相手」「こちらの思い通りの対応をしてくれない相手」というのと対面する機会は、今後増えていくだろうと思われる。
これまで議論もできなかったような、「敵基地攻撃能力」について具体的な話が出始めたというのについて、単純に戦争アレルギーで反対する、というだけではもう通じなくなっていくんじゃないだろか。

敵基地攻撃能力について

この間のテポドン発射の折、その対抗手段として一気に認知が拡がったのが、PAC3という地上発射型のミサイル。
これは、発射された後、落ちてくる前に落とせ、というような対抗策であるのだが、戦略核ミサイルのような兵器に対する抑止・防御を考えた場合、本来は「撃たれてしまったらすでに負け」であると思う。
テポドン/テポドン2は液体燃料を使うミサイルな上に、現状では実戦配備されているわけではなくてテスト段階にある。このため、発射には準備が掛かる。
液体燃料は、腐食性が高いのでミサイルの燃料タンクもどんどん腐食させていく。このため、一度タンクに燃料入れたら3〜7日くらいで撃ってしまわないとならない。発射時の天候(射場の風速など)にも左右される。準備のためにあれこれ資材を搬入する様子も、衛星から見える。また、テスト段階のため「衛星だ」とかなんとか、そういう声明みたいなものが、発射前に出されたりもした。
故に、準備できた。
が、もしテポドン2が実戦配備されたらそうした「準備作業」は上空からは見えなくなる。サイロの中にしまい込まれたら、いつ発射されるかはわからなくなる。故に、「常に備え続ける」という対応を迫られることになる。
そうなると、「発射される前に、発射基地を攻撃する」のが、最大の防御ということになる。実際に先制的に敵基地を破壊するかどうかはともかく*19、撃たれる前に脅威を排除する、またはそれをする能力を保有する、というようなことをしておくべき、というのが前述の「敵基地攻撃能力」ということになる。
核弾頭を積んだミサイルは「広域破壊兵器」だが、巡航ミサイルはピンポイントで目標を破壊する限定破壊兵器であるわけで、敵基地のテポドン2だけを狙って破壊できれば、相手国の人命は極力損なわず、攻撃手段だけを限定的に奪える、という論理がなり立つ。


しかし、実はテポドン2より問題なのが、ノドン。
ノドンはテポドン2よりも射程が短いのだが、日本全土をカバーしている。これは北朝鮮が先だっても通告してきた通り。
加えて、ノドンは注入した燃料を数週間にわたって常温保存できる。全体にテポドンよりも小さく、サイロの他に、トラックから発射できる。
つまり、発射地点が特定できない。
さらにノドンは150〜300基がすでに配備されている。
発射地点を特定できないミサイルが、現実に存在している。
これまでの所、ノドンには通常弾頭かせいぜいダーティーボム*20だろうとされてきたが、5月の核実験でノドンに搭載できる小型核弾頭*21の目処が立ったのではないか、と言われている。
つまり、ノドンはピンポイントを破壊する兵器ではなくて、戦略目標を対象とした広域破壊兵器*22ということになる。


で、日本が固定式のPAC3などではなくて、海上発射型*23ミサイルの取得を目指すというのは、ノドンが移動式発射台から発射できるのと同じく、対抗手段の位置を特定させないためというのと、日本海に展開するためというのと、加えて日本国内の反戦団体・九条の会社民党他の政治団体などの妨害を排除するためじゃないかなー、とか思った。
ただ、これだけでは結局の所、「ノドンが発射される前に発射台・発射車両を叩く」という効果は期待できないことになる。


兵器の概念として、ノドンやテポドン2が核弾頭を積んだ場合、目標に対して精密な命中はあまり考えなくていい。なぜなら、5mずれようが100mずれようが、核爆発が与える被害効果(実際の破壊効果以外も含めて)は甚大なわけで、より広域が破壊できればいいのだから精密命中を考えるのは無意味だ。*24
対して、日本が獲得し、或いは使用しようとしている「ノドンへの対抗手段としての海上発射型ミサイル」というのは、広域破壊を目的としたものではなくて、大きさが数メートル〜十数メートル程度の対象物に、精密に命中させなければ効果を期待できないものだ。*25
さらに言えば、ノドンの発射台はどこかに隠されていたり、移動していたり、何百基もあったりするわけで、「どこにあるノドンが、いつ発射されるのか」を事前に、分単位で察知できなければ、発射前に発射台を叩くことはできない。
広域破壊ではなく精密破壊を旨とするミサイルは、狙うべきターゲットを特定できなければ意味がない。


