ブレザオラ経過と塩漬けの思い出

ブレザオラは仕込み始めてからもうじき3週間くらい。
今回、ブレザオラ作成にあたっては、「作り方」を説明したサイトがほとんどないため、ごく近い干し肉や生ハムなどの作り方を説明したサイトや、プロのイタリア料理人が解説している断片的な方法を元に推測しながら作っているわけなのだが……。


今日、事務所に別件の用事を済ませにいったついでにブレザオラの進み具合を確かめてみた。
表面はほぼ完全に乾燥していて、ビーフジャーキーに似た質感になっている。
外側は固いけれども、指で押してみると内側に弾力があるのがわかる。弾力がある=内側に水分が残っている、ということだ。
一日一回のペースで肉をひっくり返すのは、残った水分が外にしみだしてくるのが、肉とキッチンペーパーが接している下部だからで、これを返しながら乾燥を進めているのが現状。
今日、よく乾燥している部分を少し削り取って試食してみた。
なんというか、断面は黒に近い飴色・濃い茶色で、ビーフジャーキー的色味。だが、ぱさぱさ感はなく、しっとりとして透明感がある。味は思ったほどしょっぱくもない。もっと塩の固まりみたいな濃い味かと思ったんだけど、もう少し玄妙で肉の味がする。おいちい。
まだまだ完成という感じではないんだけど、当初想定していた「3カ月くらいかかる」「表面にカビが生える」というのよりは早く出来そうな気がする。
そういえば、プロの料理人が自分の店で出すために作っているものは、7〜10kgの塊で、もちろん脱水シートなどは使わず低温自然乾燥で(吊して)作るらしい。ということは、肉の内部の水分が抜けるのに、ずいぶん時間が掛かるのも納得がいく。
対して、今回作っているのは1kgで、それも500gずつの2塊にしている。
7〜10kgの巨大な塊に比べれば、水分が抜けるのもそれなりに短い時間で済むのかもしれない。


とりあえず、このまま年内一杯様子を見て、それから来年の頭くらいにはいい感じで完成してるかもしれないなあと思った。




ところで野菜室を整理してたら、9月頃に仕込んだものと思われるアンチョビ(リベンジ)が出てきた。
塩漬けして密封したまま放置されていた(^^;)
前回はカタクチイワシをフィレにしてから塩漬けしたら、ただの塩漬けになっちゃったので、リベンジ版はワタも付いたまま塩漬けにしたんだった。密封しないほうがよかったのかどうだったのか、今ひとつ不明。
とりあえず、年末くらいに様子見をするということで、そっと元の場所に戻す。


過去に食べたこの手の「塩辛」の類でいちばん美味しかったのは、実家からきた酒盗(鰹の塩辛)で、まだ現役の魚屋だった老父が手作りしたもの。大量に作っておいて、少しだけ小さな器に移して居間の机の上なんかに放置しておき、熟れさせてから食べていたもの。
上京してきた後くらいだったかインスタントコーヒーのでかい瓶に詰めたものが実家から送られてきて*1、数年間、冷蔵庫に入れっぱなしになっていた。
で、いつだったか「自家製キムチを作ってみる」という試みをしたとき、それを使ってみたら、びっくりするほど美味しかった。塩辛は腐らないというか既に腐ってるわけなんだけどw、数年がかりで熟成を重ねたものはうまさが全然違うなあ、と驚いた記憶がある。
老父は存命だが、魚屋からは引退して久しいので、もうあのスゲーおいしい酒盗は望めないんだけど、いつか機会があったら自分で作ってみたいなあと思ってるもののひとつではある。

*1:もらってきたんだったか、親が持ってきたんだったかも忘れた(^^;)