ブレッドバッグとバッグ道楽

ミリタリー趣味がある。軍モノが好きというのもハズレではないんだけど、「安い」「頑丈(長持ち)」「実用本位」というのが趣味に合っている。田舎にいたころ、家の近所に米軍放出衣料品店なんかが普通にあって、「実用本位の安いもの」を漁りに行ってた習慣を今も引っぱってるだけ、といえばそうかもしれない。
 
このところ気に入って使っているハードタイプのバックパック(というかランドセル、と言われてるアレ)は、ノートPCなど固いものを入れて持ち歩くのには非常に便利なのだが、いかんせんバッグそのものが重い。
もう少し軽くて、なおかつ頑丈で安くて実用本位のものはないかなー、ということで英軍のブレッドバッグを手に入れた。もちろんUSEDで金具に多少錆びやくもりがあって、どこにしまい込んであったんだか妙に埃臭いのだが、お値段はこの手のバッグものとしてはそこそこに、というか非常に安い。
ブレッドバッグというのは元々作戦中の兵士が身の回りの日常品を入れておくためのものだそうで、裁縫道具、パンツ、ひげそり、歯ブラシ、家族に手紙を書く道具、なんてもんを納めてあったのだという。多くはショルダーで、25cm×30cm×12cmくらいの小振りの四角いバッグが多い。ブレッドバッグという名前からパンが入っていそうな気もするが(もちろん、食糧を入れたりもしていた)、日本語訳すると普通に「背嚢」「雑嚢」(背中に背負わないから背嚢、ではないかも)である。
欧州の軍隊のものはだいたい同じような形状、大きさのものが多く、キャンバス地や厚手のコットン地(裏側に防水加工がされているのだが、ゴム引きだったりする(笑))に、同じく頑丈に縫製した厚手のコットンのベルトが付き、真鍮かスチールと思われるベルト金具が付く。最近の軍隊もブレッドバッグに相当する装備品はあるが、難燃防水ナイロン&ポリエステル&ABSのジョイントになっていたりで、民生品のアウトドア用品と大差ない(またそういう民生品を作っているメーカーが受注してたりするし)。米軍の装備などはこの傾向が特に強いような気がする。
キャンバス地、コットン地といった、ある意味「重くて古くさい素材」を使っているのは、1950〜70年代以前のビンテージ品であり、もう最前線では必要とされなくなってきているからこそ放出されているわけだが……実はそう言うのが好みの人も少なくないのではないかな、と……。
 
ブレッドバッグはサイドポケットや内部の仕切などがなく、大きなものも入れられる反面、「こまめな整理整頓収納がきちんとできる人」でないと使いこなしにくいかもなあ、と思ったりはする。財布、携帯、メモ、デジカメ……なんかをぞろぞろごろごろ持ち歩く向きには向いてないのである。が、四角いきっちりした形をしているので、ファイルやノートPCなどのようなものを入れて持ち歩くのには結構向いていると思う。
英軍ブレッドバッグはショルダータイプだが、リュックのように背負うタイプのブレッドバッグ(まさに背嚢)もある。値段も800円(!)くらいから、高くても5000円はまず超えないので、ひとつやふたつ持っているといろいろ便利だと思う。