となると、実はより重要になってくるのは、哨戒とか早期警戒とか監視衛星とか、そういう類のハードウェアや、米欧がそれに大幅に労力を割いている「潜入特殊部隊*26」ということになる。
が、多分、現代日本ではそうした「敵地に人を送って」というところまで踏み込むことは当面、できないだろうなあ、と。
そうなると、なんとか目標を特定できるハードウェア*27だけでも整備しなくちゃ、という話に繋がってくる。

宇宙基本計画:人工衛星34基打ち上げ…計画を決定 - 毎日jp(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/science/news/20090602k0000e040047000c.html


ここまでやっても確実に防ぐ方法はない。
ないから、ひれ伏せば許してくれるのかというと、そういうこともない。
それでもやらないよりはマシだし、準備したものがその真価を発揮することは恐らくほとんどない。たぶん、99%は徒労に終わる。
が、その99%の徒労を逃れた1%の万一に備えるのが安全保障という奴であると思う。
泥棒に入られたことがないからドアにカギを掛けない家と、入られたことはないけどカギを掛けている家。どちらのほうが万一に安全かといえば後者だ。
火事はあってはならない。起こってはならないのだか、起きていない火事に金を掛けてそなえるのは無駄であるから、消防署は廃止していい……とは誰も思わない。
刑事事件はあってはならない。犯罪者などいてはいけないのだから、起きていない犯罪に備えて警察を置くのは無意味だから、警察は縮小すべき……とも誰も思わない。
起きて欲しくはないけど、火事も犯罪者も、「こちらの都合」など考慮してくれないこともわかっている。だから、いつ自分の番が来ても困らないように、そうした社会的な「防衛システム」が整備されている。
安全保障=戦争を仕掛けられないで済むための準備だと思うんだけど、そういったものについても、火事や犯罪に備えるのと同様に考えるようにしたほうがいいんじゃないかなあ、と思う。善人も火事や犯罪被害や事故被害は起こりうる。
それと同程度で、こちらが注意していても、こちらに戦意がなくても、戦争はされる可能性が常にある。




ニューオリンズは「まさか越えないだろう」と堤防の整備を怠っていたら、ハリケーンカトリーナによって簡単に堰が切れ、街は壊滅した。
災害はこちらの都合など考えてくれない。
だから、備えだけはしておかなきゃいけないんじゃないかなあ、とか思うのだった。


ま、この手の話題=思考実験は、考え得る最も最悪な状態が確実に起こるとしたら? という前提で行うのが吉。
「あなたはいつか確実に死にます」
というのと同じか、それ以上の程度の確率で戦争は必ず起きるのだから。

*1:文庫本に換算すると22頁分くらい。

*2:上下水道、ガス、電気、通信など

*3:警察

*4:戦争論」という本を書いているのだけど、岩波から出ているこの本はそれはそれは難解で迂遠で半ば愚痴みたいな本なので、読むのはあんまりお奨めできない。寝る前に読んだら2頁で爆睡できる。

*5:安全保障もここに含まれる

*6:九条関係の。

*7:ミサイル

*8:北朝鮮がそれらの兵器を実際に使ったら、反撃によって滅亡に追い込まれるから使うに使えないはずだ、という論拠による安全論ももちろんある。が、それは「相手が自分達と同じ価値観、同じ情報、同じ精神状態ならば」という前提が正しい場合だけだろうと思う。

