時期首相レース

現時点では未確認情報が多く錯綜しているが、概ね以下の日程「らしい」。


6/4(金)    代表選、首班指名
6/5〜6(土日) 組閣
6/7(月)    新内閣発足


既に菅直人副総理が出馬表明をしていて、他に立候補がなければ無投票当選になる。
噂の段階でが、一新会小沢グループ)が、田中眞紀子擁立を企てているらしい。
田中眞紀子の可能性については随分前から「ないとはいえない大穴」として書いてきたので、割愛。

ポスト鳩山を巡るあれこれ - さぼり記
http://d.hatena.ne.jp/azuki-glg/20091210/1260414485

これは2009年12月10日の時点でのエントリだが、どういう流れで交替するかはともかく、「鳩山の次は菅。岡田、前原の可能性は低い」という流れで予想してた自分。
参院選を、不人気な鳩山を引きずり下ろした英雄が、ポスト鳩山として戦うだろう、という感じ。鳩山を罵倒した英雄がポスト鳩山になるなら、「菅直人」「田中眞紀子」は口が悪いから有利、とかそういうw
「鳩山を引きずり下ろす党内人民裁判」というのは実現しなかったが、今も基本的な考え方は同じ。


「なってほしい」と「なるだろう」は別なのだが、恐らく単独で従えるグループ構成員*1は、菅直人は単独で40人くらい。
民主党内最大派閥の小沢グループがのべ150人。
どこが誰を出す、誰を推すにしても、たった三日の代表選では一般サポーターに選挙権はないので、衆参両院総会での議員の投票によって決まることになる。
それにしても、民主党って僕の記憶ではここ何年もまともに代表選やってないハズ。毎回、「急な辞任」や「波風を立てないため対立候補が立候補しない無投票当選」とかで。
一般サポーターは一応「協力費(党費みたいなもの)」を支払うことで民主党代表選に投票する議決権を持つはずなんだけど、ほぼ行使されたことはない。ほとんど詐欺だよね。これ。
鳩山首相は6/3以降は辞任会見もしなければぶらさがりも拒否する構えということで、国民に対する退陣会見はしないつもりで貫き通す様子。
その上、民主党内の議員同士のみ投票で次の総理も決めちゃうわけで、2009年の衆院選では有権者は「独裁集団に権力を与えちゃった!」ということは火を見るより明らか。
「それでも自民よりマシ」だと言える人は、自民の過去の経緯と民主の今回の経緯をつぶさに調べて比べてみたらいいと思う。はっきり言って民主に比べたら共産のほうがまだマシかもしれんw


というわけで、拾いネタに追記で次の首相−衆院幹事長の予想。

)菅直人首相-海江田万里幹事長
2)菅首相-岡田克也幹事長
3)菅首相-原口一博幹事長
4)菅首相-山岡賢次幹事長(一新会から出向、小沢名代目付役)
5)岡田首相-前原誠司幹事長
6)田中眞紀子首相-菅幹事長(一新会が眞紀子ゴリ押し)
7)田中首相-山岡幹事長(超小沢傀儡政権)
8)菅首相-田中幹事長(ktkr! 菅直人が死んじゃう!気苦労で!)
9)岡田首相-菅幹事長
10)岡田首相-田中幹事長(岡田克也が今以上に死相が広がっちゃう!気苦労で!)


鉄板は菅直人からの流し。
きっとあちこちでトトカルチョが立ってるに違いないよw


ちなみに、民主党の派閥分布については、朝日新聞調べと産経新聞調べで総数と分布に若干の差違があるが、これは2009年9月、総選挙が終わった時点でのもの。単位は「人」で、衆参両院議員を足したもの。*2

これをグラフにしたものがこちら。

分布を見ればわかるように、小沢グループだけで120〜150人で、民主両院議員の40%近い。第二派閥が鳩山グループだが、トリプルスコアくらいの差がある。この小沢閥の大部分が2009年の総選挙で増えた一年生議員。
鳩山-小沢体制というのが民主党内で事実上の「小沢への手柄献上競争」に成らざるを得ないのは、こういった事情による。
小沢グループは単独特定の組織ではなく、旧自由党系、一新会、小沢政治塾、小沢秘書出身議員、その他複数のグループの重層構造であるらしい。このうち一新会は70〜80名くらい。約半分。

田中眞紀子擁立を企てているのは一新会とあるが、それでも小沢派以外の各グループの二倍はある。

首相レースから前原誠司を外した理由として、小沢グループを【味方に付けない】で過半数を占めようと思っても、多数派勢力を形成するのが不可能だから、と断定したため。
仮に、前原、野田、旧民社党*3を合計しても20%に満たない。
小沢の意向に逆らった首班を選ぶためには、小沢グループ以外の全てのグループが結託しなければならない(鳩山を含む)が、それは無理。
小沢に対して批判的な七奉行筆頭が、「総理になりたいから小沢さんの力を貸して下さい」とは言えないだろう。*4


