荒々しいニョッキ

正確には「粗いニョッキ」を作った。

ニョッキの作り方はいろいろあって、もっぱら「生のジャガイモをすり下ろして粉混ぜる」方式で作っているのだが、本式は確か「茹でたジャガ芋を潰して粉混ぜる」だった気がする。
スイス家庭料理のレシュティも同様に、「生から」「茹でてから」「すり下ろして」といろいろバリエーションがある。材料がほとんど同じだけど芋の加工方法が違うだけで、ニョッキとレシュティは近親種ではないかとか思う。
要するにスイスのドイツ語圏とイタリアの北部とドイツという、あのアルプスのあそこらへんは、本当によくジャガ芋を食べる。
ジャガ芋、及びトマトは南米原産の野菜なのだが、これらの飢救作物として移植普及された意義は大きい。日本で言えば甘藷先生青木昆陽が普及した、と言われる*1薩摩芋の普及と似ている。
薩摩芋は例えば戦後の困難期の飢救食として僕の親くらいの老人世代には懐かしく、また「もう厭(´Д`)」という食べ物の代表格になっちゃったせいか、スイートポテトか大学芋以外の薩摩芋が一般的な日本の家庭料理の地位をあんまり占めてない気がする。
それと比して、トマト(南欧)とジャガ芋(北欧)のヨーロッパにおける普及定着っぷりはどうよ、と。
トマトのないイタリア料理、ジャガ芋のないドイツ、イギリス、フランス、以下略料理は、およそ思いつかないものなあ。日本で言えばアフリカ原産のオクラが「和食の顔」になっちゃってるようなものか。でもオクラは主食ではないか。


そんなわけで、本日は粗いニョッキ。
電子レンジで蒸したジャガイモL玉1個の皮を剥く。
ポテトマッシャーで粗く潰す。無ければシャモジでも包丁でも。
とにかく粗めに粒がごろごろ残るくらいに。
L玉一個に対して薄力粉大さじ山盛りで1杯+半くらい。
捏ねずに混ざる程度に混ぜる。
混ざったら、ひとかたまりになるくらいにまとめる。
しばし寝かせて、その間に湯を沸かす。
塩ひとつまみ入れて、ブロッコリーを茹でる。
その後、ひとかたまりを二つに切り、棒状に伸ばし、タブレット状に切っていく。
これを、ブロッコリー引き上げた後の鍋に投下。
浮いてきたらゆであがり。すぐに出さないと、ジャガ芋がどんどんとけて流出します(粗いから)。
フライパンにブロッコリーと鶏肉とニンニクを炒めて、ゆであがった粗いニョッキを一緒に炒め合わせる。
粗いニョッキは崩れ易いので、軽くフライパン振って混ぜ合わせる程度で。


皿盛りして、お好みでバジルとか振ってできあがり。
ジャガ芋のホコホコしたところと、ニョッキのもちっとしたところが一口で味わえます。
これはこれでうまい。
今度同じやり方でレシュティ作ろう。
10kgのジャガ芋はまだあと60個以上あるんだこれが。

*1:実際はそうでもなかったんじゃないかという研究もありますw