*9:と、それを構成する戦術、戦略、戦力、継戦能力と、開戦意志、など

*10:ツァーリとかはあまりにも馬鹿馬鹿しい規模なのでアレだけど、それもまた実在はしているわけだし。

*11:パクス・アメリカーナ

*12:現在のUN=国連=国際連合は、戦時中の「連合国」と同じもので、日独伊他の旧枢軸国に対する「敵国条項」というのがある。日独伊がお痛をしたら、国連加盟国が報復攻撃をする、というよな内容。もちろん、既に死文化していて削除決議もなされているのだが、まだ削除はされていない。

*13:北の技術の移入を進めたリビアは、それを放棄することで米欧の援助を得、同じくそれを移入しようとしているイランは、イスラエルからの空爆の口実を増やした。日本がイスラエルのような国だったら、北は頻繁に空爆されることを怖れなければならないが、日本はイスラエルではなく、また休戦協定下にある韓国もまたそこまでのことはできない。韓国の場合、できれば統一後に北の核を保有したいという気持ちもあって、北の核廃絶に本腰ではないのかもしれないなあ、という陰謀論もないではない。

*14:例えば仮に核配備しようと思ったら、北がそうしたように「NPT」から離脱しなければならないが、それをした途端に日本の原子力発電所の運用が立ちゆかなくなり、核燃料の再処理など(現在はフランスに委託)もできなくなる。また、航空機に搭載するのではないミサイルの弾頭に搭載できる小型の核弾頭を開発するのはそう簡単なことではなく(北朝鮮が爆縮型の起爆に成功した=こないだの核実験ってことだとすると、非常に厄介)、米中露のように核実験用の実験場も持たない日本が臨界実験なしに核兵器を実用化するのはかなり無理……などなど。一番厄介そうなアメリカが許さない、というハードルについて言うと、アメリカが現在の民主党政権から共和党政権に戻ったら、そのハードルは下がるんじゃないかなという気がする。親中路線を取る米民主党は中国を脅威とは考えないので、アメリカの国力低下の代替として、中国の太平洋伸長を認める可能性がないでもないが、地政学的に中国を警戒する米共和党が、西太平洋を日本に任せたいという意向を持つような場合、日本の核保有を容認する可能性はなくもない。ただ、日本独自の核開発ではなくて、アメリカの核をレンタル運用する形になるんじゃないかなあ、とか思った。確かNATOでやってたような。んー、うろ覚え。逆に「アメリカが許す」というようなお墨付きが出たら、世論は一気にそっちに転びそうな気がしないでもない。

*15:ちなみに人民解放軍は「中国軍」ではない。あくまで「共産党の私軍」であるのだそうで、人民解放軍共産党の指揮下にあるのであって中華人民共和国の指揮下にはない。これは中国共産党が国民党=中華民国と戦っていたときの名残らしい。

*16:実戦なら、米空母側はそこで魚雷なりハープーン的な中短距離ミサイルぶち込まれてジ・エンド

*17:F35共同開発国で最大の購入国だったよーな

*18:学生運動世代もそれに入るかも

*19:ブッシュドクトリンは「先制攻撃も辞さず」だったけど

*20:核分裂は起こさないが、放射能汚染された物質を広範囲に撒き散らす通常兵器。

*21:小型と言っても、ペイロードは1t程度。

*22:対象は日本の他、北京とウラジオストックも入る。今回の制裁で中露も制裁に合意しているのは、そういう事情と思われる。ちなみに韓国はスカッドで届くので、ペイロードとしての小型核弾頭がスカッドに載るということになると、韓国も他人事ではない。その上、それを北がイランに売ったりすると、イスラエルがこれに対抗して来るのは必至。。

*23:つまり海自護衛艦船からの海上発射

*24:新宿西口に落ちようが東口に落ちようが、新宿が壊滅することに変わりないし、千代田区、新宿区、文京区、渋谷区も大きな被害を受ける。

*25:まあ、目標上空で複数のクラスタに分割して、面攻撃をするような弾頭を積めるのであれば、そこまでの精密性は要求されないけど。

*26:要人暗殺や人質救出の花形のようなイメージがあるが、実際には「後方の主力部隊が攻撃する目標がどこにあるか」を調べて伝える強力斥候の役割のほうが大きいと思う。

*27:防衛目的の情報収集・早期警戒衛星の類