なので、誰が代表=首相になろうと、幹事長は小沢一派からの出向目付役になるのではないか。(それを条件として飲まないなら協力しない、させない、みたいな)だから、代表選に勝っても自由に幹事長職は指名できない。小沢の紐付きになる。
結局、小沢に弓を引かないもの、小沢の意向を酌む傀儡を受け入れる覚悟がないと、首班指名で協力を得られない。
結局のところ、小沢一郎は表舞台から姿を消し、記者会見など表舞台に顔を出す必然のない立場に引っ込みつつ、奥の院から「意向」を示し、それを「小沢の意向を伝える使者」が総理大臣に伝える、というような体制になる。
小沢は、幹事長職には絶対に子飼いを入れてくるのは間違いない。
政調をなくして地方や団体からの「お願い」を幹事長室に集約させ、「国民からの要望」は幹事長室からのみ内閣に上がる仕組みを作った。そして幹事長は選挙や日常の政治活動に必要な政治資金を議員に分配する権限を持つ。財布の紐を握っている。
小沢が「企業献金の廃止」をしれっと主張しているのは、個々の議員に自前の政治資金獲得機会を与えず、政党に対して国から交付される資金(或いは各資金団体の元締めたる党の資金)からの資金配布に集約させれば、その財布を握る幹事長の権限が誰よりも(党代表よりも)強くなる、ということを見越しているため。
北海道日教組の違法献金で辞職する小林議員なども、「労組献金」という自前の資金源を持っていたことになるわけで、これも弱体化させてしまったほうが、党幹事長の資金権限による支配力が強められて都合がいい。
自分自身が幹事長職に立たずとも、幹事長を子飼いにして自分の意向を伝えさせれば、用は済む、というわけだ。


そうなれば首相はますます誰でもいいわけで、「人畜無害*5で軽くてパーで多額の献金を貰うアテがなくボンボンではなく*6」そして小沢に膝を折ってでも総理になりたい、という菅直人辺りが適任と言えば適任。菅直人はこの機会を逃したらチャンスないかもしれないし。
そして、参院選で負けたら詰め腹を切らせて3カ月くらいで更迭。*7
その間に、連立与党を組み替えて、たちあがれ日本新党改革、または公明とみんなの党を抱き込んで参院過半数を取った辺りで、禊ぎを済ませた小沢が再登場するか、岡田辺りか田中眞紀子か、という流れとか。


「結局、誰がやっても参院選は負け戦」
「負け戦で経歴に傷を付けたくない。だから出陣は今じゃない」
といち早く判断したのが原口w
前原も恐らく同じ考え。岡田は空気読めないからわからんけど「自分が出たら勝てる」とこの状況で思い込むような人間じゃなきゃ、手を挙げないと思う。という意味では、菅が手を挙げるのは至極妥当wwww
そんで、参院選負けて、8月末までと約束の普天間問題の決着*8を付けられず9月に辞任、再度代表選で首班指名……とか。



菅直人語録
http://yasz.hp.infoseek.co.jp/log2/kan-56.htm

*1:民主は意地でも派閥って言わないけど、実質派閥。

*2:ソースはwikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%91%E4%B8%BB%E5%85%9A%E3%81%AE%E6%B4%BE%E9%96%A5

*3:民社党は「やや右よりの社会主義」だったような記憶。前原以前の民主の保守寄せパンダだった西村慎吾とかは民社にいました。

*4:もし前原首相が実現したら、「折れたな」と思うよw

*5:使えない人なので有害です

*6:市民運動出身で親しみやすさ、を売りにできる

*7:9月に代表選

*8:この8月末決着というのは米議会の予算審議の期限。ここまでに滑走や付帯施設の設計を計上しないと、米議会から移転の予算が下りない。降りないとどうなるかというと、普天間固定が確定する。行き場がないから米軍基地がアメリカに帰るとか、そういうファンタジーはない。アメリカが沖縄から撤退するのは、台湾と韓国と日本を見捨てて中国に譲る場合だけだが、アメリカは裏庭(太平洋〜インド洋)に中国人民解放軍艦隊が自由に航海することを許すつもりはないわけで、その意味でも「中国の出口に蓋をする」のがアメリカにとっての沖縄。これは日本も同様。沖縄が独立するか日本が中華衛星圏に入る場合を除いて。それの引責を口実に再代表選だろう。