ケジャンとか

池袋にて、わりとちゃんと作られたケジャンを食った。
ケジャンは韓国料理のひとつで、ぶっちゃけていうとワタリガニのキムチ。キムチダレに生の(本来は生きたままの)ワタリガニを半分にぶった切ったものを漬け込んだもので、大変辛いのだけど身の甘味と相まっておいちい。
手足や胴をぼきんぼきん折りながらガブリと食いついて、歯で殻を噛み砕きながら中の身と汁をチューと吸う。
手がでろでろになりつつ、なおかつ辛く、ビールがうまい。


たぶんきっとハイトニ・リーダーには食えないねw


難しいものではないので自分で作ってみたいなーとも思いつつ、実は新鮮なワタリガニを手に入れるのが難しい。ワタリガニは新鮮=直前まで生きてるくらいでなければいかんわけで。
ワタリガニではなく、生食できる甘エビとかパナメイエビとかでできないもんかな……と、帰り道に考えていて、ふと昔作ったキムチを思い出した。


随分昔にキムチ作りに凝ってた時期があった。
キムチではアミ*1の塩辛は絶対に欠かせず、それに加えて干しエビ*2などを足すのだけど、いっぺん生甘エビで作ってみたことがあった。
キムチは2週間くらい熟成させたあたりからが食べ頃なんだけど、桃屋のキムチの素を使ったのではなく、アミ、にんにく、しょうが、人参、大根、りんご、赤唐辛子をベースにこねた自家製キムチダレの中に2週間入っていた生甘エビは……いや、味はうまいんだ味は。キムチはアミ塩辛の他に酒盗入れたり海鮮をいろいろ入れるほど玄妙な味になっていくので、それはもう生甘エビもアリ。もちろん、味の深みで言うと干しエビのほうが深みやコクは出るかなと思うけど、生甘エビにキムチダレがしみたものも、それはそれはうまかった。味は。


キムチまみれになった生の海老は、見た目があまりよろしくなかった。なんというか、カブトムシほど大きくはないけど、小振りのクワガタとかコガネムシとかの甲虫の幼虫みたいな感じになってた。色は緑がかった茶色になってた。
味はなんとも甘味と辛みが混じり合った感じで旨かったんだけど、あの見た目がなあ……ということで、あれっきりキムチに生エビは入れてない。


ケジャンのワタリガニの身色もやはりあのときの生エビと近い緑がかった赤銅色になってた。味は大変すばらしかった。
しかし、なんであの色になっちゃうかなあ。
生エビでキムチ。うーん。


一緒にケジャンを試したメメさんはチャンジャをお持ち帰り。
タラの腸で作るキムチであるチャンジャも、最近はすっかりお馴染みになった観がある。今でこそ居酒屋のスピードメニューの定番の地位に潜り込みつつあるけど、昔はそっち系食材店に行ったときにまとめ買いしておかないとならないようなものだった。まだキムチが朝鮮漬けと言われていた頃だったか、中野駅の北口でキムチを露天売りしているおばさんがいた。このキムチと一緒に売られてたチャンジャが大変美味しかった。もう随分昔の話なんで今はいないんだろうけど、あれは通うほどハマったなあ。


普通に流通しているものは、これはキムチでもチャンジャでもそうなんだけど、なんか妙に甘いのが多くなってる気がする。あれはみりんか砂糖かが入ってるんだろうけど、キムチの辛さの中にこっそり潜んでいる甘味って、白菜の甘味やりんごの甘味や、魚介の甘味からくるものであると思うのだ。甘味は追加するものではなくて、浮いてくるもの、というか。


というわけで、いずれチャンジャも作ってみたい。
作り方がわかって、材料が手に入るものは、一度はやってみたい。そのように思うのだった。

*1:オキアミ

*2:と言ってもお好み焼きに入れる桜エビのアレではなく、中華材料のようなもの。