第二の、と書こうと思ってたら第三の西松事件が発覚しちゃったw

郵便不正事件――
厚生労働省の官僚が逮捕された事件。
その概要をザッと言うと、

  • 民主党の牧議員(確か、マルチ商法擁護のときにも名前が挙がった人)の圧力*1を受けて、
  • 厚労省官僚が、自称障害者団体「凜の会」*2
  • 障害者団体向け郵便料金割引制度を悪用し*3
  • 郵便料金をロハにする証明書を発行してた

と、こんなとこ。
この民主党の牧議員というのが確か民主党の石井一議員の元秘書だとか、同じくつい先日日本郵政の西川社長解任を主張して自らが解任され辞任した鳩山邦夫鳩山由紀夫実弟)議員の元秘書だったとか、そういう話に繋がるらしい。
鳩山邦夫日本郵政のトップから民間人を解任し、旧郵政省関係の官僚を後釜に据えたがっていたのは、やっぱこの人が郵政族議員だったからなのかなー、というのは本題から外れるのでまた今度。
個人的には西川続投は正しく、鳩山弟の主張がおかしかったと思うけど、これは後日紙数を稼いで改めて。


で、民主党は、この官僚逮捕について「民主党議員による圧力」が絡んでいるため、「第二の西松事件化」を警戒しているらしい。
西松事件=小沢前代表の献金問題は代表交代でなければ鎮火できなかったわけで、これで自民の支持率回復を許したという悔しさがあるため、選挙前のこの時期に少しでも失点に繋がるようなものは避けたいというのが本音だろう。
民主党としては、「総選挙前に議員の身辺に捜査が入るのは禁じ手」という認識でいるが、これは旧来、東京地検特捜部*4は、選挙前には動かないという不文律のようなものがあった、という認識に基づく話らしい。
西松事件のときに鳩山代表や小沢前代表が散々「国策捜査」「選挙前のこの時期に」と主張していたが、選挙直前の政治家捜査は次の選挙に影響を与えるので、与党(政府)による国策的な妨害工作と取られかねないから、その時期は捜査を控えさせる――ということだとか。
もちろん、そういう話はあくまで都市伝説のようなもので、実際のところ地検特捜部というのはそういった「政治的な判断」からは一応独立していることになっている*5
が、「解散総選挙は近い」という話は昨年くらい(ヘタすると一昨年くらい)からずっと言われ続けていた。これは主に民主党前代表と現代表とマスコミの報道による観測だったが、今まではその「総選挙は近い」が重石になって、これらの「政治とカネ」に絡んだ事件の捜査が止まっていたのかなー、とも思える。
じゃあ、いつならいいのというと「選挙後なら」という話になってくるのだが、国会開催中の議員には不逮捕特権というのがあって*6、それこそ選挙後になったらまた捜査も逮捕もできなくなる。西松事件に関しては、
「近い近いっていつならいいんだよヽ(`Д´)ノ」
と、特捜の堪忍袋の緒が切れたというのもあるのかも。
今回の厚労省官僚逮捕事件も、同じ文脈のものと思える。


で、それについて書こうと思ってたら、第三の西松事件が起きちゃったw
鳩山由紀夫民主党代表の所に、個人献金ならぬ故人献金がなされていた、という。疑惑が持ち上がった、と書こうと思ったら、疑惑じゃなくて「ホントに死亡後に死者の名義で振り込みがされていた」「しかも、複数人から複数件」という、うっかり事務処理ミスでは済まない話が持ち上がってきた。
前代表が献金絡みの失墜したばかりのところ、友愛とか清廉とかそういうのを売りにしていたはずの新代表に、またまた献金絡みの問題が。


日本人は政治家に身綺麗であることを過剰に要求する。
人に何か要求する人間は、それが自分はきちんとできている人間でなければならない、という論理に基づく。
鳩山民主党代表は、これをどうやって説明するのか。
そして、果たして、続報はきちんと報道されるのか?
肌が弱くて吹き出物が出たから絆創膏を貼ってました……ってだけで、連日追及されまくって辞任に追い込まれた閣僚がいたっけなあ。
故人献金ももちろん追及されるよね?

*1:圧力というか、「障害者自立支援法成立」のために、法案に反対しそうな議員からの便宜依頼を断れなかったのでは、という憶測が飛びかっている。この法案でも民主党はゴネてた記憶がある。

*2:を装った実態はマルチ

*3:必要書類の用意や審査をせずに

*4:主に政治とカネを捜査

*5:政治的な思惑がまったくないという保証はどこにもないのだけど、確かにライブドア事件村上ファンド事件のときのように、経済犯の場合でも選挙が終わった後に動くというのが慣例らしい、という話がある。ホリエモンの逮捕も衆院選後だった。

*6:当人が議員辞職しない限り逮捕できない